髄内釘(ユニコーン)の骨接合術|手術手順と器械出しのコツをゼロから解説

整形・形成外科
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髄内釘手術の器械出しに苦手意識を持っていませんか?

『髄内釘を使った骨接合術の器械出し看護が不安…』
『大腿骨や脛骨の手術手順、専門用語が多くて覚えられない…』
『整形外科手術の器械出しに苦手意識がある』

このように感じている手術室看護師(特に1〜3年目の方)も多いのではないでしょうか?
整形外科の骨接合手術、特に「髄内釘(ずいないてい:イントラメドラリーネイル)」を用いた手術は、使用する器械の種類が多く、手順も複雑に感じやすいですよね。

しかし、「一般的な標準手順」という大きな流れを一度理解してしまえば、どのメーカーのインプラントであっても、次に何が来るかを予測しやすくなります!

今回は、大腿骨や脛骨などの骨幹部骨折に対して最もよく行われる一般的な髄内釘手術の標準手順と、器械出し看護のポイント・コツについて、分かりやすく解説していきます!

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  1. 【動画でも解説】この記事の内容を動画で
  2. 髄内釘手術とは?基礎知識をおさらい
  3. なぜ「髄内釘」という方法を選ぶのか
  4. 高齢の患者さんが多いからこその視点
    1. 術前に確認しておきたいこと
  5. 【最重要】透視を使う手術=被ばくのある手術です
  6. 【保存版】髄内釘手術で準備する器械・物品一覧
    1. 体位と、外回りが守るもの
  7. 髄内釘手術の一般的な標準手順(大腿骨・脛骨など)
    1. 1. ポジショニングと透視の準備
    2. 2. 皮切と展開
    3. 3. 挿入口の作成(エントリーポイント)
    4. 4. 骨折部の整復とガイドワイヤー挿入
    5. 5. リーミング(髄腔の拡張)
    6. 6. ネイルの挿入
    7. 7. 遠位・近位ロック(スクリュー固定)
    8. 8. 最終確認と閉創
  8. 髄内釘手術で注意すべき合併症
  9. 透視画像から工程を読み取る
  10. 明日から実践!器械出し看護師のレベルアップの秘訣
    1. ① インプラントの「器械の箱(コンテナ)」の構造を把握する
    2. ② 主治医の手の動きと「透視モニター」を両方見る
    3. ③ 清潔野の「安全」と「整頓」を死守する
  11. 髄内釘手術でよくあるミスと対策
  12. 髄内釘手術のよくある疑問
    1. Q. 入れた金属は、あとで抜くの?
    2. Q. 手術後すぐに歩けるの?
    3. Q. なぜ手術を急ぐの?
    4. Q. 1年目でも器械出しに入れる?
  13. 手術終了後の申し送りで伝えること
  14. 髄内釘手術の用語集
  15. まとめ
    1. ◆ ごあいさつ
    2. ◆ コメントのお願い
    3. ◆ 関連おすすめ記事
    4. ◆ オペ看勉強コンテンツ

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髄内釘手術とは?基礎知識をおさらい

髄内釘(Intramedullary Nail)手術は、大腿骨や脛骨のような長い骨(長管骨)の骨幹部骨折に対して行われる標準的な骨接合術です。骨の髄腔(中心の空洞)にチタンやステンレス製の金属の棒(ネイル)を挿入し、内側から骨折部を固定します。

特徴・メリット解説
強い固定力荷重軸の中心で固定するため、力学的に非常に強く、早期からの荷重(リハビリ)が可能。
低侵襲(MIPO)骨折部を大きく開けず、遠隔部(大転子や膝下)からネイルを挿入するため、骨膜の血流を温存でき、骨癒合に有利。
適応部位主に大腿骨(大腿骨転子部、骨幹部)や脛骨の骨折。

【ポイント】 器械出し看護師としては、「骨折部を開かずに遠隔から操作する(透視を多用する)」という特徴を理解しておくことが重要です。


なぜ「髄内釘」という方法を選ぶのか

骨折を固定する方法は、髄内釘だけではありません。プレートで外側から留める方法もあります。それでも髄内釘が選ばれるのには、はっきりした理由があります。

髄内釘プレート固定
入れる場所骨の(髄腔)骨の外側の表面
皮膚切開小さくて済む骨折部を広く開ける必要がある
骨折部への影響直接開かずに済むことが多い骨折部の血流に影響しうる
力のかかり方骨の中心を通るため力学的に有利片側で支える形になる
透視の使用多い(見えない中を進むため)比較的少ない

🦴 骨は「開かないほうが早く治る」

骨が治るには血流が必要です。骨折部を大きく開くと、その周囲の血流が失われ、治りが遅くなることがあります

髄内釘は、骨折部を直接開かずに骨の中を通して固定できます。だから傷が小さいだけでなく、骨が治る力を邪魔しにくいのです。この理屈が分かると、術者が骨折部を無駄に開けたがらない理由が見えてきます。

一方で、骨の中を見ずに進むため透視への依存が高いのが弱点です。この手術で被ばく対策が繰り返し強調されるのは、この構造上の宿命によります。

高齢の患者さんが多いからこその視点

大腿骨の付け根の骨折は、高齢の方が転倒して受傷するケースが大半です。つまりこの手術は、単に骨を治す手術ではありません。

骨折して動けなくなると、寝たきりや肺炎、認知機能の低下といった問題が一気に押し寄せます。だからこそ、可能な限り早く手術をして、早く起き上がれるようにすることが重視されます。手術は「歩ける生活に戻すための入口」なのです。

高齢の患者さんで気をつけること手術室でできる配慮
皮膚が薄く傷つきやすい体位固定時のテープや除圧材の当て方に注意
骨がもろい体位変換時に健側にも骨折を起こさないよう慎重に扱う
体温が下がりやすい入室直後から加温を開始する
心臓や腎臓に持病がある出血量と輸液量をこまめに共有する
認知機能の低下入室時の説明は短く、繰り返し。手を握る関わりが効きます

🍈 「痛かったですね」の一言から始める

この患者さんは、つい昨日まで自分で歩いていた方かもしれません。転んで、動けなくなって、痛みを抱えたまま手術室に来ています。

入室してまず伝えるべきは、術式の確認より前に「痛かったですね。もう大丈夫ですよ」ではないでしょうか。緊張がゆるむと、体位固定への協力も得やすくなります。看護は、手術の効率にもつながっています。

術前に確認しておきたいこと

  • 患側(左右)とマーキング — ドレープをかけると分からなくなります
  • 骨折の部位と型 — 使用するインプラントの種類が変わります
  • 使用するインプラントのメーカーと機種 — 専用器械の組み立て方が違います
  • 牽引台を使用するか — 設営時間が大きく変わります
  • 抗血栓薬の内服状況 — 出血量に影響します
  • 受傷からの経過時間 — 時間が経つほど整復が難しくなることがあります
  • 認知機能と難聴の有無 — 入室時の関わり方を決めます

特にインプラントのメーカーと機種は必ず確認してください。同じ「髄内釘」でも、メーカーが違えば専用器械の組み立ても、スクリューの入れ方も別物です。「いつもの手順」が通用しません。

【最重要】透視を使う手術=被ばくのある手術です

髄内釘の手術は、最初から最後まで透視(レントゲン)を見ながら進みます。骨の中は目で見えないため、画像だけが頼りだからです。

つまりこの手術は、患者さんもスタッフも放射線を浴びる手術だということです。1件では大きな量ではなくても、整形外科に配属された看護師は年間で何十件と入ります。積み重なる被ばくから自分を守るのは、自分自身です。

守るもの具体的にすること理由
体幹防護衣(鉛エプロン)を正しく着るすき間があれば意味がありません。サイズの合ったものを
甲状腺甲状腺プロテクターを装着放射線の影響を受けやすい臓器です
眼(水晶体)防護めがねを使用水晶体は被ばくの影響を受けやすいことが知られています
照射野に手を入れない器械を保持する場面では特に意識します
全身可能な限り線源から離れる距離をとるほど被ばくは大きく減ります

🛡 「一歩下がる」は、遠慮ではなく自己防衛です

透視を撮る合図が出たとき、器械出しでも可能なら一歩下がる。これは仕事から逃げているのではありません。放射線から距離をとるという、正しい行動です。

また、個人線量計は必ず着用し、正しい位置に付けること。付けていなければ、自分がどれだけ浴びたのかも分かりません。「面倒だから」で済ませていい話ではありません。

妊娠している、あるいはその可能性がある場合は、遠慮なく申し出てください。配置を調整するのは組織の責任であり、個人が我慢して解決する問題ではありません。

【保存版】髄内釘手術で準備する器械・物品一覧

グループ主な内容押さえるポイント
①インプラント髄内釘(ネイル)本体、ロッキングスクリュー、エンドキャップサイズ展開が多い。決定まで開封しない
②専用器械ターゲティングデバイス(ガイド)、ハンドル、スリーブ類、ハンマー組み立てが必要。手順を事前に確認
③髄腔操作ガイドワイヤー、リーマー、アウル(錐)、髄腔計測器ガイドワイヤーは曲がったら使えません
④整復整復鉗子、ボーンフック、Kワイヤー整復できなければ次に進めません
⑤透視・防護透視装置、滅菌カバー、防護衣一式全員分の防護具が室内にあるか確認

📦 インプラントの箱は「開ける順番」が命

整形外科のインプラントは、コンテナの中にサイズ違いがずらりと並んでいます。透視で計測してサイズが決まってから、その1本だけを取り出します。

取り違えれば、開封したインプラントは戻せません。術者が言ったサイズを、外回りと復唱してから取り出す。整形外科の器械出しで最も基本にして最も重要な作法です。

体位と、外回りが守るもの

体位は術式と骨折部位によって変わります。牽引をかけて骨折部を整復した状態で固定することもあり、設営そのものに時間がかかるのがこの手術の特徴です。

  • 健側の保護:牽引台では健側の下肢を固定します。会陰部・下肢の圧迫と神経障害に注意します
  • 透視が入るスペース:装置が入る余地を残して固定しないと、途中で動かせなくなります
  • 体温管理:整形外科は洗浄が多く、体温が下がりやすい手術です
  • 出血量の把握:大腿骨の骨折は、見た目以上に出血していることがあります

髄内釘手術の一般的な標準手順(大腿骨・脛骨など)

髄内釘の手術手順は、基本的には以下の8つのステップで進行します。この流れを頭に入れておくと、器械出しが劇的にスムーズになります!

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