※医療・看護ケアは各施設の方針に従ってください。手順・使用器械は施設により異なります。
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🍈 オペ看めろんのもとに、こんな質問が届きました
看護師
めろん

同じ相談を、これまで何度も受けてきました。毎日あれだけ頭を使って動いているのに、いざ紙にすると自分の仕事が急にのっぺりして見えてしまう。
これは経験が足りないからではありません。オペ室の仕事に、外向きの名前がついていないだけです。逆に言えば、置き換える方法さえ分かれば書けます。
この記事では、手術室10年目のわたし(オペ看めろん🍈)が実際に使っている「棚卸し → 翻訳 → 配置」の3ステップで、手を動かしながら1枚を仕上げていきます。年数別の完成例も置いておきました。
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「器械出しをしていました」の次が書けないのは、あなたのせいじゃない
職務経歴書を開いて、一行目で止まる。オペ看めろんの元にも本当によく届く相談です。
毎日あれだけ頭を使って動いているのに、紙にすると自分の仕事が急にのっぺりして見える。経験が足りないからではありません。オペ室の仕事に、外向きの名前がついていないだけです。
採用担当が病棟しか経験していない看護部長なら、オペ室の一日は分かりません。人事担当なら、器械出しと外回りの違いすら曖昧なこともあります。つまり必要なのは経験を盛ることではなく、持っているものを、相手の言葉に置き換えることです。
🍈 わたしは手術室10年目で、新人指導とプリセプター、診療科リーダーも担当してきました。受け入れる側として「この人と働けるか」を見てきた立場から、採用担当が実際どこを読むのかも込みで書いていきます。
この記事は、棚卸し → 翻訳 → 配置の3ステップで進みます。上から順に手を動かせば、書けるようになっています。
STEP1 棚卸し:先週の自分の動きを思い出して書き出す
STEP2 翻訳:オペ室の言葉を、どこでも通じる言葉に置き換える
STEP3 配置:翻訳した言葉を、読まれる順番に並べる
職務経歴書は、この3ステップで書けます
STEP 1
棚卸し
先週の自分の
動きを書き出す
STEP 2
翻訳
オペ室の言葉を
伝わる言葉に
STEP 3
配置
読まれる順番に
並べ替える
STEP1|先週の自分を思い出して、棚卸しする

いきなり書式に向かうと必ず固まります。先に材料を集めるのが順番です。
なお「そもそも動いたほうがいいのか迷っている」という段階の方は、先にこちらを読むと考えが整理しやすいです。
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思い出すのは「術式」ではなく「自分の動き」
多くの人が経験した術式から書こうとします。でも術式名だけでは、あなたが何をしたのかは伝わりません。思い出すのは、その日あなたがした判断と段取りです。
新人指導でも同じことをしています。「今日どうだった?」と聞くと「難しかったです」で終わってしまうので、時間で区切って動きを言わせる。そうすると自分が何をできたのかが本人にも見えてきます。この1枚も、まったく同じ手順で作れます。
棚卸しシート|この4列を埋めるだけ
| 場面 | やっていたこと | 関わった人 | 自分で判断したこと |
|---|---|---|---|
| 入室前 | 術式の確認、器械と物品の準備 | 執刀医 | 追加で出しておく器械を決めた |
| 入室〜導入 | 患者確認、体位固定 | 麻酔科医、病棟看護師 | 除圧の位置を変更した |
| 術中 | 器械出し、出血量の把握 | 執刀医、助手 | 展開が変わる前に次の器械を用意した |
| 閉創〜退室 | カウント、検体の確認、申し送り | 病棟看護師 | 申し送る項目を整理した |
ポイントは右端の「自分で判断したこと」です。ここが応募書類でいちばん価値になります。言われた通りに動いた日のことではなく、あなたが考えて決めたことを思い出してください。
1週間ぶん埋めると、たいてい「意外とやっているな」と思えるはずです。ここで書き出せた量が、そのまま書類の厚みになります。
STEP2|オペ室の言葉を、伝わる言葉に置き換える

棚卸しができたら、次はそれを外向きの言葉にします。ここがこの記事の中心です。
わたしが器械出しで伸びたのは、先輩の手元を見て「なぜ今それを出したのか」をメモするようになってからでした。あれは要するに数手先を読んで準備しているということです。経歴書では、その中身のほうを書きます。
動きを言い換える|対応表
| 棚卸しで出てきた言葉 | 置き換えたあと |
|---|---|
| 器械出しをしていた | 術式の進行を先読みし、次の手順で必要な器械を事前に準備。術野を止めない段取りを担当 |
| 外回りをしていた | 執刀医・麻酔科医・臨床工学技士・病棟との情報連携を担い、体位固定や出血量の把握など術中のリスク管理を実施 |
| 緊急手術に入っていた | 緊急手術の受け入れに対応。限られた情報の中で優先順位を判断し、多職種と連携して準備を実施 |
| 新人についていた | 新人看護師のプリセプターとして年間◯名を担当。到達目標を段階化し、指導の進捗を可視化 |
| 科の担当をしていた | 担当診療科のリーダーとして手順書の作成・更新、器械や物品の選定、医師との調整を担当 |
右側は他の病院の手術室はもちろん、病棟でもクリニックでも通じます。オペ看が転職で不利と言われるのは、経験が乏しいからではなく、この置き換えをせずに出してしまうからだと思っています。
同じ経験でも、書き方でここまで変わります
BEFORE
器械出しを
していました
AFTER
術式の進行を先読みし、次の手順で必要な器械を事前に準備。術野を止めない段取りを担当
やっていたことは同じ。名前をつけ直しただけです
術式は「診療科で束ねて、月◯件」まで落とす
経験した術式を思いつくまま並べると読みにくくなります。診療科でまとめてから中身を挙げると一気に整理されます。
| 診療科 | 書き方の例 |
|---|---|
| 消化器外科 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術、腹腔鏡下結腸切除術、胃全摘術(ルーワイ法再建)、直腸切断術 ほか |
| 整形外科 | 人工股関節全置換術(THA)、人工膝関節全置換術(TKA)、骨接合術(髄内釘)、腰椎後方固定術 ほか |
| 産婦人科 | 帝王切開術(予定・緊急とも対応)、子宮全摘術、円錐切除術 ほか |
| 心臓血管外科 | 冠動脈バイパス術(CABG)、弁置換術、弓部大動脈置換術(人工心肺使用) ほか |
件数は「多数」ではなく数字にします。「消化器外科の手術を月20〜25件担当(うち腹腔鏡下手術が約7割)」——このくらいまで落とすと、読み手の中に像が立ちます。統計を出す必要はなく、「1日2〜3件 × 週4日」からの概算で構いません。
自立して入れる術式と、見学・介助のみの術式は正直に分けてください。ここを曖昧にすると、面接で必ず噛み合わなくなります。
🍈 棚卸しした術式は、そのまま求人を探す条件になります
「消化器外科の器械出しを月20件」まで書き出せたなら、その経験を必要としている病院がどこにあるかも同時に分かります。求人票の診療科欄を見れば、自分の経験がそのまま活きる職場かどうかは一目で判断できますよ。
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器械・機器は院内の呼び方をやめる
院内でしか通じない略語やメーカー独自の呼称は、他院の人が読んで分かる名称に直します。それだけで「よそでも通用する人」に見えます。血管シーリングデバイス、超音波凝固切開装置、自動縫合器・自動吻合器といった一般名称に置き換えてください。
手術支援ロボットや体外循環を用いる手術の経験は、持っていれば必ず書きます。対応できる施設が限られるぶん、そのまま強みになります。
資格欄が「看護師免許」だけでも困らない
オペ室に関わる資格としては、日本看護協会の手術看護認定看護師(実務5年以上・うち3年以上は手術看護。2025年12月時点の登録者は全国570名)と、日本麻酔科学会の周術期管理チーム認定看護師(手術室などで2年以上+セミナー受講と認定試験)があります。取得済み、あるいは受験予定なら必ず書いてください。
ただ、大多数の人は看護師免許だけです。それで何も問題ありません。そして自分では気づかないだけで、資格の形になっていない役割を持っているケースが、実はあることが多いです。例えば以下のようなものが挙げられます。
- BLS・ICLSなどの受講歴、院内認定(感染対策・医療機器安全・輸血 など)
- 院内研修で講師を担当した経験
- 診療科や器械の管理担当(在庫、滅菌物の運用、新規デバイスの導入対応)
- 実習指導者、委員会活動(医療安全・感染・物品)
とくに新しい機器の立ち上げに関わった経験は、書き漏らしやすいのに採用側がいちばん知りたい部分です。マニュアルがない状態で手順を作った経験は、どこの手術室でも通用します。
🍈 教育体制の中身は、求人票にはほとんど書いていません
資格の支援制度や院内研修の実態は、募集要項ではまず分かりません。「教育体制充実」と書いてあっても、中身は病院によって驚くほど違います。中の様子まで知りたいときは、実際に職場を見ているサービスを使うのが早いです。
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STEP3|読まれる順番に並べ替える

材料が揃ったら、最後は置き場所です。同じ内容でも、並べる順番で伝わり方は変わります。
最初の150字に、いちばん強いものを置く
冒頭で「何年・どこで・何を」が一息で分かるようにします。細かい話は後ろに回して構いません。厚生労働省のマイジョブ・カード「様式2 職務経歴シート」も、この並びを想定した作りになっています。
📝 冒頭150字の例
看護師として8年間、うち手術室に6年間従事してまいりました。消化器外科・整形外科を中心に器械出しと外回りの双方を担当し、年間およそ300件の手術に関わっております。直近2年間は新人看護師のプリセプターを務め、術式ごとの手順書の整備にも取り組みました。
1枚の中で、どこに何を置くか
① 職務要約 = 最初の150字
何年・どこで・何を いちばん強いものをここに
② 勤務先の概要 室数・年間件数・オンコールの有無
③ 職務経歴 診療科ごとの術式と「月◯件」
④ 活かせる経験・スキル 翻訳した言葉を置く場所
⑤ 自己PR 年数に合わせて中身を変える
応募先が変わったら、順番を入れ替えるだけでいい
手術室の規模は、数字で置いておく
同じ「手術室6年」でも、2部屋の病院と12部屋の病院では経験がまるで違います。読み手はそこを知りたいので、手術室の室数・年間手術件数・オンコールの有無を添えておくと親切です。正確な数字が分からなければ「約」で構いません。
応募先ごとに、前に出すものを入れ替える
ここが最後のひと手間です。1枚を使い回さず、応募先によって順番を組み替えます。
| 応募先 | 先頭に置くもの |
|---|---|
| 別の病院の手術室 | 対応できる診療科と術式、緊急対応、教育や手順書づくりの経験 |
| 病棟・外来 | 周術期の知識、多職種連携、急変時の判断。「術後の患者さんに何が起きているか分かる」ことは強みです |
| クリニック・内視鏡室 | 清潔操作の確かさ、介助の正確さ、少人数で回す段取り |
| 企業(医療機器など) | 器械・デバイスの知識、医師とのやり取り、物品選定に関わった経験 |
🍈 応募先は、1つに絞らないほうが書類は良くなります
並べ替えの練習は、比較する相手がいるほど効きます。手術室・病棟・クリニック・企業と幅を持って眺めておくと、自分の経験のどこが強みなのかがはっきりしてきますよ。
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完成例|経験年数で、書くべきものは変わる
3ステップを通したあとの完成形を、年数別に置いておきます。数字と診療科を差し替えれば、そのまま使えます。
1〜2年目|術式の数ではなく、学び方で見られている
年数が短いうちは、経験の量で勝負しなくて大丈夫です。指導する側にいると分かりますが、見ているのは伸びしろと、自分なりの学び方を持っているかです。
📝 1〜2年目の例
手術室配属後は、担当する術式ごとに手順と使用器械を書き出し、術後に「実際との差」を追記する方法で知識を定着させてきました。振り返りを続けた結果、配属1年で消化器外科の定型手術については器械出しを単独で担当できるようになりました。分からないことを曖昧にせず、その場で確認する姿勢を大切にしています。
3〜5年目|任されている範囲を、そのまま書く
📝 3〜5年目の例
消化器外科・整形外科を中心に、器械出しと外回りの双方を月20件程度担当しております。緊急手術の受け入れでは、限られた情報の中で優先順位を判断し、麻酔科医・臨床工学技士と連携して準備を整えることを心がけてきました。後輩の指導にも関わり、術式ごとの手順書を更新しながら、誰でも共有できる形に整えています。
6年目以上|チームに何を残したかを書く
中堅からは、自分が上手にできることより仕組みに何を残したかが効きます。手順書の整備、新人教育、物品の見直し。地味な仕事ほど価値があります。
📝 6年目以上の例
手術室において器械出し・外回りを担当するとともに、担当診療科のリーダーとして手順書の作成と更新、器械・物品の選定、医師との調整を行ってまいりました。新人看護師のプリセプターとしては、到達目標を段階に分けて可視化し、指導者間で共有する仕組みづくりに取り組んでいます。個人の経験に依存していた業務を、誰が入っても同じ質で回せる形に整えることを意識してきました。
出す前に、これだけは見直してほしい
症例が特定できる書き方になっていないか
いちばん気をつけたいところです。珍しい術式・稀な合併症・時期や年齢まで具体的に書くと、患者さんが特定され得ます。日本看護協会の「看護職の倫理綱領」でも、職務上知り得た情報を守る責務が示されています。
線引きはシンプルです。術式名は書いてよい。個別の症例エピソードは書かない。これだけ守れば安全です。
書いていいこと・書いてはいけないこと
術式名はOK。症例のエピソードはNG
「手術室が好きです」で終わっていないか
気持ちは伝わりますが、それだけでは何ができる人なのかが残りません。好きだと書くなら、そのうしろに「だから何を積み上げたか」を必ず付けます。
盛っていないか
面接で必ず崩れます。「その術式で困るのはどこですか」と一歩踏み込まれた瞬間に分かってしまうからです。
わたし自身、新人の頃は毎日のように失敗して「オペ看に向いていない」と本気で悩んでいました。それでも10年続けられたのは、できないことをできないと言える環境にいられたからだと思っています。書類の段階から等身大でいるほうが、入職してからの自分がラクです。
1枚できたら、出す前にもう一度だけ
この1枚が書けたタイミングは、この数年で自分が何をしてきたかを、いちばん言葉にできている状態です。だからこそ、応募先を決める前に条件を一度見比べておくのをおすすめします。
オペ室手当・オンコール手当は、同じ地域でも病院によって差が出ます。わたしが実施したSNSアンケートでも、そこは想像以上にばらついていました。
👉 オペ看の給料と手当のリアル|1,838人の声から見えたこと
実際の求人票で手当欄を並べるのがいちばん早いです。わたし自身も、時短勤務に切り替えるか考えていた時期に登録して、条件だけ眺めていたことがあります。応募しなくても、見るだけでも大丈夫です。
書き上がったら、3社の使い分けはこうです
まずはここから
看護roo!
オペ室求人と手当欄を見比べるならここ。求人票の情報量が多く、書き上げた経歴書をどこに出すか決める段階に向いています。
登録3分・無料/電話が苦手なら「LINE希望」と返信すればOK
📖 3社の違いをもっと詳しく → オペ看向け転職サイト比較
まとめ
- 書けないのは経験不足ではなく、オペ室の仕事に外向きの名前がついていないから
- STEP1 棚卸し:先週の動きを4列で書き出す。鍵は「自分で判断したこと」
- STEP2 翻訳:器械出し=先読みと段取り、外回り=多職種連携とリスク管理へ置き換える
- 術式は診療科で束ねて「月◯件」まで落とし、器械は一般名称に直す
- 資格欄が看護師免許だけでも、院内研修・器械の管理担当・新規機器の立ち上げが書ける
- STEP3 配置:最初の150字に強いものを置き、応募先ごとに順番を入れ替える
- 術式名はOK、個別の症例エピソードはNG(守秘義務)
職務経歴書を書く作業は、これまで自分が何を積み上げてきたかを棚卸しする作業でもあります。書き出してみると「意外とやってきたな」と思えるはずです。その感覚は、面接でもちゃんと伝わりますよ。
参考文献
- 厚生労働省.マイジョブ・カード「様式2 職務経歴シート」.(https://www.job-card.mhlw.go.jp/create/style2/input)
- 厚生労働省.職業情報提供サイト(job tag).(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/)
- 公益社団法人日本看護協会編.看護職の倫理綱領.日本看護協会;2021.
- 公益社団法人日本看護協会.資格認定制度(認定看護師).(https://www.nurse.or.jp/nursing/qualification/vision/cn/index.html)
- 公益社団法人日本麻酔科学会.周術期管理チーム認定制度.(https://anesth.or.jp/users/person/perioperative_training/perioperative_team)
◆ ごあいさつ
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