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志望動機の欄で、手が止まっていませんか。書けたとしても「手術室でスキルアップしたいと思い、志望しました」——そこから先が続かない。
その一文が弱いのは、あなたの経験が足りないからではありません。相手の話が一行も入っていないからです。志望動機は、自分の気持ちを書く欄ではないんです。
この記事では、手術室10年目のわたし(オペ看めろん🍈)が求人票から逆算して志望動機を組み立てる方法を、状況別の例文つきでまとめました。受け入れる側がどこを読んでいるかも書いています。
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「オペ室でスキルアップしたい」が、なぜ刺さらないのか
志望動機の欄で手が止まったとき、多くの人がまず書くのがこれです。「手術室でスキルアップしたいと思い、志望しました」。
間違ってはいません。ただ、読む側からするとここには相手の話が一行も入っていないんです。スキルアップしたい人はどの病院にもいますし、その一文はどの求人にも出せてしまいます。
厚生労働省の「公正な採用選考の基本」でも、採用は応募者の適性・能力に基づいて判断するものとされています。つまり志望動機は、気持ちを表明する場ではなく、「この仕事をやれる人かどうか」を伝える場所です。
🍈 わたしは手術室10年目で、新人指導とプリセプター、診療科リーダーを担当してきました。受け入れる側として書類を読む機会もあったので、この記事では「どこを読まれているか」も含めて書いていきます。
志望動機は、3つの点を1本の線でつなぐだけ
書けないときは、たいてい自分のことだけを書こうとしています。必要なのは、次の3つの点を線でつなぐことです。
志望動機は、この3つを線でつなぐだけ
①
これまでやってきたこと
診療科・術式・件数
器械出し/外回り
②
相手がいま困っていること
求人票と病院HPから
読み取る
③
入職後にできること
①と②が重なる部分を
そのまま書く
抜けやすいのは真ん中の②。ここが無いと、どこにでも出せる文章になります
①だけだと自慢話、②だけだとお世辞、③だけだと絵空事になります。3つが線でつながったとき、はじめて「この人はうちで働ける」と読めます。
そして多くの人が抜かしているのが、真ん中の②です。ここが分からないから、①と③だけで書こうとして手が止まる。②は調べれば分かります。
相手が困っていることは、求人票に書いてあります
病院がわざわざ求人を出しているということは、いま人が足りないか、これから増える予定があるということです。その理由は、求人票の書きぶりからかなり読み取れます。
| 求人票の書きぶり | 読み取れること |
|---|---|
| 「経験者優遇」「即戦力募集」 | 教える余裕が今はない。入ってすぐ器械出しに入れる人を探している |
| 「未経験可」「教育体制充実」 | 育てる前提がある。長く続けてくれるかを重く見ている |
| 募集人数が多い(3名以上など) | 手術件数の増加か、まとまった退職があった。定着が論点になりやすい |
| 特定の診療科名が並んでいる | その科の症例が多い。同じ科の経験があるなら最優先で書く |
| 「ロボット支援手術」「ハイブリッド手術室」 | 設備投資をしている。新しい術式に対応できる人を求めている |
| オンコール・待機の回数が明記 | 緊急対応が日常的にある。緊急手術の経験が効く |
読み取れたら、そこに自分の経験を当てにいきます。「消化器外科と整形外科が中心とのことでしたので、これまで月20件ほど担当してきた経験がそのまま活かせると考えました」——この一文があるだけで、書類の温度がまるで変わります。
求人票で分からなければ、病院のホームページで年間手術件数と診療科を見るだけでも十分です。そこまで調べた人と、調べていない人は、読めば分かります。

3つの点を線にする|4ブロックの骨格
材料が揃ったら、この順番に置きます。200〜300字あれば十分です。
志望動機の骨格(200〜300字)
① 結論 = なぜ、この病院なのか
②で読み取ったことを、最初の一文に置く
② これまでの経験
診療科・術式・「月◯件」まで具体的に
③ 入職後にできること
①と②が重なる部分。ここが提案になる
④ 続ける意思 = 削らないでください
手術室は独り立ちに時間がかかる部署。ここが効きます
順番には意味があります。結論を先に置くのは、書類を読む人が何十枚も目を通すからです。3行目までに「なぜうちなのか」が分からない文章は、最後まで読まれません。
そして④の「続ける意思」を必ず入れてください。手術室は独り立ちまで時間がかかる部署です。受け入れる側は、教えた人が1年で辞めてしまうことをいちばん怖れています。ここに一行あるかないかで、印象がはっきり変わります。
状況別の例文|そのまま下敷きにしてください
「どこからどこへ動くのか」で書く中身は変わります。数字と診療科をご自身のものに差し替えれば、そのまま使えます。
① 手術室 → 別の病院の手術室
いちばん多いパターンです。即戦力であることを、術式と件数で示します。
📝 例文
消化器外科を中心とした貴院の手術体制で、これまでの経験をそのまま活かせると考え志望いたしました。現職では消化器外科・整形外科の手術を月20件ほど担当し、器械出しと外回りの双方に対応しております。緊急手術の受け入れも経験してまいりましたので、オンコール体制にも早期に順応できると考えております。一つの手術室で長く経験を積みたいと考えており、貴院で腰を据えて働きたいと希望しております。
② 病棟 → 手術室(未経験からの挑戦)
未経験は不利ではありません。ただし「憧れ」で終わらせないこと。病棟で見てきたものと手術室をつなげると、途端に説得力が出ます。
📝 例文
外科病棟で5年間、術前術後の患者さんを受け持つなかで、手術室の中で何が行われているかを知ることが、術後の観察の質に直結すると感じてきました。ドレーンの本数や創部の状態から手術内容を推測する場面が多く、その根拠を自分の目で確かめたい気持ちが強くなりました。手術室は覚えることが多い部署だと理解しております。まずは一つずつ確実に身につけ、長く貢献できるよう努めてまいります。
③ 手術室 → 病棟・外来
意外と多いのがこの動きです。「手術室しか知らない」と思われないよう、周術期の知識を前に出します。
📝 例文
手術室で6年間、消化器外科を中心に器械出しと外回りを担当してまいりました。手術の内容と術後に起こりうる変化を具体的に把握できることは、病棟での観察においても活かせると考えております。麻酔科医や執刀医と直接やり取りしてきた経験から、多職種との情報連携にも抵抗がありません。患者さんの回復に継続して関わりたいという思いが強くなり、貴院を志望いたしました。
④ ブランク明けの復帰
ブランクは隠さず、期間と、いま何ができるかをはっきり書きます。曖昧にするほど不安に見えます。
📝 例文
出産・育児のため3年間現場を離れておりましたが、復帰にあたり以前経験のある手術室で再び働きたいと考え志望いたしました。ブランク前は整形外科を中心に器械出しを担当しており、人工関節や骨接合の術式には対応しておりました。器械や手順の変化については、復帰後に改めて確認しながら進めたいと考えております。子どもの生活も落ち着き、腰を据えて勤務できる環境が整いました。
4つとも、最後に「続ける意思」で締めているのが分かると思います。ここは削らないでください。
これを書くと弱くなる、3つ
書くと弱くなる3つ
「勉強させていただきたい」だけ
経験者が書くと「教える手間が増える」と読まれる。先にいま何ができるかを置く
前の職場の不満から入る
「うちでも同じことを言うのでは」と読まれる。望む方向に言い換える
どこにでも出せる文章
病院名を入れ替えて読んでみる。そのまま通るなら②が入っていない
「勉強させていただきたい」だけで終わる
謙虚さは伝わります。ただ、経験のある人がこれだけを書くと、受け入れる側には「教える手間が増える」としか読めません。学ぶ姿勢を書くなら、その前に「いま何ができるか」を置いてください。順番の問題です。
1年目・2年目であれば話は別で、この書き方でまったく問題ありません。年数によって、書くべきものは変わります。
前の職場の不満から入る
「残業が多かった」「教育体制が整っていなかった」——事実だとしても、志望動機に書くと「うちでも同じことを言うのでは」と読まれます。
不満は、望む方向に言い換えてください。「残業が多かった」ではなく「時間内に終える体制のもとで、質を落とさず働きたい」。同じことを言っていても、受け取られ方が違います。
どこにでも出せる文章になっている
書き上がったら、病院名を別の病院に置き換えて読んでみてください。そのまま通ってしまうなら、②の「相手のこと」が入っていない証拠です。
これはわたしが新人指導で使っている確認の仕方と同じです。抽象的な言葉は、入れ替えても成立してしまう。入れ替えたら成立しなくなる一文が、その書類でいちばん効いている部分です。
書いたことは、面接で必ず深掘りされます
志望動機は、面接の台本を自分で書いているのと同じです。書いた一文は、ほぼ確実に「それはどういうことですか」と聞かれます。
- 「月20件担当」と書いた → いちばん自信のある術式は? 苦手な術式は?
- 「緊急手術に対応してきた」と書いた → 直近でいちばん大変だった場面は?
- 「長く働きたい」と書いた → なぜ前の職場では続けられなかった?
だから答えられないことは書かない。逆に言えば、話したいことを志望動機に仕込んでおけば、面接の流れを自分で作れます。ここは書類を出す前にやっておく価値があります。
なお、面接では本籍地や家族の職業など、適性・能力に関係のないことは尋ねてはいけないとされています(厚生労働省「公正な採用選考の基本」)。もし聞かれても、それはあなたの落ち度ではありません。

書けたら、応募先を決める前にもう一度だけ
志望動機を書くには、求人票を読み込む必要があります。ということは、いま自然と「他の病院はどうなっているんだろう」という目線になっているはずです。
そのタイミングで、条件も一緒に見ておくと無駄がありません。オペ室手当・オンコール手当は、同じ地域でも病院によって差が出ます。わたしが実施したSNSアンケートでも、想像以上にばらついていました。
👉 オペ看の給料と手当のリアル|1,838人の声から見えたこと
求人票を並べて手当欄を見比べるのがいちばん早いです。応募しなくても、見るだけでも大丈夫です。
まとめ
- 志望動機は気持ちを書く欄ではなく、この仕事をやれる人かどうかを伝える場所
- ①これまでの経験 ②相手が困っていること ③入職後にできることを1本の線でつなぐ
- 抜けやすいのは②。求人票の書きぶりと病院HPの手術件数から読み取れる
- 骨格は結論 → これまで → 入職後 → 続ける意思の4ブロック・200〜300字
- ④の「続ける意思」は削らない。手術室は独り立ちに時間がかかる部署だから効く
- 病院名を入れ替えても成立する文章は、まだ②が入っていない
- 書いたことは面接で必ず深掘りされる。答えられないことは書かない
志望動機を書く作業は、応募先を本気で調べる作業でもあります。調べているうちに「ここは合わないかも」と気づくこともありますが、それも収穫です。入ってから気づくより、ずっといいですから。
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参考文献
- 厚生労働省.公正な採用選考の基本.(https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/basic.html)
- 厚生労働省.採用選考時に配慮すべき事項.(https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/consider.html)
- 厚生労働省.職業情報提供サイト(job tag).(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/)
- 公益社団法人日本看護協会編.看護職の倫理綱領.日本看護協会;2021.
◆ ごあいさつ
初めまして、オペ看めろん🍈です。
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