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『結腸切除術って、どのような手術なの?』
『ラパロ結腸手術って、なに?』
『消化器外科手術の器械出し看護のポイントを知りたい』
このように思うオペ看は多いのではないでしょうか。腹腔鏡下の結腸切除術は消化器外科でも件数の多い手術ですが、モニター越しに何が起きているのか分かりにくく、「今どの層を剥離しているのか」「次に何の器械が出るのか」が読めない——そこでつまずく新人さんがとても多い手術でもあります。
今回はオペ看護師向け勉強用として、腹腔鏡下での右側結腸部分切除術・右半結腸切除術の手術の流れを解説していきます。単なる手順の羅列ではなく、「なぜその操作をするのか」「そのとき器械出し・外回りは何を考えるのか」まで踏み込んで整理しました。
またオペ看護師だけでなく、消化器外科研修医の方もぜひ参考にしていただければ幸いです。
【右結腸切除術とは?】
右側結腸部分切除術・右半結腸切除術は、上行結腸から横行結腸にかけて腫瘍などができた場合、その切除に対して行われます。
腫瘍の大きさや、患者の既往歴にもよりますが、多くは腹腔鏡下で手術されます。
「右半結腸切除術」は、回盲部(小腸と大腸のつなぎ目)から上行結腸、横行結腸の右側までをまとめて切除する術式です。腫瘍の場所が限られている場合は、切除範囲を狭くした「部分切除術」が選ばれることもあります。
いずれの場合も、大腸がんに対して行う場合は腫瘍そのものだけでなく、その腸管を栄養している血管と、血管に沿って並ぶリンパ節を「まとめて」切除するのが基本です。これを「リンパ節郭清(かくせい)」といい、がんの取り残しを防ぐために欠かせない操作です。手術時間の多くが、この血管処理とリンパ節郭清に費やされます。
【動画でも解説】この記事の内容を動画で
この記事の内容は動画でも解説しています。通勤中や休憩中の予習・復習にどうぞ。
手術前に押さえたい|右側結腸の解剖と血管
手術の流れに入る前に、右側結腸まわりの「地図」を頭に入れておきましょう。ここが分かると、術野で術者が何を探しているのかが一気に理解しやすくなります。
右側結腸を栄養する血管
右側結腸は、上腸間膜動脈(SMA)・上腸間膜静脈(SMV)から枝分かれした血管によって栄養されています。腹腔鏡下右半結腸切除術では、この枝を根元で処理していきます。
| 血管 | 栄養している範囲 |
|---|---|
| 回結腸動静脈 | 回盲部(小腸と大腸のつなぎ目)周辺 |
| 右結腸動静脈 | 上行結腸(※存在しない人もいます) |
| 中結腸動静脈(右枝) | 横行結腸の右側 |
切除範囲によって、どの血管をどこで切るかが変わります。器械出しは、「今日はどこまで切除するのか=どの血管を処理するのか」を術前に確認しておくと、クリップやエネルギーデバイスを出すタイミングを読みやすくなります。
背側にある「傷つけてはいけないもの」
右側結腸の裏側(背側)には、絶対に傷つけたくない臓器が並んでいます。剥離操作がこれほど慎重に行われるのは、このためです。
- 十二指腸・膵臓(すいぞう):上行結腸の裏に隠れています。損傷すると重篤な合併症につながります
- 尿管(にょうかん)・生殖腺動静脈:後腹膜のさらに奥を走ります。剥離の層を間違えると巻き込む危険があります
- 胃結腸静脈幹(ヘンレ静脈幹):横行結腸側の処理で近づく太い静脈。裂けると一気に出血するため、術者がとくに神経を使う場所です
💡 「正しい層で剥離する」の意味
結腸の間膜と、その背側にある後腹膜下筋膜(腎前筋膜)との間には、ほとんど血管が通っていない“はがれやすい層”があります。ここを的確にたどると、出血が少なく、十二指腸・膵臓・尿管を傷つけずに進めます。術者が「層が出た」「いい層だ」と言っているのは、この面に入れたということ。層を外すと出血が増え、手術時間が延びますので、器械出しは吸引やガーゼをすぐ出せる態勢で見守りましょう。
腹腔鏡用ポートの挿入~腹腔内観察

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①No.10メスで皮膚を切開し、電気メスで止血しながら創を拡大し、指示の腹腔鏡用ポートを挿入します
②同様の操作を繰り返し、必要な数の腹腔鏡用ポートを挿入します
③気腹を開始し、カメラで腹腔内を観察します![]()
最初のポート(多くはカメラ用)は臍部に置かれることが多く、そこから残りのポートを追加していきます。ポートの本数・位置は術者や施設によって異なりますが、カメラ・術者の右手・左手・助手用という役割分担で配置されるのが一般的です。
気腹(お腹を炭酸ガスでふくらませること)が始まると、腹腔内に作業スペースができます。同時に、気腹によって横隔膜が押し上げられ、換気や循環に影響が出るため、麻酔科医はここでバイタルの変化に注意を払っています。
ポート挿入は「メス→電気メス→ポート」の繰り返しです。テンポが速いので、ポートの本数と種類(サイズ)を事前に確認し、必要数を手元にそろえておくとスムーズです。
また、ポート挿入時は腹壁の血管を傷つけて出血することがあります。止血用の器械や糸をすぐ出せる位置に置いておきましょう。
腹腔鏡下右半結腸切除術では、術野を広げるために手術台を頭低位(トレンデレンブルグ位)や左側低位に大きく傾けることがあります。傾けたときに患者さんの身体がずれないよう、体位固定が確実かを事前に確認しておきましょう。
また、傾斜をつけた状態が長く続くと神経障害や褥瘡のリスクが高まります。除圧の状況、腕の位置(過伸展になっていないか)にも目を配ります。





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