PLIF(腰椎後方椎体間固定術)の手術手順|整形の器械出し看護ポイント

整形・形成外科
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『腰椎後方椎体間固定術(PLIF)の手術看護手順を知りたい』
『整形外科の器械出し、正直ちょっと苦手…』

そんなふうに感じていませんか?

脊椎手術は展開が深く、使用器械も多く、インプラントも豊富。 「今どの段階?」「次は何を出す?」 と常に頭をフル回転させる手術です。

✔ 除圧
✔ 椎間板摘出
✔ ケージ挿入
✔ スクリュー固定
✔ ロッド固定

工程が多く、流れを理解していないと “言われたものを出すだけ” になってしまいがちです。

でも大丈夫。

手術の全体像と目的がわかれば、器械出しは一気にラクになります。

この記事では、腰椎後方椎体間固定術(PLIF)の手術手順に沿って、

  • 各工程の目的
  • 看護師が意識すべきポイント
  • 器械出しのタイミング
  • よくあるつまずきポイント

「なんとなく出している状態」から
「流れが読める器械出し」へ。

脊椎手術への苦手意識を、ここで一緒に減らしていきましょう。

【この記事で分かること】

✅ 腰椎後方椎体間固定術(PLIF)の流れ

✅ 腰椎後方椎体間固定術(PLIF)の器械出し看護ポイント

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  1. 腰椎後方椎体間固定術(PLIF)とは?
    1. ◆ 手術の目的と基本構造
    2. ◆ 対象となる主な疾患
  2. PLIFは「4つの仕事」を順にこなす手術
  3. なぜ「固定」が必要になるのか——病態から理解する
  4. 腰椎後方椎体間固定術(PLIF)の流れ
    1. 手術体位固定【腹臥位】
    2. ◆ 術野消毒〜エネルギーデバイスのセッティング
    3. ◆ 【外回り看護ポイント】消毒開始前が勝負!
    4. ◆ なぜ整形手術は清潔度が高いのか?
  5. 腹臥位という体位が、静かに作るリスク
  6. 腰椎後方椎体間固定術(PLIF)の手術開始
    1. ◆ 腰部皮下への局所麻酔
    2. ◆ 腰部正中切開 & 開創
    3. ◆ 【器械出し看護ポイント】皮膚切開メスの扱い
  7. 椎間の確認
    1. ◆ 棘突起頂点の剥離
    2. ◆ 椎間の確認と拡張
  8. 椎弓切除~椎間板切除
    1. ◆ 部分椎弓切除
    2. ◆ 椎間板の露出・切開
    3. ◆ 椎間板の切除
    4. ◆ 終板切除と椎間板腔の洗浄
  9. 椎体間ケージ挿入
    1. ◆ 椎体間ケージの挿入
    2. ◆ 自家骨の粉砕準備(骨移植用)
  10. スクリュー刺入前の椎弓根確認
    1. ◆ 椎弓根の確認(スクリュー挿入前)
    2. ◆ 椎弓根確認の重要性
  11. 腰椎後方椎体間固定【スクリュー・ロッド・セットスクリュー挿入】
    1. ◆ スクリューの挿入
    2. ◆ ロッドの挿入
    3. ◆ セットスクリューの挿入
    4. ◆ 外回り看護ポイント
  12. インプラント挿入部の洗浄
    1. ◆ インプラント挿入部位の洗浄
    2. ◆ 腰部筋層下ドレーン挿入
  13. 閉創〜手術終了・麻酔覚醒・抜管
  14. 外回り看護師が押さえる、術中の3つの数字
  15. 術中のトラブル3つと、看護師の初動
    1. ① 硬膜損傷(髄液漏)
    2. ② 硬膜外静脈叢からの出血
    3. ③ スクリューの逸脱と神経モニタリング
  16. 器械出しが「先読み」できるようになるための具体策
    1. 1. 器械台を「4つの島」に分ける
    2. 2. 「セットで動く器械」を組にしておく
    3. 3. 高速ドリルとマレットは、渡す前に一呼吸置く
    4. 4. 分からなければ、先に聞く
  17. インプラント管理と、退室前チェック
    1. 開けたら戻せないものを扱っている、という前提
    2. 手術室を出る前に、必ず残すこと
  18. 【資料】PLIFの用語集
  19. 腰椎後方椎体間固定術(PLIF)まとめ
    1. ◆ ごあいさつ
    2. ◆ コメントのお願い
    3. ◆ 関連おすすめ記事
    4. ◆ オペ看勉強コンテンツ

腰椎後方椎体間固定術(PLIF)とは?

参考文献

  • 日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会監修,日本整形外科学会診療ガイドライン委員会編『腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021(改訂第2版)』南江堂,2021.
  • 日本脊椎脊髄病学会編『脊椎脊髄病用語事典(改訂第6版)』南江堂,2020.
  • 日本手術医学会『手術医療の実践ガイドライン(改訂第三版)』日本手術医学会,2019.
  • 日本麻酔科学会・周術期管理チーム委員会編『周術期管理チームテキスト 第4版』日本麻酔科学会,2020.

腰椎後方椎体間固定術(PLIF) は、腰椎の椎間板を摘出し、その後に椎体固定を行うことで 椎体の安定性を獲得する手術 です。

◆ 手術の目的と基本構造

① 椎間板を摘出(除圧)
② 椎弓根にドリルで穴を作成
③ スクリュー挿入
④ ロッドで連結
⑤ 追加ネジで最終固定

固定したい椎間の 椎弓根にスクリューを挿入し、ロッドで連結固定 することで、強固な後方固定を行います。

◆ 対象となる主な疾患

腰部脊柱管狭窄症
腰椎変性すべり症
分離すべり症
腰椎椎間板ヘルニア
圧迫骨折 など

神経圧迫や不安定性を伴う疾患に対して、 除圧+固定 を同時に行うのがこの術式の特徴です。

PLIFは「4つの仕事」を順にこなす手術

PLIFは工程が多く、初めて入ると「今どこをやっているのか」が分からなくなりがちです。でも、やっていることは大きく4つの仕事に分解できます。これさえ頭に入れば、次に必要な器械はほぼ絞り込めます。

仕事目的この場面の主な器械
① 展開背中を開き、椎弓と関節突起を見えるようにするメス、電気メス、コブ骨膜剥離子、開創器
② 除圧神経を圧迫している骨と靭帯を取り除くケリソンパンチ、リュエル、キュレット、高速ドリル
③ 椎体間の処理と支え椎間板を取り、代わりにケージを入れて高さを保つ髄核鉗子、終板用キュレット、トライアル、ケージ
④ 後方固定スクリューとロッドで骨がくっつくまで支えるプローブ、タップ、スクリュー、ロッド、ベンダー

この4つのうち、②と③が「治療の本体」、④が「治るまでの仮の支え」です。金属で固定するのはゴールではなく、骨と骨がくっつく(骨癒合する)までのつなぎ——だから移植する骨が大切になり、削り出した局所骨を一片も捨てないのです。

術野を見ていて分からなくなったら、「今は①〜④のどれか」を自分に問いかけてみてください。それだけで、渡すべき器械の候補が4分の1に減ります。

なぜ「固定」が必要になるのか——病態から理解する

神経の圧迫を取り除くだけなら、除圧の手術で済みます。ではなぜ、わざわざ金属で固定するのでしょうか。答えは「その背骨が、すでにぐらついているから」です。

病態何が起きているか固定が必要になる理由
腰椎変性すべり症椎骨が前方へずれているずれた状態が動くたびに神経を刺激する。除圧だけでは、削ることでさらに不安定になる
腰部脊柱管狭窄症(不安定性を伴う)脊柱管が狭くなり、かつ動揺がある広く削る必要があるほど、支えを失う
椎間板変性・椎間の高さの低下クッションがつぶれ、神経の出口が狭くなるケージで高さを回復させ、神経の通り道を広げる
分離すべり症椎弓の一部が離れているもともと連結が切れているため、固定でつなぐ

つまりPLIFは、「狭いところを広げる」と「ぐらつくところを止める」を同時にやる手術です。除圧だけの手術より器械も時間も倍以上かかるのは、この二重の目的があるからです。

そしてもう一つ。患者さんの多くは高齢の方です。長年、歩くたびに脚がしびれて立ち止まる生活を続けてきた方が、手術を決断してここに来ています。「もう少し歩けるようになりたい」「孫と出かけたい」——その願いが、この長い手術の先にあります。

術前訪問で確認しておきたいのは、どの脚のどこがしびれているか、どれくらい歩くと止まるかです。これが分かっていると、術後に「変わったかどうか」を看護師自身が判断できます。手術の成否は、レントゲンではなく患者さんの脚に現れます。

腰椎後方椎体間固定術(PLIF)の流れ

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