「腹部大動脈瘤の手術につくことになったけど、何が起こるか分からなくて不安…」
「大動脈遮断や解除のタイミングで、外回りがどう動くべきかイマイチ自信がない…」
「器械出しで、人工血管や糸の種類が多くてパニックになりそう…」
このような悩みを持っていませんか?
腹部大動脈瘤(AAA)人工血管置換術は、大出血や急激な血圧変動のリスクが伴う大手術です。手術室看護師としての経験が浅いうちは、「もし失敗したらどうしよう」「スピードについていけないかも…」とプレッシャーを感じるのも無理はありません。
でも安心してください!
この手術は、「手術の展開とタイミングごとの看護のポイント」さえしっかり押さえておけば、落ち着いて対応できるようになります。そして、あなたが自信を持って動けるようになることで、患者さんの命を守る大きな力となるのです。
この記事では、腹部大動脈瘤人工血管置換術の手順に沿って、器械出し看護師と外回り看護師がそれぞれ「いつ・何を準備し・何に注意すべきか」を徹底的にかみ砕いて解説します。
ぜひ最後まで読んで、日々のオペ室での不安を「自信」に変えていきましょう!
腹部大動脈瘤(AAA)と人工血管置換術の基礎知識

手術の手順に入る前に、まずは「なぜこの手術を行うのか」「どのような患者さんが対象なのか」という基礎知識を整理しておきましょう。
病態の理解が、術中のイレギュラー対応や先読みの行動につながります。
腹部大動脈瘤とは?(病態の理解)
腹部大動脈瘤(Abdominal Aortic Aneurysm : AAA)は、腹部の大動脈が「こぶ」のように膨らんでしまう病気です。
動脈硬化や高血圧、加齢などによって血管の壁がもろくなり、血圧に耐えられなくなることで起こります。
正常な腹部大動脈の直径は約2cmですが、これが3cm以上に拡大した場合に「動脈瘤」と診断されます。一般的な手術適応は、男性で5cm以上、女性で4.5cm以上、あるいは急速に拡大している場合です。
【具体例・リスク】
動脈瘤が大きくなればなるほど、破裂のリスクが高まります。
一度破裂してしまうと、腹腔内や後腹膜に大出血を起こし、救命率は極めて低くなります。したがって、破裂を未然に防ぐために、予防的な手術として「人工血管置換術」や「ステントグラフト内挿術(EVAR)」が行われます。
人工血管置換術の目的と麻酔・体位

【目的】
膨らんでしまった動脈瘤の前後を血流遮断し、瘤を切り開いて、代わりに「人工血管(ダクロンやPTFEなど)」を縫い合わせることで、破裂を防ぐ根治的手術です。
【麻酔・体位】
- 麻酔:全身麻酔(通常、術後疼痛管理のために硬膜外麻酔を併用します)
- 体位:仰臥位(仰向け)で、両上肢は体側固定、または外転位とします。
- ライン類:動脈圧ライン(Aライン)、中心静脈カテーテル(CVC)、尿道カテーテルが必須となります。
開腹時などから予測不可能な出血が起こる可能性があります。シリンジポンプでの輸液・輸血ラインの確保が確実に行われているか、外回り看護師は麻酔科医としっかり連携しましょう!
【第1段階】手術の開始~開腹と大動脈の露出

準備が整ったところで、いよいよ手術開始です。
大動脈瘤を露出するまでは、一般的な開腹手術と似ていますが、「オムニトラクトなどの大型開創器」を使う点や、出血に対する警戒が常に必要である点に注意しましょう。




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