AAA手術(腹部大動脈瘤人工血管置換術)の手順と看護ポイントを解説

心臓血管外科・呼吸器
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「腹部大動脈瘤の手術につくことになったけど、何が起こるか分からなくて不安…」
「大動脈遮断や解除のタイミングで、外回りがどう動くべきかイマイチ自信がない…」
「器械出しで、人工血管や糸の種類が多くてパニックになりそう…」

このような悩みを持っていませんか?
腹部大動脈瘤(AAA)人工血管置換術は、大出血や急激な血圧変動のリスクが伴う大手術です。手術室看護師としての経験が浅いうちは、「もし失敗したらどうしよう」「スピードについていけないかも…」とプレッシャーを感じるのも無理はありません。

でも安心してください!
この手術は、「手術の展開とタイミングごとの看護のポイント」さえしっかり押さえておけば、落ち着いて対応できるようになります。そして、あなたが自信を持って動けるようになることで、患者さんの命を守る大きな力となるのです。

この記事では、腹部大動脈瘤人工血管置換術の手順に沿って、器械出し看護師と外回り看護師がそれぞれ「いつ・何を準備し・何に注意すべきか」を徹底的にかみ砕いて解説します。
ぜひ最後まで読んで、日々のオペ室での不安を「自信」に変えていきましょう!

  1. 【動画でも解説】この記事の内容を動画で
  2. 腹部大動脈瘤(AAA)と人工血管置換術の基礎知識
    1. 腹部大動脈瘤とは?(病態の理解)
    2. 人工血管置換術の目的と麻酔・体位
  3. 【第1段階】手術の開始~開腹と大動脈の露出
    1. 皮膚消毒とドレーピング
      1. 【外回り看護のポイント】足背動脈・後脛骨動脈の拍動を確認
    2. 皮膚切開から開腹・開創
    3. 後腹膜切開と腹部大動脈の露出
  4. 【第2段階】動脈のテーピング(安全確保)
    1. 動脈の剥離とテーピング
  5. 【準備の要】人工血管の種類と、投下前に必ず止まって確認すること
    1. 形と素材の、二つの軸で覚える
    2. 投下前のダブルチェック——読み上げる項目を決めておく
  6. 【第3段階】ヘパリン投与・大動脈遮断と大動脈瘤切開
    1. ヘパリン静脈注射
    2. ACTとプロタミン——抗凝固の「入り」と「出口」
    3. 腹部大動脈・内外総腸骨動脈遮断
    4. 大動脈瘤切開と血栓除去
  7. 【第4段階】人工血管吻合(つなぎ合わせる)
    1. 中枢側吻合
    2. 末梢側吻合(左総腸骨動脈・右総腸骨動脈)
    3. 下腸間膜動脈(IMA)再建
  8. 【第5段階】遮断解除(血流再開)と全身管理の山場!
    1. 遮断解除(デクランプ)
    2. 大出血に備える——輸血・自己血回収・加温の三点セット
  9. 【第6段階】止血確認・ラッピング・閉創
    1. 止血の徹底とラッピング
    2. 洗浄・後腹膜縫合・閉腹からドレッシング
  10. 【比較】破裂例(rAAA)とステントグラフト(EVAR)を知っておく
    1. 破裂性腹部大動脈瘤(rAAA)——時間との勝負
    2. ステントグラフト内挿術(EVAR)——お腹を開けない選択肢
  11. 【資料】AAA手術の用語集と、術後への申し送り
    1. ICU・病棟へ渡すときに、必ず言葉にすること
  12. まとめ:腹部大動脈瘤の手術室看護要点
      1. 参考文献
    1. ◆ ごあいさつ
    2. ◆ コメントのお願い
    3. ◆ 関連おすすめ記事
    4. ◆ オペ看勉強コンテンツ

【動画でも解説】この記事の内容を動画で

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腹部大動脈瘤(AAA)と人工血管置換術の基礎知識

腹部大動脈瘤(AAA)と人工血管置換術の基礎知識の解説画像

手術の手順に入る前に、まずは「なぜこの手術を行うのか」「どのような患者さんが対象なのか」という基礎知識を整理しておきましょう。
病態の理解が、術中のイレギュラー対応や先読みの行動につながります。

腹部大動脈瘤とは?(病態の理解)

腹部大動脈瘤(Abdominal Aortic Aneurysm : AAA)は、腹部の大動脈が「こぶ」のように膨らんでしまう病気です。

動脈硬化や高血圧、加齢などによって血管の壁がもろくなり、血圧に耐えられなくなることで起こります。
正常な腹部大動脈の直径は約2cmですが、これが3cm以上に拡大した場合に「動脈瘤」と診断されます。一般的な手術適応は、男性で5cm以上、女性で4.5cm以上、あるいは急速に拡大している場合です。

【具体例・リスク】
動脈瘤が大きくなればなるほど、破裂のリスクが高まります。
一度破裂してしまうと、腹腔内や後腹膜に大出血を起こし、救命率は極めて低くなります。したがって、破裂を未然に防ぐために、予防的な手術として「人工血管置換術」や「ステントグラフト内挿術(EVAR)」が行われます。

人工血管置換術の目的と麻酔・体位

人工血管置換術の目的と麻酔・体位の解説画像

【目的】
膨らんでしまった動脈瘤の前後を血流遮断し、瘤を切り開いて、代わりに「人工血管(ダクロンやPTFEなど)」を縫い合わせることで、破裂を防ぐ根治的手術です。

【麻酔・体位】

  • 麻酔:全身麻酔(通常、術後疼痛管理のために硬膜外麻酔を併用します)
  • 体位:仰臥位(仰向け)で、両上肢は体側固定、または外転位とします。
  • ライン類:動脈圧ライン(Aライン)、中心静脈カテーテル(CVC)、尿道カテーテルが必須となります。
💡オぺ看の心得:
開腹時などから予測不可能な出血が起こる可能性があります。シリンジポンプでの輸液・輸血ラインの確保が確実に行われているか、外回り看護師は麻酔科医としっかり連携しましょう!

【第1段階】手術の開始~開腹と大動脈の露出

第1段階手術の開始~開腹と大動脈の露出の解説画像

準備が整ったところで、いよいよ手術開始です。
大動脈瘤を露出するまでは、一般的な開腹手術と似ていますが、「オムニトラクトなどの大型開創器」を使う点や、出血に対する警戒が常に必要である点に注意しましょう。

皮膚消毒とドレーピング

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