肺部分切除術や気胸手術は主に「胸腔鏡下(きょうくうきょうか)」で行われます
今回は胸腔鏡下での肺部分切除術・気胸手術の手術流れについて解説していきます
手術時間
肺腫瘍切除術の場合⇒3~5時間
気胸手術の場合⇒1~2時間
器械出し看護難易度
肺腫瘍切除術の場合⇒☆☆☆
気胸手術の場合⇒☆☆
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肺切除(気胸)手術患者入室〜麻酔導入
手術前の患者さんの準備や
入室時に必要な確認事項については以外の記事にまとめています
参考にしてください
麻酔から挿管までの手順は以外の記事にまとめています
参考にしてください
手術体位固定を行う【側臥位(そくがい)】
胸腔鏡手術は患側の肺を上側とした側臥位(そくがい)で手術を行います
【側臥位時の神経障害&圧迫好発部位】
神経障害
・腕神経叢(わんしんけいそう)損傷
⇨下側の腕神経叢の圧迫と上側の腕神経叢の伸展により起こる
・腓骨神経(ひこつしんけい)麻痺
⇨総腓骨神経圧迫と膝関節部の圧迫により起こる
圧迫部位
頬部、耳介部、肩甲骨部、肋骨部、腸骨部、大転子部、膝蓋部
【体位固定後は以下のポイントを確認します】
①循環動態の確認
✅腹部・心窩部・頸部・腋窩・鼠径部の血管に圧迫が無いかどうか
②呼吸障害の確認
✅気管チューブの位置は適切かどうか
✅体位が崩れないかどうか
✅胸郭が圧迫されていないかどうか
③褥瘡・神経障害の確認
✅圧迫部位の除圧ができているかどうか
✅神経が圧迫されていないか
✅良肢位で体位固定できているか
✅シーツの皺やルート類、器具類による身体への直接的な圧迫や接触がないか
④転落の危険性の確認
✅確実に体位固定できているか
✅固定帯の位置は適切かどうか
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皮膚消毒・ドレーピング
①患側の上肢(肩から肘まで)から、胸部を消毒します
②手術用ドレープをかけます
③使用するデバイス類やサクション、内視鏡用カメラをセッティングします
肋間神経ブロックを行い、手術開始
指示の局所麻酔薬を使用し、肋間神経ブロックを行います
胸腔鏡用ポートの挿入
①No.10メスで皮膚を切開し、電気メスで止血しながら創を拡大し、指示の胸腔鏡用ポートを挿入します
②同様の操作を繰り返し、必要な数の胸腔鏡用ポートを挿入します
胸腔内診察を行う
①胸腔鏡用カメラで、病変や腫瘍部位や転移状況を確認します
②状況に応じて開胸時洗浄細胞診をとります
③(気胸手術の場合)胸腔内を生理食塩水1500〜2000mlで満たし、ブラの位置を確認します
胸腔鏡操作では
・胸腔鏡用の鉗子(VATS用の鉗子)
・ヤコブソン持針器
・ソラココットン
などを主に使用します
肺腫瘍・ブラの切除
①肺腫瘍やブラの位置を確認し、目的の部位を切除します
【病変やブラの切除方法】
病変やブラを切除する際は自動縫合器を使用します
自動縫合器には『エンドGIA』や『Echelon(エシュロン)』などを使用します
②(気胸の場合)ブラの位置や形状によっては部分切除とします
③切除した病変もしくはブラを摘出します
リークテストを行う
①温かい生理食塩水を胸腔内に満たします
②患側の肺を麻酔科医師が拡張させます
③空気の漏れが無いかを確認します
④肺切除部やリークのあるところの補強に補強材(ネオベールシートやサージセルシート、べリプラスとスプレーなど)を貼り付けます
ドレーン挿入
ドレーンを挿入し、皮膚に固定します
☆ドレーンをメラバック(ドレーンバック)に接続する際は、『排液側』に接続しないように十分に注意します
☆ドレーン接続後は排液の性状の確認・リークが無いことの確認・フルクテーションが有ることの確認を行います
☆気胸手術の場合は、持続吸引器に接続して吸引をかけることがあるため、医師に指示された圧で吸引をかけます
閉創し手術終了・麻酔覚醒
胸腔用ポート部の閉創を行い、手術終了となります
手術終了後、麻酔覚醒し退室となります
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肺切除手術&気胸手術まとめ
今回は胸腔鏡下での肺部分切除術・気胸手術の手術流れについて解説しました
手術室看護師の方、呼吸器外科医師の方などはぜひ参考にしてください
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