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「円錐切除術後はしんどい?」「円錐切除術後の安静期間の過ごし方を知りたい」など円錐切除術について様々な不安や疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
このブログ記事では、手術室で10年働いてきた看護師が、現場で見てきた経過をもとに、円錐切除術に関する多くの疑問について回答します。
円錐切除術を受けることに不安のある方や、手術後について知りたい方はぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
✅ 円錐切除術後がしんどい理由3つ
✅ 円錐切除術後の「安静期間」がなぜ必要なのか?について
✅ 吐き気・おりものの変化など、3つ以外によくある困りごとと対処法
✅ 安静期間を楽しく過ごすコツ
円錐切除術とは?
円錐切除術は、子宮の入り口(子宮頸部)を円錐状にくりぬくように切り取る手術です。子宮頸がんの前段階(高度異形成・上皮内がん)やごく初期の子宮頸がんに対して、診断と治療を兼ねて行われます。
腟の側から器具を入れて行うため、お腹を切る必要はありません。手術時間は15〜30分ほどと短く、2泊3日程度の入院か、施設によっては日帰りで行われます。
「小さな手術」と聞いていたのに術後がしんどい——そのギャップが、この記事のテーマです。
円錐切除術後はしんどい?3つの理由を紹介

円錐切除術の手術時間は15~30分と短い手術でありながら、手術後は「しんどい」と感じることがあります。
具体的には、
- 微量の出血量が2~3週間続く
- 股関節に痛みがある
- 入院期間が意外と短く、1人きりで退院するケースが多い
などがあります。以下でそれぞれについて詳しく解説していきます。
【円錐切除術後がしんどい理由①】微量の出血量が2~3週間続く

円錐切除術後の出血量とは?
手術直後は、切除した断端から浸出液(組織から漏れ出るもの)や微量の出血が見られますが、自然なことのため心配はいりません。
しかし微量の出血は手術後2~3週間程度続きます。
円錐切除の術後合併症「術後出血」について
術後出血は円錐切除術の合併症であり、早期出血と晩期出血に分けられます。
【早期出血とは?】
円錐切除術後24時間以内に起こる出血
【晩期出血とは?】
円錐切除術後24時間が経過してから起こる出血
晩期出血は、切除した子宮頸部の断端の壊死組織が脱落することで起こり、多くは手術後1〜2週目、傷のかさぶたがはがれる時期にみられます。
頻度は高くありませんが、出血量によっては再縫合(手術部位を針糸で縫い直すこと)や、輸血を必要とするケースもあります。
日本産科婦人科学会の解説でも、術後の傷は4〜6週かけて治り、その間は出血と感染に注意すること、術後2週ごろに出血することがあると書かれています。
生理2日目よりも多い出血は注意が必要!円錐切除術後の異常な出血量とは?
円錐切除術後1〜2週目に多い出血の場合、まれに輸血を要するほど多量となるケースがあります。
退院してから「生理2日目よりも多い量の出血」がある場合や、出血が続く場合は迷わず受診しましょう。
円錐切除術後に生理が来ない場合も注意が必要!子宮頸管狭窄の可能性も?
術後に出血量が多い場合は気にする必要がありますが、円錐切除術後にしばらく生理が来ない場合も注意が必要です。
術後の月経困難症は、子宮頸管狭窄と呼ばれる円錐切除術の合併症をきたしている可能性があります。
「生理痛が以前より強くなった」「手術前まで生理が順調に来ていたのに、円錐切除術後に来なくなった」などという方は病院受診をおすすめします。
【子宮頸管狭窄とは?】
子宮頸管狭窄とは手術した部位の子宮頸管が狭くなり閉鎖してしまう状態のことであり、生理痛の増強や無月経は症状の徴候です。
頻度は高くありませんが、病変が奥にあって深く切除した場合や、円錐切除を繰り返した場合に起こりやすくなります。まれに入り口が閉じてしまい、月経血が子宮の中に溜まる「子宮留血腫(しきゅうりゅうけっしゅ)」を起こすこともあります。
退院してから急に出血してきた…これは異常?
「病院では出血がなかったのに、退院した翌日から急に出てきた」という声はとても多いです。切り取った部分は、転んで擦りむいた傷と同じで、かさぶたができて塞がるまでに時間がかかります。
また、少量の出血は腟の中にいったん溜まるため、溜まっていた血が、動いたタイミングでまとめて出てくることもあります。量が生理の少ない日くらいまでなら、多くは経過の範囲内です。
目安は上で書いたとおり「生理2日目より多いか」。それより多い、塊が続けて出る、止まる気配がない場合は、夜間でも手術を受けた病院へ連絡してください。
【円錐切除術後がしんどい理由②】股関節に痛みがある
円錐切除術後に股関節が痛くなる理由とは?
股関節が痛くなるのは、「砕石位(さいせきい)」という体勢で手術を受けるためです。
円錐切除術は腟の側から行う手術のため、安全に手術操作を行うために、両足を広げる姿勢をとります。この姿勢を「砕石位(さいせきい)」と呼びます。
(産婦人科外来にて、医師による内診時に取る姿勢と同じです。)
手術中はこの砕石位となるため、股関節に痛みが出ることがあります。
円錐切除術の流れを分かりやすく解説
円錐切除術の具体的手術手順は以下の通りです。
- 手術室にベッド・ストレッチャーで向かいます
- 手術室に到着したらご本人確認のために【名前】【生年月日】【血液型】【受ける手術名(円錐切除術)】を答えます
- 心電図モニターや血圧計を装着します。麻酔がかかり、眠りにつきます(ここから意識は無くなります)
- 消毒を行い、円錐切除術開始となります
- 子宮頸部を円すい状に切り取ります(レーザー・電気メス・メスなど、方法は施設によって異なります)
- 子宮の入り口が狭くならないよう、ネラトンカテーテルと呼ばれる細いチューブを頸管に入れて終わることもあります(切除の深さや施設によります)
- 麻酔を覚まし、入院病棟へ戻ります
以下の記事は手術室看護師向けの手術解説手順ですが、自分や家族が受ける手術手順について詳しく知りたいという方はぜひ参考にしてください。
【円錐切除術後がしんどい理由③】入院期間が短く1人で退院することも
子宮頸がんに対する円錐切除の入院期間とは?
子宮頸部円錐切除術を行う際の入院期間は、通常2泊3日であることが多く、クリニックや病院によっては日帰りで行うところもあります。
また午前中の退院となることが多いため、お迎えの家族の都合がつかず、1人きりで退院するケースも多いでしょう。
そのため入院の荷物はできる限り減らしていくのが良いでしょう。
1人で退院する日を楽にする工夫
- 帰りはタクシーを候補に入れておく。術後すぐは安静が必要な時期です。重い荷物を持って電車を乗り継ぐより、体への負担はずっと少なく済みます。
- 入院グッズは最小限にする。コップ・歯ブラシ・タオルなどを「入院セット」として用意している病院は多く、足りないものは院内の売店でたいてい揃います。事前に病院の案内を確認しておくと安心です。
- 代わりに「暇つぶし」を持っていく。2泊3日の入院は、体は動けるのにベッドで過ごす時間が長くなりがちです。荷物を減らした分、気晴らしになるものを1つ入れておきましょう。
円錐切除後の入院期間が長くなるケースはある?
手術後、翌日に出血がなければ退院となるケースが多いですが、切除後の子宮頸部の組織は露出している(むき出しの状態となっている)ため、急に出血する可能性もあります。
そのため、手術後に急に出血してきた、血の塊が出てきたなどという場合は、円錐切除後の入院期間が長くなります。
3つ以外にも。術後によくある困りごとと対処法
出血・股関節の痛み・1人での退院のほかにも、術後に「これって大丈夫?」と感じやすいことがあります。よく聞く2つを紹介します。
麻酔から覚めたあと、胸がムカムカして気持ち悪い
「吐くほどではないけれど胸がムカムカする」「気持ち悪くて食欲が出ない」。これは麻酔や手術のあとに起こりやすい吐き気(術後悪心・嘔吐)です。
多くは手術当日から翌日にかけて落ち着きます。
起こりやすさには傾向があり、女性・たばこを吸わない・乗り物酔いしやすい、または過去の手術で吐き気が出たといった条件が重なるほど起こりやすいとされています。
円錐切除術を受ける方は女性なので、もともと起こりやすい側にいると考えておくと、心の準備ができます。
対応方法
吐き気止めの使い方や麻酔の方法で、和らげられることがあります。以前の手術で気持ち悪くなった経験がある方は、術前の麻酔科の診察で必ず伝えておきましょう💡
おりものが茶色くなった・ニオイが強い
退院してしばらくすると、茶色っぽいおりもののような体液が出ることがあります。傷が治っていく途中の変化で、それ自体はよくあることです。
ただし、生臭いような強いニオイがある、熱が出る、下腹部が痛むといった場合は、傷に細菌が感染している可能性があります。子宮頸部は腟と隣り合っていて、腟にはもともと常在菌がいるため、治りきっていない傷は感染を起こすことがあるのです。
対応方法
ニオイ・発熱・下腹部痛が気になったら、我慢せず受診を。感染が疑われる場合は抗菌薬で治療します💡
なぜ円錐切除術後に安静期間が必要?手術後1〜2週目は要注意
退院したばかりの場合、手術で切除した子宮頸部の組織は露出している(むき出しの状態となっている)ため、まだ出血してしまう可能性があります。
特に手術後1〜2週目の場合は出血が多くなりやすい傾向にあるため、無事に退院した後でも数週間は安静にする必要があります。
体はラクなのに安静…この期間をどう過ごす?
「体はもう元気なのに、じっとしていないといけない期間が思ったより長かった」。これも術後によく聞く声です。
痛みが軽いぶん、安静の意味が実感しにくいのが円錐切除術の難しいところです。
それでも、上で書いたように1〜2週目ごろは出血が増えやすい時期。ここを越えるまでは、入院中と同じくらい体を休める生活を意識してください。
いつから仕事・運動・入浴・性交渉を再開してよいかは、退院時に主治医から説明される指示に従いましょう。
寝たままでも楽しめる過ごし方は、こちらの記事でまとめています。
まとめ
このブログ記事では、円錐切除術後にしんどいと感じる理由3つと、吐き気・おりものの変化など術後によくある困りごと、そして安静期間の必要性を解説しました。
受診の目安は「生理2日目より多い出血」「強いニオイ・発熱・下腹部痛」「生理が来ない・生理痛が急に強くなった」の3つ。迷ったら、手術を受けた病院へ電話で相談してください。
円錐切除は術後の安静が非常に重要です。
円錐切除術を受けることに不安のある方や、手術を受けることに迷いがある方はぜひ参考にしていただけると幸いです。
またその他の産婦人科手術について、以下の記事ではシロッカー手術について解説しています。気になる方はぜひ参考にしてください。
参考文献
🍈 「しんどい」の中身を、声で聞いてみませんか
痛み・出血・安静期間——この記事に書いたことを、動画では本音のトーンで話しています。文字よりも、人の声のほうが安心できることがあります。
▶ 円錐切除術後はしんどい?痛み・出血・安静期間を本音で解説麻酔のことが不安な方は、こちらもどうぞ。
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