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「手術の尿道カテーテルは、意識があるうちに入れるの?」「痛みはある?」「いつ抜いてもらえる?」と不安になっていませんか。
尿道カテーテルは、いわゆる「尿の管」です。必要な場合、全身麻酔では眠ったあとに挿入することが多く、すべての手術で使うわけではありません。
この記事では、入れるタイミング、必要な理由、目覚めたあとの違和感、抜く時期を、手術室看護師10年の経験と公的資料をもとに整理します。
手術で入れる尿道カテーテルを動画で見る
動画では、患者さんが手術室へ入ってから、尿道カテーテルを抜いたあとの確認までを時系列で解説しています。先に全体像を知りたい方は動画から、文章でゆっくり確認したい方はこのまま読み進めてください。
尿道カテーテルは全身麻酔で眠ってから入れることが多い
全身麻酔の手術で尿道カテーテルが必要な場合は、一般に麻酔が効いて意識がなくなったあとに挿入します。患者さんが手術台へ移り、心電図・血圧・酸素飽和度などのモニターを装着し、麻酔導入と気道確保を終えたあとのタイミングです。
尿道口の周囲は刺激を感じやすい場所です。眠って体の力が抜けてから行うことで、患者さんの苦痛を抑えながら手技を進めやすくなります。
全身麻酔が効いている間は、挿入時の感覚を自覚しないのが一般的です。
ただし、タイミングや担当者は施設と手術内容で変わります。病棟で先に挿入する場合もあれば、手術室で看護師や医師が挿入する場合もあります。
脊髄くも膜下麻酔や硬膜外麻酔など、意識を保ったまま行う麻酔では状況が異なるため、心配な方は術前説明で確認してください。
手術室では、必要な部位だけを出し、ほかの部分は掛け物で覆いながら処置します。「裸のまま周囲から見られるのでは」と心配しなくて大丈夫です。
プライバシーに配慮し、露出する時間を短くすることも手術室看護の大切な役割です。
全身麻酔中にほかにどのような管が入るのか知りたい方は、全身麻酔中に入る管・ラインの役割も参考にしてください。
手術で尿道カテーテルを入れる理由は2つに整理できる
尿道カテーテルは「手術を受けるから自動的に入れるもの」ではありません。日本環境感染学会の教育ツールは、適切な理由がある場合だけ挿入し、早く抜くことを感染対策の基本としています。
資料に示された6つの適応のうち、手術と特に関係が深いのは次の2つです。
- 重篤な患者さんで、尿量を正確に測る必要がある
- 特定の手術で、周術期に尿道カテーテルが必要になる
尿量を継続して確認するため
長時間の手術、出血が予想される手術、循環の変化を細かく観察したい患者さんでは、一定時間ごとの尿量が判断材料になります。
外回り看護師は、尿量だけで結論を出すのではなく、血圧、心拍数、出血量、輸液量、手術操作などと合わせて記録し、麻酔科医へ共有します。
大切なのは、尿が少ないからといって「輸液を増やせばよい」と単純に考えないことです。術中尿量は体の状態を考える一つの材料ですが、数字だけで循環や腎機能を判断することはできません。

膀胱を空にして手術しやすくするため
骨盤内や下腹部を扱う手術では、膀胱が尿で膨らんでいると術野の妨げになったり、操作の影響を受けたりすることがあります。膀胱を空に保つ目的で、尿道カテーテルを使う場合があります。
一方、短時間で終わり、正確な尿量測定や膀胱の減圧が不要な手術では、挿入しないこともあります。同じ術式でも、予想時間、麻酔方法、患者さんの状態、術後の安静度によって判断は変わります。
尿道カテーテルの痛みは「入れるとき」と「目覚めたあと」で違う
全身麻酔中の挿入では痛みを自覚しにくい
全身麻酔が十分に効き、意識がない状態で挿入する場合、患者さんが挿入時の痛みを自覚することは通常ありません。手術後に「いつ入れたのですか」と聞かれることが多いのは、眠っている間に終わっているためです。
ただし、全身麻酔以外では話が変わります。局所麻酔や下半身麻酔では意識があることもあり、麻酔の効き方にも個人差があります。
自分の手術ではどの麻酔を使い、どのタイミングで挿入する予定かを、担当医や看護師へ聞いて構いません。
目覚めたあとは尿意のような違和感が出ることがある
目が覚めたあとに「尿がたまっている感じがする」「トイレへ行きたい」「管のところが気になる」と感じることがあります。カテーテルが膀胱や尿道を刺激して起こることがあり、珍しい訴えではありません。
我慢しなくて大丈夫です。強い痛み、尿が流れていない感じ、血尿、発熱などがある場合は、早めに看護師へ伝えてください。
原因が管の位置や屈曲にあるのか、別の確認が必要なのかを医療者が判断します。
留置中は採尿バッグの位置と管の流れを確認する
尿道カテーテルは、入れたら終わりではありません。感染と尿の逆流を防ぎ、尿を正しく流すために、留置中の管理が重要です。
- カテーテルと採尿バッグの閉鎖した接続を保つ
- 採尿バッグを膀胱より低い位置に置く
- バッグを床へ直接つけない
- チューブのねじれ・折れ・圧迫をなくす
- 体位変換やベッド移動のあとに、管の走行をもう一度たどる
術中に尿が急に出なくなったとき、すぐ腎臓の問題と決めつけることはできません。まず、カテーテルが折れていないか、体や掛け物の下敷きになっていないか、接続が外れかけていないか、バッグが膀胱より高くなっていないかを確認します。

私も外回りでは、体位変換や手術台の高さを変えた直後に、患者さん側から採尿バッグまでを一方向にたどります。目の前の尿量だけでなく、「いつから変わったか」「その直前に何があったか」を添えて報告すると、麻酔科医が原因を考えやすくなります。
尿道カテーテルを抜くのは必要な理由がなくなったとき
抜くタイミングは「手術が終わったら必ずすぐ」「翌朝まで必ず残す」と一律には決まりません。正確な尿量測定、安静、術式上の必要性など、留置を続ける理由が残っているかで判断します。
感染予防の基本は、必要なときだけ使い、必要性がなくなったら早めに抜くことです。日本環境感染学会の資料でも、適応を日々評価し、該当しなければ抜去する流れが示されています。
最終的な時期は医師の指示と施設の手順で決まります。
抜くときは数秒でも、その後の排尿確認が大切
抜去時は、バルーンの水を抜いてからカテーテルを引き抜きます。一瞬の違和感や、ぞくっとする感覚を覚える方はいますが、手技そのものは短時間です。
感じ方には個人差があります。
抜いたあとは、自分で尿が出るかを確認します。すぐに出ないこともありますが、長く出ない、下腹部が張る、排尿時の強い痛みが続く、血尿や発熱がある場合は医療者へ伝えてください。
抜去後も排尿の経過を見るところまでが安全な管理です。
手術前に聞いてよい4つの質問
病気や術式の説明を聞くと、尿の管のような細かな不安は後回しになりがちです。しかし、小さな疑問ほど前日に大きくなることがあります。
次の4つは、そのまま医師や看護師へ聞いて大丈夫です。
- 私の手術では尿道カテーテルを入れますか
- 入れる場合、麻酔で眠る前ですか、あとですか
- いつごろ抜く予定ですか
- 目覚めたあとに痛い・尿が出ないときは、どう伝えればよいですか
予定は当日の状態で変わることがありますが、考え方を知っておくだけでも安心につながります。手術室で何が起きるかを最初から知りたい方は、全身麻酔から目覚める瞬間も合わせてご覧ください。
尿道カテーテルと尿管ステントは別のもの
名前が似ていますが、尿道カテーテルと尿管ステントは別の医療器具です。尿道カテーテルは尿道から膀胱へ入れ、尿を体外のバッグへ流します。
尿管ステントは腎臓と膀胱をつなぐ尿管の内側に置き、尿の通り道を確保する器具です。
手術説明で「尿の管」「ステント」と聞いたら、どちらを指しているか確認すると混乱を防げます。尿管ステントについては、尿管ステントの挿入手順と役割で詳しく解説しています。
まとめ|手術の尿道カテーテルは理由とタイミングを確認しよう
- 全身麻酔では、必要な尿道カテーテルを眠ったあとに挿入することが多い
- すべての手術で使うのではなく、正確な尿量測定や特定の手術など理由がある場合に使う
- 目覚めたあとの尿意・違和感は起こり得るが、強い痛みや血尿は我慢せず伝える
- 留置中は閉鎖、管の屈曲、採尿バッグの高さと床への接触を確認する
- 必要性がなくなったら早めに抜き、抜去後の排尿まで確認する
まずは「自分の手術では入れる予定ですか」と一つ聞いてみてください。分からないまま当日を迎えるより、いつ・なぜ使うのかが分かるだけで、手術への不安は整理しやすくなります。
参考文献
- 一般社団法人 日本環境感染学会.教育ツールVer.4「尿道カテーテル関連尿路感染予防」.2024年7月.
- AKI(急性腎障害)診療ガイドライン作成委員会.AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016.日本腎臓学会ほか5学会合同.2016.
参考にした研究データなど
動画でも手術前の不安を整理できます
元動画では、尿道カテーテルを入れてから抜くまでを、手術当日の流れに沿って解説しています。役立ったら、今後の確認用にチャンネル登録していただけるとうれしいです。
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🍈 この記事を書いた人
手術室で10年働いた看護師の、オペ看めろんです。
手術を受ける方やご家族の不安が少しでも軽くなるように、眠っているあいだに手術室で起きていることを、YouTubeでわかりやすく解説しています。
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