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尿管ステント手術の挿入手順については10年目手術室看護師がYouTubeにて詳しく解説しています👇
尿管ステント留置術は、尿道から入れた内視鏡(膀胱鏡)とX線透視を使って行う、15〜30分ほどの比較的短い手術です。
麻酔は、尿道にゼリー状の麻酔薬を入れる局所麻酔だけで行う施設もあれば、腰椎麻酔・仙骨硬膜外麻酔・全身麻酔で行う施設もあり、患者さんの状態や性別、ほかの処置と組み合わせるかどうかで変わります。
しかし「尿管ステント留置術はどのような方法で手術を行うのか?」、「尿管とはそもそもどこにあるのか?」など疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では尿管ステント留置術の手術手順マニュアルを解説していきます!
【この記事で分かること】
✅ 尿管ステント留置術の手術手順
✅ ダブルピッグテール・プッシュカテーテル・ガイドワイヤーの留置手順
尿管とは?尿管の役割について
尿管(にょうかん)とは、腎臓と膀胱を結ぶ管のことで、腎臓で作られた尿を膀胱へ運ぶ役割があります。
尿は腎臓で作られたのち、尿管を通って膀胱に流れ込んでいきます。
尿管には「ぜん動運動」と呼ばれるゆるやかな波打つような動きをする働きがあるため、尿は少量ずつ膀胱へ送られていきます。
また、尿が腎臓側へと逆流することを防ぐために、尿管の膀胱への開口部は、膀胱の収縮時に自然に閉じるようにできています。
ちなみに、「尿道」とは膀胱から尿が体外への排泄される部分を指します。
尿管ステント抜去についてはこちら👇
尿管ステントとは?尿管ステント留置の目的
尿管ステントとは、尿管に入れる管(チューブ)のことです。
上記でも説明したように、腎臓で作られた尿は尿管を通り膀胱で溜められます。
しかし、尿管に結石ができるなど何らかの原因で尿管が圧迫されると、尿が膀胱へと排泄されなくなるため、尿路感染や発熱の原因となります。
また、尿が膀胱へと排泄されないと、腎臓に尿が溜まる「水腎症(すいじんしょう)」を引き起こす可能性があり、腎臓の機能の低下や、腎不全などの原因となります。
尿管ステントは、尿管に「ステント」という太さ2mm前後(6Fr程度が一般的)、長さ20〜30cmほどの管を入れることで、尿管が塞がらないようにし、尿の流れを保ちます。
長すぎると膀胱を刺激して頻尿や痛みが強くなり、短すぎると尿管の中に入り込んでしまうため、長さは患者さんの体格や、尿管口から腎盂までの距離に合わせて医師が選びます。
尿管が塞がれてしまう原因とは?

尿管が塞がれてしまう主な原因には次の3つが挙げられます。
①尿管結石
②骨盤内腫瘍のリンパ節の転移で尿管が圧迫される
③手術の影響での尿管のむくみ
<実際の手順>尿管ステント(ダブルピッグテール・プッシュカテーテル・ガイドワイヤー)のセッティング
まず全体の流れをつかむ
細かい手順に入る前に、手術全体の流れを先に押さえておきましょう。順番が頭に入っていると、次に何を渡すか・何を準備するかが先読みできます。
- 砕石位をとり、陰部を消毒する
- 尿道から膀胱鏡を入れ、膀胱の中で尿管口を探す
- 必要に応じて、尿管カテーテルから造影剤を入れて尿管の形や詰まっている場所を確認する(逆行性腎盂造影)
- 透視で見ながら、ガイドワイヤーを腎盂まで進める
- ガイドワイヤーに沿わせてステントを進め、プッシュカテーテルで押し込む
- 腎盂側のループができたのを確認して、ガイドワイヤーを抜く
- 膀胱側のループができたのを確認して、プッシュカテーテルと膀胱鏡を抜く
いちばん大事なのは「ガイドワイヤーが道しるべ」という考え方です。ガイドワイヤーが腎盂まで届いていれば、ステントはその上を滑らせて入れるだけ。
逆に、ガイドワイヤーが途中で抜けかけていると、ステントも正しい位置に入りません。
このあと紹介するのは、ステントの中にガイドワイヤーとプッシュカテーテルをあらかじめ組み合わせてから進めるキット製品の手順で、私が器械出しで準備していた方法です。
ガイドワイヤーだけを先に腎盂まで入れてからステントを被せていく方法もあり、準備の細かい手順は製品ごとに違います。初めて扱う製品は、必ず添付文書を確認してください。
ダブルピッグテール・プッシュカテーテル・ガイドワイヤーを組み合わせる

①ダブルピッグテールの膀胱側の端の開口部から、ガイドワイヤーを通します(製品によって準備のしかたが違うため、添付文書の手順に従います)
②ダブルピッグテール両端のループを直線状に伸ばします
③ガイドワイヤー末端からプッシュカテーテルを挿入し、ダブルピッグテール断面に合わせるように装着します
④プッシュカテーテルでダブルピッグテールを押し出さないように注意しながら、器械台上に準備して置いておきます
ガイドワイヤーは長く、ケースから出すと跳ねて不潔になりやすい器材です。清潔台の上にまっすぐ伸ばして置いておくと、跳ねにくく、術中に「抜けかけていないか」も判断しやすくなります。
内視鏡での尿管口の確認
①尿道から内視鏡カメラを膀胱まで逆行的に挿入します
②膀胱内にある尿管の出口を探します
【膀胱鏡で尿管口を見つけるコツとは?】
尿管は左右に2本あり、それぞれ左右の腎臓につながっています。
そのため尿管口は膀胱内壁の左右に1つずつあります。
内視鏡カメラを通して画面上で見ると、尿管口は「はっきりと穴が開いている」ように見えるのではなく、「組織の一部にやや窪んでいるように見える」のが特徴です。
そのため思ったよりも尿管口が分かりにくく、見つけ出すのに時間がかかる場合があります。
尿管口は、膀胱の出口(膀胱頸部)から少し奥に進んだ「膀胱三角」と呼ばれる部分の、左右の角にあります。左右の尿管口のあいだには横に走る盛り上がり(尿管間ヒダ)があり、これをたどっていくと見つけやすくなります。
尿管口からは、尿がぴゅっと噴き出す瞬間が見えることがあります。モニターを一緒に見ながら、その動きにも注目してみてください。
尿管ステント(ダブルピッグテール・プッシュカテーテル・ガイドワイヤー)の挿入
尿管ステント(ダブルピッグテール・プッシュカテーテル・ガイドワイヤー)を尿管内へ進める

①尿管口位置に内視鏡カメラを合わせながら、あらかじめセットしておいた尿管ステント(ダブルピッグテール・プッシュカテーテル・ガイドワイヤー)を尿管口から尿管内へ進めます
②造影剤を使用して、尿管内を進める尿管ステントの位置を確認しながら、腎臓側に向かって挿入を進めます
ガイドワイヤーを進めるときに強い抵抗があるときは、無理に押すと尿管の壁を突き破るおそれがあります。医師は造影で尿管の形を確認し直したり、ガイドワイヤーの種類を変えたりします。
外回りは、造影剤の追加や透視の操作にすぐ応えられるよう準備しておきます。
ダブルピッグテール先端が腎盂内に到達したことを確認
①ダブルピッグテールの先端が腎盂内に到達したら、ガイドワイヤーの挿入を止めます
②ガイドワイヤーを保持しながらプッシュカテーテルを押し進め、再度造影剤を使用し、画面上でダブルピッグテールの先端が腎盂内でループを形成したことを確認します

ガイドワイヤーの抜去
ダブルピッグテール末端をプッシュカテーテルで支えながら、徐々にガイドワイヤーを抜去します。

プッシュカテーテルの抜去
膀胱内で末端側にループが形成されたことを確認し、プッシュカテーテルを抜去します。

尿管ステント留置の完了
尿管ステントはステントの両側がくるくると丸まった形をしており、腎臓側と膀胱側で引っかかって固定されるようになっているため、基本的にはズレることなく尿管に留置されます。
無事に尿管ステントが挿入されたら、尿道から挿入していた内視鏡カメラを抜き、手術が終了です。
尿道留置カテーテル(バルーンカテーテル)の挿入
手術終了後しばらくは、尿道留置カテーテルと呼ばれる管を「尿道」に留置することがあります(局所麻酔で行った場合など、施設や状況によっては留置しないこともあります)。
これは、膀胱にたまった尿を体外へ排泄するための管となります。
尿管ステント留置後は血尿(血が混じった尿)が出やすいため、排泄される血の量が正常かどうかを判断することにも使用されます。
尿管ステント留置術終了と麻酔の終了
腰椎麻酔などの下半身麻酔で行った場合は、手術が終わったあともしばらく下半身の感覚が麻痺した状態が続きます。
しばらくしてから、両下肢の感覚は戻りますが、感覚が完全に戻る前に、少し足が痺れるような感覚を覚えることがあります。
器械出し・外回りが押さえておきたいポイント
短い手術ほど準備の差が出ます。私が尿管ステントの手術で特に意識していたのは次の5つです。
- ステントの太さ(Fr)と長さを、開封前に医師と声に出して確認する。長さは体格や腎盂までの距離で選ぶので、術中に変わることもあります。予備のサイズがどこにあるかも把握しておきます
- ガイドワイヤーを不潔にしない。長くて跳ねやすいので、清潔台の上にまっすぐ置き、渡すときは先端と手元の両方に気を配ります
- 透視を使う前に放射線防護をそろえる。スタッフのプロテクターに加え、女性の患者さんでは妊娠の可能性を術前に確認しておきます
- 造影剤と灌流液を切らさない。造影剤アレルギーの既往を確認し、灌流液(生理食塩水)の残量はこまめに見ておきます。血尿が強いと視野が悪くなるため、灌流の流れも大切です
- 砕石位の体位固定に気を配る。短時間でも、支脚器による膝の外側(腓骨神経)の圧迫や、股関節の開きすぎには注意します
術後に起こりやすいこと(患者さんへの説明の参考に)
ステントが入っているあいだは、次のような症状が出ることがあります。あらかじめ伝えておくと、患者さんの不安がぐっと減ります。
- 血尿:ステントが尿管や膀胱の粘膜に触れるため、薄く色がつくことがあります
- 頻尿・残尿感:膀胱側のループが膀胱を刺激して起こります
- 排尿時の腰やわき腹の痛み:おしっこをするときに、尿が腎臓側へ逆流して感じることがあります
- 発熱:尿路感染のサインのことがあるので、熱が出たら早めに連絡してもらいます
ステントは長く入れておくと、表面に結石成分がついたり詰まったりして、抜けにくくなることがあります。そのため、製品ごとに決められた留置期間の範囲で、患者さんの状態に合わせて定期的に交換・抜去します。
抜去は外来で膀胱鏡を使って行うことが多いです。
ステントを抜くときの痛みが気になる方は、体験談をまとめた尿管ステント抜去は激痛?体験談10人の記事も参考にしてください。
尿管ステント手術のまとめ
尿管ステント手術は15~30分程度で実施できる身近な手術です。
流れは「尿管口を見つける → ガイドワイヤーを腎盂まで → ステントを被せて押し込む → ガイドワイヤーとプッシュカテーテルを抜く」の4段階です。
スムーズに進めるためには、ステントのサイズ確認、ガイドワイヤーを不潔にしないこと、透視と造影剤の準備が欠かせません。
使うステントやキットは施設ごとに違います。自分の施設の製品の添付文書と、先輩の準備のしかたをあわせて確認しておきましょう。
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