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「今後、どんな働き方をしていきたいですか?」
転職サイトの担当者にそう聞かれて、頭が真っ白になったことはありませんか。今の職場がしんどいことは分かっているのに、「じゃあどうしたいのか」が一言も出てこない。
私は手術室看護師として10年働き、3〜4年目のころに転職サイトへ登録しました。そして、まさにこの質問で、いちばん言葉に詰まりました。
この記事では、あのとき答えられなかった私が、あとから紙に書き出して答えを作った手順をまとめます。転職するためではなく、自分の働き方を言葉にするための手順です。
🍈 読む前に、ひとつだけ。
私は3〜5年目に、3社に登録して、1件も応募しませんでした。
他院のオンコール手当を調べたら、結果は「同じくらい」。拍子抜けしましたが、比べるまで、自分の職場が良いのか悪いのかも分かっていなかったんです。
いま辞めるつもりがなくても、自分の手当が相場のどこにあるかだけは、知っておいて損がありません。
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この質問に詰まるのは、準備不足だからではない
答えられないのは普通のことです。看護師の仕事には、自分の働き方を言葉にする場面がほとんどないからです。
毎日考えているのは、今日の患者さん、今日の手術、今日の業務のことです。「5年後の私」を考える時間は、勤務表のどこにも入っていません。
手術室は「いつまで新人扱い?」になりやすい
手術室には、もうひとつ事情があります。病棟では2〜3年目でプリセプターやリーダーを任されることがありますが、手術室は中堅〜ベテランが多い部署です。
私も3年目になっても「新人扱い」をされていると感じていました。自分の看護をいつ主体的に発揮できるのか、見通しが持てなかったんです。
「職場が嫌」と「どうなりたい」は別の問い
詰まった理由を後から考えると、私は「今の職場の何が嫌か」なら話せました。でも「どうなりたいか」は、一度も言葉にしたことがなかったんです。
この2つは、似ているようで別の問いです。嫌なことから離れるだけなら、次の職場でも同じ壁にぶつかるかもしれません。

担当者がこの質問から始める理由
この質問は、あなたを試すためではなく、探す範囲を決めるための入り口です。私が電話で相談したときも、求人の話はもっと後でした。
先に聞かれたのは、「最低限どのくらいのお給料を確保したいですか」「どんな生活を送りたいですか」ということです。求人を次々に出される場所だと思っていたので、少し意外でした。
答えが具体だと、返ってくる話も具体になる
希望の給料を伝えると、「その水準ならこういう働き方があります」と返ってきました。さらに「自宅から通える範囲なら、こういう病院があります」と、病院名まで話が進みました。
このとき初めて、「手術室」という条件で求人を絞れることも知りました。専門を変えずに、環境だけを変える選択肢があったんです。
話しながら気づいた、自分のこだわり
話しているうちに、私がこだわっていたのは給料・休み・通勤時間だけではないと気づきました。「将来スキルアップにつながるか」「長く働き続けられるか」も、手放せない条件だったんです。
求人票を何時間見ても、答えが書いていない項目があります
オンコールが月に何回まわってくるか、残業が実際どれくらいか、指導がどんな雰囲気か——ここは求人票に載りません。私は電話で希望を伝えて、病院探しの相談に乗ってもらいました。求人票に出てこない話が聞けます。
「まだ転職するとは決めていないんですが」と最初に言って大丈夫です。私もそう言いました。
こんな人に向いています
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紙に書き出す6つの問い
答えは、頭の中で考えるより紙に書いたほうが早く見つかります。当時の私が書き出した問いをもとに、6つにまとめました。
きれいに書く必要はありません。箇条書きで、思いついた順に書いてください。
① 今、いちばんツラいのは何?
人間関係、業務量、勤務時間、体力、お金。まず分けて書き、ツラい順に番号を振ります。
私の1位は人間関係でした。業務そのものは好きで、慣れてからは楽しさも感じていたからです。
② それは今の職場でしか起きない?
職場を変えれば解決する悩みなのか、どこへ行ってもついてくる悩みなのかを見分けます。ここを分けないと、転職しても同じことで悩みます。
③ 5年後、どんな看護師になっていたい?
難しければ「どんな働き方をしていたい?」で大丈夫です。それも浮かばないときは、「どんなときに自分は楽しい?幸せ?」から考えてみてください。
私はこの問いを書いてみて、気づいたことがあります。「職場が嫌だから辞めたい」のではなく、「なりたい看護師像のために、残るか環境を変えるか」で迷っていたんです。
④ 今の職場は、その5年後に近づける?
給料や休みの条件だけでなく、進みたい方向と合っているかを見ます。条件は良くても、方向が違えば遠回りになります。
⑤ 今の職場の好きなところを3つ
不満ばかり書いた紙は、判断を偏らせます。残る価値も、同じ紙の上に並べておきます。
私の場合は、麻酔がかかる直前まで患者さんの手を握り、声をかける時間にやりがいを感じていました。「手術室にだけは異動したくない」と言う同僚もいて、同じ仕事でも価値観はここまで違うのだと知りました。
⑥ 何も変えなかったら、1年後どう思う?
最後に、何も選ばなかった場合の自分を想像します。「それでもいい」と思えるのか、「やっぱり動けばよかった」と思うのか。
この6問は、転職を決めるための問いではありません。自分がどんな病院や働き方を望んでいるかを、言葉にするための問いです。

書いた紙を「電話で話せる答え」にする
きれいな一文はいりません。3つの要素を、そのまま話せば十分です。6つの問いの答えから、次の3つを抜き出してください。
| 話す要素 | どの問いから拾うか |
|---|---|
| 外せない条件 | ①④(給料・休み・通勤など) |
| 避けたいこと | ①②(職場を変えれば解決する悩み) |
| 大事にしたいこと | ③⑤(好きな仕事・なりたい姿) |
たとえば、こんな話し方で大丈夫です。以下は一例なので、言葉は自分のものに置き換えてください。
「手術室は続けたいです。お給料は今と同じくらいは確保したくて、通勤は30分以内が希望です。若手のうちから意見を聞いてもらえる雰囲気の職場だと嬉しいです。」
「まだ決めていない」と最初に言っていい
答えの最初に、「まだ転職するとは決めていないんですが」と付け加えて構いません。決めていない段階だと伝えたほうが、話がずれずに進みます。
5年後が書けなかった人も、③を「どんなときに楽しいか」で書いていれば十分です。そこから担当者が一緒に具体化してくれます。
外せない条件は上位2つまでに絞ると、話がまとまります。給料の相場が分からなければ、先に調べておくと絞りやすくなります。
手術室の手当の目安はオペ看の給料と手当の記事にまとめています。
「続けられる働き方」から先に決めたほうが、早いこともあります
やりがいで選んで、生活が崩れて辞めてしまうのが一番もったいないと思っています。夜勤なし・オンコールなし・通勤◯分以内——先に外せない条件で絞ってから求人を見ると、手術室を続けられる職場が実際にいくつあるのかが数で見えます。
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答えが出ても、転職しなくていい
働き方を言葉にできると、「残る理由」もはっきりします。私がそうでした。
看護roo!で他院のオンコール手当を調べてみたら、自分の病院と「同じくらい」でした。比べるまで、自分の職場が良いのか悪いのかも分かっていなかったんです。
4年目には、初めてのサブリーダーで責任の重さに押しつぶされそうになり、もう一度転職を考えました。そのとき自分に聞いたのが、「今ここで辞めたら、自分はどう感じるか」です。
答えは「きっと後悔する」でした。リーダー業務を一度やり切ってから次を考えようと決め、結局、登録だけで応募も面接もしませんでした。
働き方を書き出すことは、転職の準備ではなく、自分で納得して選ぶための準備です。
登録から残ると決めるまでの流れは、転職しない人こそ、転職サイトに登録したほうがいい理由に詳しく書いています。

よく聞かれること
書き出す前に迷いやすいところを、先に答えておきます。
Q. 答えが出ないまま相談してもいい?
大丈夫です。ただ、①の「いちばんツラいこと」だけは書いてから話すと、相談の時間がぐっと有意義になります。
Q. 3〜5年目で迷うのは珍しい?
珍しくありません。日本看護協会の調査では、既卒で採用された看護職員の離職率は16.1%(2023年度)と報告されています※1。
同期が異動や転職をしていく時期に、自分だけ止まっているように感じるのは自然なことです。
おわりに|詰まった質問は、自分を知る入り口
「今後どんな働き方をしたいですか?」は、答えられなくて当たり前の質問です。でも、紙1枚あれば、自分の言葉で答えられるようになります。
私はあの日答えられなかったおかげで、自分が何を大事にしていたのかを知りました。迷う時間は遠回りに見えて、実は自分の判断軸を作っている時間です。
今日すぐに決めなくて大丈夫です。今夜、問いを1つだけ書いてみてください。
3社の違いを比べたい方は、手術室看護師の転職サイト比較も参考にしてください。
参考文献
※1 日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」(2025年3月発表)https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/101.pdf




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