※医療・看護ケアは各施設の方針に従ってください。手順・使用器械は施設により異なります。
※有料記事は購入後に全文閲覧できます。デジタルコンテンツの特性上、購入後のキャンセル・返品はできませんのでご了承ください。
※YouTubeメンバー限定動画の視聴には、別途メンバーシップ加入が必要です。
※記事内にPRリンクを含む場合があります。
「登録したら、もう転職しなきゃいけない気がする」
そう思って、転職サイトの登録ボタンの前で手が止まったことはありませんか。
私も同じように思っていました。手術室看護師として10年働くなかで、実際に転職サイトへ登録したのは3〜4年目のころです。結論から書くと、私は転職していません。登録しただけで終わりました。今日は、その「登録しただけ」の中身を書きます。
きっかけは、なんでもない夜でした
きっかけは、大きな出来事ではありませんでした。夜勤明けの帰り道、病棟の同期と給料の話になり、同期のほうが基本給が高いと知った日。その夜、私はスマホで転職サイトを検索していました。
他にも、インシデントを起こして落ち込んでいた日。思うように体が動かなくて、悔しかった日。同期がリーダー業務を任されてキャリアアップしていく一方で、自分はいつまでも新人扱いされていると感じた日。
理由はいつも小さなことでした。「辞めたい」という強い決意というより、「今の自分の立ち位置を、誰かに客観的に見てほしい」という気持ちのほうが近かったと思います。

先輩から「プリセプターまでヤル気が無いよね」と言われて、黙ってしまった日もありました。言い返したかったけれど、先輩に対して、その場では言えなかったんです。美談にするつもりはありません。悔しさをそのまま飲み込んだ夜に、スマホで検索していたのが転職サイトでした。
3〜5年目という時期は、多くの看護師にとって似たような時期のようです。日本看護協会の調査でも、既卒で採用された看護職員の離職率は16.1%(2023年度)と報告されています※1。同期が異動や転職をしていくなかで、自分のキャリアだけが止まっているように感じる。これは、珍しい悩みではありません。
3〜5年目は、同期が転職や異動をしていく時期であると同時に、初めての新人指導が回ってきて責任が増える時期でもあります。現状から逃げたくなるし、隣の芝生が青く見えて「自分も転職したら楽になるかな」と思ってしまう。そういう時期だったからこそ、検索の先に転職サイトがあったのだと思います。
正直に言うと、登録する前は身構えていました。しつこく電話がかかってきて、断りにくくなるのでは、というイメージがあったからです。実際にやってみると、身構えていたほど大げさなものではありませんでした。聞かれたのは、次に書く質問がほとんどです。
登録して最初に聞かれた質問に、何も答えられなかった
転職サイトに登録すると、担当者から連絡が来ます。そこで聞かれたのが、この質問でした。
「今後、どんな働き方をしていきたいですか?」
恥ずかしながら、私はこれに詰まりました。「今の職場が嫌だ」という気持ちはあっても、「じゃあどうなりたいのか」を、自分の言葉で持っていなかったからです。

この質問に詰まるのは、私だけではないはずです。もし同じように答えに迷ったら、電話の前に一度、紙に書き出してみることをおすすめします。
書き出す内容は、3つだけで十分です。
①今、何がいちばんつらいのか
②何が変わったら、その辛さは楽になるのか
③3年後、自分はどんな働き方をしていたいのか
③がすぐに浮かばないときは、「どんな時に自分は楽しい・幸せだと感じるか」から逆算してみてください。声に出す前に、まず文字にしてみる。それだけで、頭の中は意外と整理されます。「続ける」か「転職する」かの二択で悩まなくても大丈夫です。
看護roo!で他院の手当を比べてみたら、「同じくらい」だった
登録した転職サイトのひとつが、看護roo!でした。求人票には基本給だけでなく、オンコール手当や夜勤手当、夜勤回数まで病院ごとに載っています。手術室勤務ならではの、オンコール体制の違いも比較できました。

結果は、拍子抜けするようなものでした。他院の条件をいくつか見比べても、自分の病院と「同じくらい」だったのです。
正直に書きます。もし他院のほうが明らかに条件が良ければ、私は転職していたかもしれません。でも「同じくらい」だと分かったことで、初めて自分の職場を客観的に見られるようになりました。悪いところばかり見えていたのが、「他と大差ない」と分かった瞬間、少し肩の力が抜けたのを覚えています。
手術室のオンコール当番の頻度や手当の額は、施設によって思っている以上に差があります。求人票を数件見比べるだけでも、自分の病院の立ち位置が数字で見えるようになるはずです。
登録する前に、知っておきたかったこと
正直に書いておきます。転職サイトへの登録が向いていない人もいます。
ひとつは、今の職場にこれといった不満がない人。転職はあくまで手段であって、目的ではありません。不満がないなら、無理に登録して選択肢を増やす必要はないと思います。
もうひとつは、希望条件がまだ何も固まっていない人。前の章に書いた「今後どんな働き方をしていきたいですか?」に、答えに詰まったまま連絡を取ると、話が噛み合わずに疲れてしまいます。書き出す時間を、先に少しだけ取ってみてください。
逆に、向いているのは「今の職場が良いのか悪いのか、自分では判断がつかなくなっている人」です。私自身がそうでした。比較対象がないまま日々の忙しさの中にいると、自分の職場の水準が見えなくなります。転職サイトは、その水準を数字で見せてくれる、いちばん手軽な方法だったと思います。
「いつ登録すればいいか」に正解はありません。ただ、追い詰められて限界になってから探し始めると、比べる余裕もなくなります。まだ余力があるうちに、一度だけ外の相場を見ておく。それくらいの軽い気持ちで十分だと、今の私は思います。
🍈 自分の病院の条件、他院と比べたことはありますか?
求人票には、給料以外にオンコール手当・夜勤体制・手術件数まで載っています。「転職する・しない」を決める前に、まず自分の立ち位置を知ることから始められます。
まだ辞めるつもりがない人向け・無料 他院のオペ室手当と、今の給料を比べてみる ›
無料・登録3分/転職を決めていなくて大丈夫です(私も登録だけで終わりました)
公式サイトはこちら
結局、登録だけで終わった理由
比べた結果「同じくらい」だと分かったあと、私は応募も面接もしませんでした。理由は二つあります。
ひとつは、単純に自分の病院の待遇が、思っていたより悪くなかったこと。もうひとつは、当時リーダー業務や新人指導を任され始めていて、「ここで抜けたら中途半端になる」と感じていたことです。つらいこともあったけれど、区切りがつくところまでは一旦やり切ろうと思いました。
同じ時期に、実際に転職していった同僚もいます。業務がハードだと感じて、老健施設を選んだ人もいました。辞めた人が逃げたわけでも、残った私が正解だったわけでもありません。漠然とした安定にしがみつかず、状況を自分で変えていく決断だったと思います。
今なら、あのとき残ったことも逃げではなく、選択だったと言えます。自分の中で納得しきっていない状態で決めるのは危険だと、当時の私はなんとなく分かっていたのだと思います。自分なりの判断の根拠を持つこと、そして一つの見方に囚われず色んな角度から考えてみること。この2つがあれば、「続ける」も「転職する」も、どちらも納得できる選択になります。
そのための実践は、そんなに難しいものではありません。いろんな人と話す。求人票のような、普段は読まない情報に目を通してみる。「なぜあの人はあの決断をしたんだろう」と、一歩踏み込んで考えてみる。「変わってるな」で片付けずに考えてみることが、広い視野につながっていきます。
転職サイトは、「転職を決めた人」だけのものじゃない
振り返って思うのは、転職サイトの使い方はひとつではないということです。
看護roo!は、自分で求人票を見比べて相場を知りたい人に向いています。私が実際に使ったのもこちらです。
レバウェル看護・ナース専科は、何から比べればいいか分からない、担当者に相談しながら整理したい人に向いているサービスです。ナース専科は育児中の働き方など、ライフスタイルに合わせた相談ができると案内されています。
どのサービスも、「登録=転職の意思確定」ではありません。私のように、比べた結果「残る」を選ぶ人がいてもいいはずです。3社の使い分けをもう少し詳しく知りたい方はこちらの記事にまとめています。給料そのものが気になる方は1,838人に聞いた給料アンケートの記事もあわせてどうぞ。
よく聞かれること
Q. 登録したら、断れなくなりませんか?
「今回は見送ります」「もう少し今の職場で頑張ってみます」と伝えれば、それで大丈夫です。無理に選考へ進む必要はありません。私自身、比べた結果を伝えて、そのまま連絡のやり取りを終えました。
Q. 職場に登録がバレたりしませんか?
担当者とのやり取りは電話・メール・LINEが中心です。本人から伝えない限り、今の職場に連絡がいくことはありません。
Q. 何もかも決まっていなくても登録していいんですか?
むしろ、決まっていない人のほうが多いはずです。私自身、「今後どんな働き方をしていきたいですか?」に即答できませんでした。分からないことを分からないまま伝えていい場所だと思います。
不安に感じる部分をひとつずつ書き出してみると、「登録する」までのハードルは、思っているよりずっと低いはずです。
🍈 まずは、比べることから
「転職するかどうか」を、今日決めなくて大丈夫です。私自身、登録してから答えを出すまで時間がかかりました。
① 自分で相場を見比べたい方 → 看護roo!
求人票でオンコール手当や夜勤体制まで比較できます。
② 何を比べればいいか分からない方 → レバウェル看護 / ナース専科
担当者に希望を伝えて、代わりに求人を探してもらえます。
まだ辞めるつもりがない人向け・無料 他院のオペ室手当と、今の給料を比べてみる ›
無料・登録3分/転職を決めていなくて大丈夫です
おわりに
手術室で10年働き、リーダーとして新人指導にもあたってきました。振り返ると、あの「登録しただけ」の経験は無駄ではありませんでした。自分の職場を客観的に見る機会をくれた、小さいけれど大事な一歩だったと思います。
当時の私は「キャリアを積む」ことを、役職が上がることや部署異動でしか考えられていませんでした。でも今なら分かります。新人指導を経験すること、医師と対等にコミュニケーションを取れるようになること。目に見えにくいものも、キャリアとして積み上がっていきます。転職だけが、前に進む方法ではありません。
今は、後輩指導や発信を通じて、同じように悩む人の力になりたいと思っています。手術室が漠然と苦手、希望ではない配属で毎日がつらい。そんな声が今も毎日のように届きます。私自身、あのとき登録して比べていなければ、いまの答えにはたどり着けなかったと思います。
新人の頃、先輩から「みんな通る道だから、焦らなくて大丈夫」と言われて救われたことがあります。あの言葉の意味は、キャリアの選択にもそのまま当てはまると思うようになりました。
今、同じように迷っている方へ。焦って結論を出さなくて大丈夫です。比べてみて「残る」と分かるだけでも、十分に意味があります。
※1 日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」(2025年3月発表)
https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/101.pdf



コメント