※医療的判断・看護ケアは、必ず各施設のマニュアル・方針に従って実施してください。手術手順や使用器械は施設により異なる場合があります。
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📟「麻酔器のモニター、数字や波形が多すぎてどこを見ればいいの?」
全身麻酔中、患者さんの呼吸は麻酔器(人工呼吸器)が代わりに行っています。その状態を映し出すのがモニター画面ですが、VCV・PCV・PEEP・EtCO2…と専門用語と数字が並び、新人オペ看が苦手意識を持ちやすいポイントです。
この記事では、麻酔器モニターのどこを・なぜ見るのかを、画面の構成・換気モード・設定値・実測値・EtCO2の順にやさしく整理します。外回り看護で「患者さんの呼吸が大丈夫か」を読み取れるようになりましょう🍈
麻酔器のモニターは一見むずかしそうですが、見るべきポイントは意外とシンプルです。「設定どおりに、患者さんがちゃんと呼吸できているか」——この一点を軸に読み解いていきましょう。麻酔器そのものの仕組みについては麻酔器の構造と仕組みの記事もあわせてご覧ください。
「麻酔・全身管理の知識をもっと深めたい・評価される環境で働きたい」と感じている方は、早めに情報を集めておくと安心です。手術室看護師の転職サイト比較はこちらも、キャリアの選択肢を広げる参考にしてみてください。
- なぜオペ看が麻酔器モニターを見るの?
- 全身麻酔中の呼吸の仕組み
- 麻酔器モニターの表示画面
- 押さえておきたい主な設定値
- 換気モード|VCVとPCVの違い
- 実測値で「ちゃんと換気できているか」を読む
- 気道内圧の「中身」を理解しよう|ピーク圧・プラトー圧・PEEP
- EtCO2(呼気終末二酸化炭素分圧)の見方
- FiO2と麻酔ガス濃度もモニターで見る
- カプノグラム(EtCO2波形)の異常パターン
- 知っておくと役立つ換気モードの応用
- よくあるアラームと原因・オペ看の対応
- モニターを見るべきタイミング
- 麻酔器モニターのよくある疑問(オペ看Q&A)
- 麻酔の流れと、各フェーズでの観察ポイント
- 新人オペ看がつまずきやすいポイントと対策
- まとめ|麻酔器モニターの見方で押さえる要点
なぜオペ看が麻酔器モニターを見るの?
「呼吸の管理は麻酔科の先生の仕事では?」と思うかもしれません。たしかに設定を決めるのは麻酔科医ですが、術中の患者さんの異変にいち早く気づき、チームで共有するのは看護師の大切な役割です。とくに外回り看護師は、術野・器械・患者さんの全身状態を広く見渡す立場にあります。
たとえば、体位変換や気腹(腹腔鏡手術でお腹をふくらませること)のあとに気道内圧が急に上がる、出血で状態が変わる——こうした「手術の操作が呼吸に与える影響」に気づけるのは、手術の流れと患者さんの両方を見ている看護師ならではです。モニターの見方を知っておくことは、患者安全に直結します。
もちろん、換気の設定や調整を行うのは麻酔科医です。看護師に求められるのは、細かい数値をすべて暗記することではなく、「いつもと違う」変化に早く気づき、すばやく共有すること。そのためには、正常な状態の“見え方”を知っておくことが第一歩になります。まずは「正常はどんな数字・波形か」をつかんでいきましょう。
全身麻酔中の呼吸の仕組み
全身麻酔では、麻酔薬や筋弛緩薬の影響で患者さん自身では呼吸ができなくなります。そのため、麻酔器に内蔵された人工呼吸器が、酸素と麻酔ガスを含んだ空気を肺へ送り込み、呼吸を肩代わりします。この「機械が行う呼吸」がうまくいっているかを数値と波形で示すのが、モニター画面なのです。
人工呼吸は、「どれくらいの量・圧・回数で、どんなリズムで空気を送るか」を細かく設定して行われます。麻酔器は、これらの設定を実行しながら、実際に患者さんの肺へどれだけの空気が出入りしているかを常に測定しています。「指示(設定)」と「結果(実測)」をリアルタイムに表示してくれるのがモニターの役割です。だからこそ、両者を見比べることが基本になります。まずは画面の基本構成から見ていきましょう。
麻酔器モニターの表示画面
麻酔器のモニターは機種によって見た目が違いますが、表示される情報は大きく3つの要素に整理できます。この3つの関係を理解すると、どの機種でも迷わず読めるようになります。
| 要素 | 内容 | 表示の傾向 |
|---|---|---|
| 設定値 | 麻酔科医が決めた人工呼吸の指示(目標) | 画面の下側にまとまっていることが多い |
| 実測値 | 実際に患者さんの口元で測定された結果 | 画面の右側などに大きく表示される |
| 波形 | 気道内圧・換気量・EtCO2などの変化を線で表示 | 中央に表示される |
最も大切なのは、「設定値(こう呼吸させたい)」と「実測値(実際にこう呼吸できている)」を見比べることです。この2つにズレがあるときは、何らかのトラブルが起きているサイン。たとえば「設定した量を送っているのに、実測の換気量が少ない」なら、回路のリークやチューブの問題が疑われます。
押さえておきたい主な設定値
麻酔科医が設定する代表的な項目を整理します。すべてを暗記する必要はありませんが、「だいたいこのくらい」という目安を知っておくと、異常値に気づきやすくなります。
| 設定項目 | 意味 | 目安 |
|---|---|---|
| VT / TV(1回換気量) | 1回の呼吸で送る空気の量 | 理想体重あたり6〜8mL/kg程度(肺保護換気ではさらに低めも) |
| RR / F(呼吸回数) | 1分間に何回呼吸させるか | 成人で10〜12回/分程度 |
| I:E比 | 吸気と呼気の時間の比率 | 通常1:2 |
| PEEP(呼気終末陽圧) | 吐き切ったときに気道へかける陽圧 | 5cmH2O程度から |
| Pmax / Plimit (最高気道内圧上限) | 肺を守る最高気道内圧の上限 | 30〜40cmH2Oなど(超えるとアラーム) |
| Tpause(吸気終末ポーズ) | 送気後に一瞬送気を止める時間 | 近年は短くする・オフにする傾向 |
💡 換気量は「理想体重」で決める
1回換気量(VT)は、実際の体重ではなく身長から計算する「理想体重」を基準にします。肺の大きさは脂肪のつき方ではなく、おおよそ身長で決まるからです。そのため、体格のよい患者さんでも、見た目の体重ほど大きな換気量にはなりません。


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