乳房切除術・乳房全摘術の手術手順【乳がん・乳腺外科の手術看護】

産婦人科・乳腺外科
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『乳房切除術って、どのような手術なの?』

『乳がん患者が受ける手術の流れについて知りたい』

『乳房切除術の器械出し看護のポイントを知りたい』

このように思う手術室看護師の方や、研修医の方、いらっしゃるのではないでしょうか?

今回は乳房切除術・乳房全摘術の手術の流れについて解説していきます

手術時間⇨2〜2.5時間

器械出し看護難易度⇨✩✩

乳房切除術・乳房全摘術の患者入室〜麻酔導入・挿管

①手術当日、患者は病棟看護師とともに手術室へ向かいます

②手術室入室前に患者の本人確認を行います

手術前の患者さんの準備や入室時に必要な確認事項については以外の記事にまとめています

参考にしてください

③血圧計や、心電図モニターを装着し、麻酔導入に移ります

④麻酔導入後、挿管(そうかん)を行います

麻酔から挿管までの手順は以外の記事にまとめています参考にしてください

参考にしてください

手術体位固定【仰臥位(ぎょうがい)】

乳房全摘術は仰臥位で行います

麻酔導入後、仰臥位で体位固定を行います

外回り看護ポイント

【体位固定後は以下のポイントを確認します】

①循環動態の確認

✅腹部・心窩部・頸部・腋窩・鼠径部の血管に圧迫が無いかどうか②呼吸障害の確認

✅気管チューブの位置は適切かどうか

✅体位が崩れないかどうか

✅胸郭が圧迫されていないかどうか

③褥瘡・神経障害の確認

✅圧迫部位の除圧ができているかどうか

✅神経が圧迫されていないか

✅良肢位で体位固定できているか

✅シーツの皺やルート類、器具類による身体への直接的な圧迫や接触がないか

④転落の危険性の確認

✅確実に体位固定できているか

✅固定帯の位置は適切かどうか

乳房切除術・乳房全摘術 手術準備

術野消毒・ドレーピング

①頸部から前胸部、患側の前腕を消毒します

②手術用ドレープをかけます

電気メスやサクションのセッティング

③使用する電気メスやサクションなど、デバイス類をセッティングします

乳房切除術・乳房全摘術 手術開始

手術患者のタイムアウトを行い、手術開始となります

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乳房腫瘍位置の皮膚切開

①腫瘍位置から3~5cm離して乳頭を切除範囲に含めて決定します

②電気メスで皮下切離を行います

③鎖骨直下、胸骨正中線、広背筋外縁、腹直筋上端の範囲で切離していきます

内側腋窩リンパ節の郭清

①胸骨峰動脈の胸筋枝・外側胸動静脈を結紮し、切離します

器械出し看護ポイント

結紮を行うときの手順

①ケリー剥離鉗子で結紮したい血管をすくいあげる

②ケリー剥離鉗子、もしくはペアン止血鉗子で、結紮したい血管の両側を挟む

③ ②で挟んだ血管の間を、メッツェンバームで切る

④絹糸や指定の糸で血管の断端をしばる

②内側腋窩リンパ節の郭清を行います

小胸筋後面の深胸筋膜下に暗赤色の腋窩が存在します

腋窩側方のリンパ節郭清

①乳房を外側へ翻転します

②腋窩リンパ節郭清を外側に向かって郭清します

③肩甲下筋上で、肩甲下動静脈と胸背神経を確認します

④胸背動静脈は結紮し、切離します

⑤胸背神経は温存します

乳房切除・乳房全摘出

①乳房を外側に牽引し、後背筋外縁に到達します

②乳房切除・乳房摘出します

外回り看護ポイント

摘出した検体の保管方法は

必ず医師に確認して、適切に保管しましょう

止血・ドレーン挿入

①止血の確認を行います

②皮弁の下から、リンパ節を郭清した腋窩と胸筋の全面にドレーンを挿入します

閉創~乳房切除術・乳房全摘術終了

①止血確認が終了したら、閉腹します

器械出し看護ポイント

閉創前にガーゼカウント・器械カウントを実施し、

体内遺残が無いことを確認します

②手術終了し、麻酔覚醒・退室となります

乳房切除術・乳房全摘術まとめ

今回は乳房切除術・乳房全摘術の流れについて解説していきました

各手順に伴い、それぞれ器械出し看護ポイント・外回り看護ポイントがあるため

手術室看護師の方、また手術の全体像を把握したい医療者の方はぜひ参考にしてください

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