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「その体位、本当に“安全”と言い切れますか?」
体位固定は、ただポジショニングを整える作業ではありません。
ほんの数センチのズレ、わずかな圧迫、気づかなかったチューブの屈曲――
その小さな違和感が、循環障害・神経障害・呼吸トラブルにつながることもあります。
☑ なんとなくいつも通りに固定している
☑ 先輩に言われた通りにやっている
☑ 本当にこれで良いのか少し不安
もし少しでも当てはまるなら、今こそ基礎を見直すタイミングかもしれません。
仰臥位・側臥位・腹臥位・砕石位。
一見シンプルに見える基本体位ですが、外回り看護師が本当に見るべきポイントは想像以上に奥が深いのです。
基本体位を「知っている」から「説明できる」へ。
そして「リスクを予測して動ける」へ。
この記事では、若手オペ看がつまずきやすいポイントを押さえながら、明日からの外回りで自信を持てる体位固定の視点をわかりやすく解説していきます。
体位固定を制する者が、オペ看を制する。
その理由を、ここから一緒に深掘りしていきましょう。
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- 神経損傷・褥瘡後発部位は?
- 「手術体位」とはなにか?
- 【患者の体位固定前後で、外回り看護師が注意して見るべきポイント】
- 仰臥位(ぎょうがい)の手術体位固定
- 仰臥位の体位固定手順
- 🛏 仰臥位での褥瘡好発部位
- 体位固定で注意すべき神経損傷
- 側臥位(そくがい)の手術体位固定
- 側臥位での褥瘡好発部位
- 体位固定で注意すべき神経損傷(代表例)
- 砕石位(さいせきい)の手術体位固定
- 褥瘡好発部位(長時間手術で要注意)
- 体位固定で注意すべき神経損傷(下肢・上肢)
- 腹臥位(ふくがい)の手術体位固定
- 腹臥位での褥瘡好発部位
- 体位固定で注意すべき神経損傷(顔面・上肢)
- 手術体位の外回り看護まとめ
- 「器械出しがニガテ」「手術手順が分からない」オペ看向け勉強用の記事はこちら
神経損傷・褥瘡後発部位は?

「手術体位」とはなにか?
なぜ様々な手術体位があるの?手術体位固定の目的とは?

手術をする際にはそれぞれの術式に合わせた体位を取る必要があります
たとえば、「背骨の骨折手術」など、患者の腰背部の手術の場合
手術時の体勢は「あおむけ」よりも「うつ伏せ」の方が安全に手術を行うことができます
つまり体位固定の目的は、「手術中の患者の身体への負担を軽減させた上で、手術をより安全に行うため」なのです
そして、このように「どのような手術を行うのか」によって「手術体位」も変わるのです。
体位固定で気をつけたい「褥瘡(じょくそう)」と「神経損傷(しんけいそんしょう)」について

体位固定時のトラブルとして最も多いものが「褥瘡」と「神経損傷」です
【褥瘡(じょくそう)とは?】
褥瘡(じょくそう)とは、「床ずれ」とも呼ばれ、
身体のある部位が長時間圧迫されることで、その部位の血流がなくなり
皮膚組織が損傷されることです
皮膚組織が損傷されると「発赤(ほっせき)」や「皮膚の色調変化」の発生につながります
同一体位での長時間の手術の場合や、
体位固定器が皮膚に直接当たったまま手術がなされている場合など
身体のある一定の部位に圧がかかり
その部位の皮膚組織が圧迫されることで褥瘡となるリスクが高まります
【神経損傷(しんけいそんしょう)とは?】
身体のある部位の神経が長時間圧迫されることによって
異常な痛みや痺れ、知覚異常をきたすことです
体位固定時に良肢位(りょうしい)での体位固定ができていない場合や
四肢が過度に伸展されている場合など
神経損傷となるリスクが高まります
体位固定での注意すべきポイント

すべての体位固定に共通して、外回り看護師が気をつけるべきポイントがあります
前述の「褥瘡予防」や「神経損傷予防」はもちろんですが、
「体位固定を行う前後での患者バイタルサイン変動」や、
「体位固定後に点滴ルートやモニターのコード類が患者の体の下敷きになっていないかの確認」なども挙げられます
また、その他いくつかの注意点があるため、以下のチェックリストを参考にしてください。
【患者の体位固定前後で、外回り看護師が注意して見るべきポイント】
① 循環動態の確認
- ✅ 腹部・心窩部・頸部・腋窩・鼠径部の血管に圧迫が無いか
② 呼吸障害の確認
- ✅ 気管チューブの位置は適切か
- ✅ 体位が崩れていないか
- ✅ 胸郭が圧迫されていないか
③ 褥瘡・神経障害の確認
- ✅ 圧迫部位の除圧ができているか
- ✅ 神経が圧迫されていないか
- ✅ 良肢位で体位固定できているか
- ✅ シーツの皺やルート類、器具類による身体への直接的な圧迫や接触がないか
④ 転落の危険性の確認
- ✅ 確実に体位固定できているか
- ✅ 固定帯の位置は適切か
仰臥位(ぎょうがい)の手術体位固定

仰臥位の体位固定方法について
仰臥位の体位固定手順
※全身麻酔下での体位固定を前提とし、麻酔導入後に体位固定を行う
◆ 基本の体位固定ステップ
- 水平臥床
ベッド上で水平に臥床し、頭部は正面を向いた状態とする - 頸部の位置調整
中間位〜軽度屈曲位とし、過伸展を避ける - 臀部の置き直し
骨突出部の位置を整え、体軸をまっすぐにする - 下肢支持
下肢の下にクッションを入れ、広い面で支える - 股関節・膝関節の角度調整
腓骨頭の圧迫を避け、股関節10°〜30°屈曲位、膝関節は軽度屈曲位 - 下肢の開きと外旋防止
密着させず軽く開き、外旋位を防止する - 踵部の確認
踵骨部が底付きしていないか確認し、必要に応じてスポンジ等で浮かせる
◆ 両上肢を閉じる場合
- 手掌の向き
手掌は下向き、または体側に向ける - 上肢固定
上肢固定器を使用し、落下防止のため確実に固定する
◆ 両上肢を開く場合
- 手台の調整
手術台と手台の隙間をなくし、高さを合わせる - 肩・肘・前腕の角度
肩関節外転は90°以内、肘は軽度屈曲位、前腕は回内・回外中間位 - 上肢抑制帯で固定
抑制帯を使用し、腕が手台から落ちないように固定する
仰臥位での褥瘡好発部位
🛏 仰臥位での褥瘡好発部位
仰臥位では、骨突出部に持続的な圧迫がかかりやすく、 褥瘡のリスクが高まります。
- 🔹 後頭部
- 🔹 肩甲骨部
- 🔹 肘部
- 🔹 仙骨部
- 🔹 踵部
⚠ 予防のポイント
- ✔ 手術開始前に皮膚保護剤を塗布する
- ✔ 長時間手術では置き直しを実施する
- ✔ 圧抜きパッド・ジェルパッドを適切に使用する
仰臥位で損傷されやすい神経とは?

体位固定で注意すべき神経損傷
側臥位(そくがい)の手術体位固定

側臥位の体位固定方法について
側臥位は以下の手順に沿って体位固定を行います
※全身麻酔下での体位固定を前提とし、麻酔導入後に体位固定を行うものとします
①執刀医師とともに、患者身体の位置を確認します
②下側となる側胸部や側腹部、腸骨部、耳介部に皮膚保護のための保湿クリームや皮膚保護剤と塗布します
③麻酔科医師と協力し、側臥位への体位変換を行います
体位変換時に、挿管チューブの抜去リスクが高まるため、
体位変換を行う際は必ず麻酔科医師の協力の下、行います
④下側となる腋窩の除圧(じょあつ)を行います
「腋窩の除圧(じょあつ)」は、
下側となる上肢の腕神経叢の圧迫による「神経損傷予防」のために行います
腋窩の除圧方法としては
①腋窩から3~5横指程度、足側のあたりへ枕やクッションを挿入し、腋窩を浮かせる方法
②腋窩に当たる部分のみ、ベッドマットを凹ませることで、腋窩を浮かせる方法
などが挙げられます
また、腋窩の除圧を行う際には「腋窩神経の圧迫」に注意します
⑤上側となる上肢は、側臥位用の手台にのせ、上肢抑制帯で固定します
上側となる上肢の固定時は
☆肩よりも挙上しないこと
☆肩関節を90°以上外転させないこと
☆肘の除圧を行い、手台上で尺骨神経が圧迫されないようにすること
が重要です
⑥下側となる上肢は、90°外転させた状態で固定します
⑦上側となる下肢と下側となる下肢の間にはクッションや大きめの枕を挿入し、上側となる下肢の高さを体幹の高さと同程度になるよう調節します
⑧体側支持器を使用し、体幹を側臥位の状態に保ちます
体側支持器を使用する際には、
☆接触面積を広くとることの部位(下腹部・背部・臀部など)を選んで固定すること
☆術野に影響しない位置で固定すること
☆体側支持器が直接皮膚に当たらないように枕やクッションで除圧を行うこと
が重要となります
⑨下側の下肢は軽く屈曲します
⑩下側の下肢の腓骨頭(ひこっとう)・内踝(ないか)・外踝(がいか)はクッションや枕を使用し除圧します
⑪下肢抑制帯を使用し、下肢を固定します
下肢抑制帯を使用する際は
足首~膝下での固定が望ましいとされます
特に、腓骨神経圧迫を防ぐために、腓骨頭での固定は避けましょう
側臥位での褥瘡好発部位
側臥位での褥瘡好発部位
側臥位では骨突出部への持続的圧迫により、褥瘡リスクが高まります。
必要に応じて手術開始前に皮膚保護剤を塗布し、
長時間手術の場合は置き直しを実施することが重要です。
◆ 褥瘡好発部位一覧
側臥位で損傷されやすい神経とは?

体位固定で注意すべき神経損傷(代表例)
砕石位(さいせきい)の手術体位固定

砕石位の体位固定方法について
砕石位は以下の手順に沿って体位固定を行います
※全身麻酔下での体位固定を前提とし、麻酔導入後に体位固定を行うものとします
①水平に臥床し、頭部は正面を向いた状態とします
②頸部は中間位~軽度屈曲位として過度な伸展を避けます
③支脚器をベッドレールの下肢側に装着します
④両下肢を支脚器に装着します
下肢を動かす際には
☆バイタルサインの変動に注意すること(下肢の挙上や下降が血行動態に影響を与えるため)
☆股関節の脱臼に注意すること(特に、人工股関節置換を受けている患者の場合は要注意です!)
☆坐骨神経の牽引に注意すること
が重要となります
⑤支脚器内で踵位置がずれていないことを確認します
⑥各関節の可動域に注意して下肢の固定を行います
【砕石位をとる際の各関節の可動域】
股間節可動域
☆屈曲15~30°
☆外転0~10°
☆外旋40°以内
膝関節可動域
☆屈曲10°
足関節可動域
☆背屈0~10°
☆底屈0~10°
⑦腓骨頭が支脚器によって圧迫されていないことを確認します
【両上肢を閉じる場合】
⑧手掌は下向き、もしくは体側に向けます
⑨上肢固定器を使用し、上肢が落ちないように固定します
【両上肢を開く場合】
⑧手術台と手台の高さを合わせます
⑨肩関節の外転は90°以外、肘関節は軽度屈曲位、前腕は回内・回外中間位で固定します
⑩上肢抑制帯を使用し、手台から上肢が落ちないように固定します
砕石位での褥瘡好発部位
褥瘡好発部位(長時間手術で要注意)
長時間手術では持続的な圧迫により褥瘡リスクが高まります。
適宜置き直しや除圧対応を行うことが重要です。
◆ 主な褥瘡好発部位
砕石位で損傷されやすい神経とは?
体位固定で注意すべき神経損傷(下肢・上肢)
腹臥位(ふくがい)の手術体位固定

腹臥位の体位固定方法について
腹臥位は以下の手順に沿って体位固定を行います
※全身麻酔下での体位固定を前提とし、麻酔導入後に体位固定を行うものとします
①ストレッチャー上で患者を仰向けの状態とします
②麻酔科医師の協力の下、ストレッチャー上の患者を手術台へ移動させます
移動させる際に腹臥位の状態へ体位変換を行います
腹臥位への体位変換時は
☆挿入されている点滴ルートや尿道留置カテーテルが体位変換時に抜去されないように、ゆとりを持たせること
☆ストレッチャーから手術台へ患者移動をさせる場合は、ストッパーが止まっていることを確認すること
が重要となります
③腹臥位への体位変換時にモニター類や点滴ルートを外した場合は、体位変換後すぐにモニターの再装着と輸液の再開を行います
④手術台上で体の位置を調節します
⑤両上肢は挙上した状態で固定します(うつぶせで両手を挙げているような状態です)
上肢を挙上した状態で固定する際は
☆尺骨神経の圧迫を避けるために肘を手台から浮かせること
☆肩関節90°外転、肘関節90°屈曲にした状態で手背を上に向けること
が重要です
また、肩関節に可動域制限があり、上肢の挙上ができない場合は
執刀医と相談し、上肢固定器等を使用して両上肢を閉じた状態(気を付けの姿勢)とすることも可能です
⑥頸部が過度に伸展されていないことを確認し、必要に応じて枕を追加します
また、眼球が圧迫されていないことを確認します
⑦下腿部の屈曲に合わせて、良肢位となるようにクッションや枕で調節します
⑧膝下が圧迫されないようにスポンジ等を挿入して、膝の保護を行います
(膝関節屈曲は10°~30°とされています)
⑨下肢を抑制帯で固定し、ベッドから落ちないようにします
⑩つま先がベッド上から浮いていることを確認します
底付きとなっている場合はクッションや枕を追加し、つま先を浮かせます
腹臥位での褥瘡好発部位
腹臥位での褥瘡好発部位
腹臥位では顔面・前胸部・骨突出部への持続的圧迫が起こりやすくなります。
必要に応じて手術開始前に皮膚保護剤を塗布し、
長時間手術では置き直し・除圧を行うことが重要です。
◆ 主な褥瘡好発部位
腹臥位で損傷されやすい神経とは?

体位固定で注意すべき神経損傷(顔面・上肢)
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手術体位の外回り看護まとめ
今回は手術体位でメジャーとなる仰臥位・側臥位・砕石位・腹臥位のそれぞれの外回り看護ポイントについて解説しました
体位固定時のトラブルとして最も多いものが「褥瘡」・「神経損傷」となります
褥瘡好発部位と損傷されやすい神経部位は手術体位によって異なるため
今回の記事をぜひ参考にしてみてください。

この本に全部書いてるよ☺️👆





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