※医療的判断・看護ケアは、必ず各施設のマニュアル・方針に従って実施してください。手術手順や使用器械は施設により異なる場合があります。
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「胃全摘術ではどのように再建しているの?」
「ルーワイ法のわかりやすい解説記事がほしい!」
胃全摘術の再建において、 「どこを、どのように繋いでいるのだろう?」 と疑問に思うオペ看は多いのではないでしょうか。
胃がすべて切除されたあと、消化管はどのように再建されるのか。 食道・空腸・十二指腸の位置関係が曖昧なままだと、 器械出しの先読みも難しくなります。
この記事では、 開腹での胃全摘術(Total gastrectomy)の手術手順 と、 ルーワイ法(Roux-en-Y)での再建方法 、さらに 器械出し看護ポイント についてわかりやすく解説します。
【この記事で分かること】
- ✅ 開腹胃全摘術の手術手順
- ✅ ルーワイ法(Roux-en-Y)での再建方法
- ✅ 開腹胃全摘術の器械出し看護ポイント
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- 【まずは理解度チェック!】この手術の内容をテスト
- 【ルーワイ法のわかりやすい解説】胃全摘後の再建は?
- なぜ胃全摘の再建に「ルーワイ法」が選ばれるのか
- 術前に確認しておきたいこと
- 【保存版】胃全摘・ルーワイ再建で準備する器械・物品
- 【胃全摘術の手術手順】準備・セッティング
- メス・電気メス使用して開腹
- 腹腔内の観察
- リトラクター(開創器)の設置
- 大網切離・右胃大網動脈の処理・右胃動脈の処理
- 十二指腸の切離
- リンパ節郭清
- 食道の切離・胃の摘出
- 挙上空腸の作成
- 【ルーワイ法での再建】食道-空腸吻合
- 【ルーワイ法での再建】空腸-空腸吻合
- 「郭清」で術野が緊張する理由
- 胃全摘後に注意すべき合併症
- 止血確認・洗浄・ドレーン挿入・閉創
- 胃全摘・ルーワイ再建でよくあるミスと対策
- 新人オペ看がつまずきやすい2つのポイント
- 胃全摘出術とルーワイ再建を2分10秒動画解説
- 胃全摘術のよくある疑問
- 手術終了後の申し送りで伝えること
- 胃全摘・ルーワイ再建の用語集
- 【ルーワイ法のわかりやすい解説】胃全摘術の手術手順と再建方法をオペ看向けに解説のまとめ
【まずは理解度チェック!】この手術の内容をテスト
🩺 理解度チェック!胃全摘術(ルーワイ法)クイズ 全10問
ドレーピングから再建・閉創まで、この手術の流れがどれだけ頭に入っていますか?
選択肢をタップすると、その場で正解と解説が表示されます。まずは腕試し!
【ルーワイ法のわかりやすい解説】胃全摘後の再建は?
ルーワイ法の簡単&わかりやすい動画解説
なぜ胃全摘の再建に「ルーワイ法」が選ばれるのか
胃を全部取ったあと、食道と腸をどうつなぐか。実は方法がひとつではありません。そのなかでルーワイ法が広く選ばれている理由を知っておくと、手術の意味が立体的に見えてきます。
胃がなくなると、胆汁や膵液の逆流を止める仕組みがなくなります。単純に食道と腸をつないだだけでは、消化液が食道に上がってきて、強い炎症や胸やけを起こします。
ルーワイ法では、消化液が流れてくる道と、食べ物が通る道をY字型に分けます。食べ物の通り道を長く確保することで、消化液が食道まで逆流しにくくなるという設計です。
🔤 「Y」の形で覚えると忘れません
アルファベットのYを思い浮かべてください。
・Yの左上の枝=食道からつながる、食べ物の通り道
・Yの右上の枝=十二指腸から来る、胆汁と膵液の通り道
・Yの下の棒=2つが合流したあとの共通の道
この形を作るために、空腸を1か所切って持ち上げ、もう1か所でつなぎ直しています。手順の意味がここで一本につながります。
他の再建法との違い
| 再建法 | どんな方法か | 主に使われる場面 |
|---|---|---|
| ルーワイ法 | 空腸をY字に組み替えてつなぐ | 胃全摘の標準的な再建 |
| ビルロートⅠ法 | 残った胃と十二指腸を直接つなぐ | 胃を部分的に切除したとき |
| ビルロートⅡ法 | 残った胃と空腸をつなぐ | 胃を部分的に切除し、Ⅰ法が難しいとき |
ポイントは「胃が残っているかどうか」です。胃が残っていれば逆流を防ぐ力がある程度期待できますが、全部取ってしまった場合はY字に組み替えて距離を稼ぐ必要がある——そう理解すると、術式の選択に納得がいきます。
術前に確認しておきたいこと
- アプローチ(開腹か腹腔鏡かロボット支援か)— 器械も体位も別物になります
- 郭清の範囲 — 範囲が広いほど手術時間が延びます
- 脾臓を温存するか — 合併切除なら準備と申し送りが変わります
- 吻合器のサイズと種類 — 術者の好みも含めて確認します
- 他臓器の合併切除の予定 — 膵臓や横行結腸に及ぶ場合は器械が追加されます
- 術前の栄養状態 — 低栄養の患者さんは縫合不全のリスクが上がります
🍈 「胃を全部取る」と告げられた患者さんへ
胃を失うことは、患者さんにとって食べるという日常が変わることを意味します。手術の説明を受けたあと、不安を抱えたまま入室してくる方も少なくありません。
私たちにできるのは、医学的な説明を重ねることではなく、入室のときに一言かけることです。「今日は私が担当します」。その一言があるだけで、天井を見つめる時間の心細さは変わります。
【保存版】胃全摘・ルーワイ再建で準備する器械・物品
| グループ | 主な内容 | 押さえるポイント |
|---|---|---|
| ①開腹・展開 | 円刃刀、電気メス、開腹鉤、リトラクター、大判ガーゼ | 上腹部の深い術野。リトラクターの固定が視野を決める |
| ②郭清 | エネルギーデバイス、ケリー鉗子、直角鉗子、血管クリップ、絹糸 | 血管処理が連続する。結紮用の糸を切らさない |
| ③切離 | 直線型自動縫合器、各種カートリッジ | 十二指腸と空腸で厚みが違う=色が違う |
| ④吻合 | 円形自動吻合器(アンビルヘッド含む)、パースストリング用の糸、3-0・4-0縫合糸 | アンビルはサイズと部品を開封前に確認 |
| ⑤閉創 | ドレーン、閉創用の糸、癒着防止剤 | ドレーンの留置部位を記録 |
⚠️ 円形自動吻合器は「部品がそろって初めて使える」
円形吻合器は本体とアンビルヘッドがセットで機能します。片方だけ開けてしまうと、サイズ違いに気づいても戻せません。
開封前に、サイズ・本体・アンビルの3点を術者と読み上げて確認してください。食道は伸びにくく、大きすぎるサイズは入りません。ここでの取り違えは、そのまま手術の停滞につながります。
体位と全身管理
体位は仰臥位です。術野を確保するため、上半身をやや起こしたり、頭側を高くしたりすることがあります。手術時間が長くなりやすいため、以下は外回りの標準業務として押さえておきましょう。
- 褥瘡予防:仙骨部・踵部の除圧を開始前に厚めに
- 体温管理:開腹時間が長い。加温を早めに開始する
- 血栓予防:がん患者さんは血栓のリスクが高くなります。圧迫装置の作動を確認
- 経鼻胃管の扱い:食道を切離する前に位置の調整が必要です。麻酔科医と操作のタイミングを共有します
🚨 食道を切る前に、必ず確認されること
食道に管が入ったまま切離してしまうと、管ごと切ってしまうことになります。そのため切離の直前に「胃管は抜けていますか」という確認が必ず入ります。
器械出しとしては、この確認の声が聞こえたら「もうすぐ食道切離=吻合の準備に入る」と読み取れます。合図として覚えておきましょう。
【胃全摘術の手術手順】準備・セッティング
ドレーピング
① 乳頭から恥骨上までの範囲で消毒
※上腹部から下腹部まで広範囲に及ぶため、十分な消毒範囲を確保する。
② 開腹用ドレープを貼付
※術野の展開を想定し、十分な余裕を持たせて貼付する。
エネルギーデバイスの接続
以下の機器を確実に接続する:
- 電気メス
- サクション
- 超音波凝固切開装置
主な機種例
ハーモニック/リガシュアー/エンシール/ソニックビート/サンダービート など
※施設によって採用機種が異なるため、事前確認が重要。
リトラクター(開創器)のセッティング
使用するリトラクターによっては、 ベッドレールへの支柱設置が必要 となる。
| リトラクター名 | 支柱設置 |
|---|---|
| オクトパス リトラクター | 必要 |
| オムニリトラクター | 必要 |
| ケント吊り上げ鉤 | 必要 |
| バルフォア開腹鉤(中山式開創器) | 不要 |
| ゴッセ開創器 | 不要 |
器械出しポイント: 支柱設置が必要なタイプかどうかを事前に確認し、
麻酔導入後すぐにセッティングできるよう準備しておく。
メス・電気メス使用して開腹
皮膚切開・筋膜切開
① No.21メス(円刃)で皮膚切開
② 電気メスで皮下切開
③ コッヘル止血鉗子で筋膜を把持し、 電気メスで筋膜切開
使用する器械
- No.21メス
- 有鉤短鑷子 ×2本
- 電気メス
- コッヘル止血鉗子 ×4~6本
- ランゲンベック扁平鉤 ×2つ
腹膜切開
① 有鉤短鑷子2本で腹膜を把持
(執刀医と助手医師が1本ずつ持ち、腹膜層を引き上げる)
② 引き上げた腹膜層を 電気メス または メッツェンバーム剪刀 で切開
③ ミクリッツ腹膜把持鉗子で腹膜を把持
④ 電気メスで腹膜切開を拡大
腹腔内の観察
腹腔内観察のチェックポイント
- ✅ 胃表面への転移
- ✅ 肝転移
- ✅ リンパ節転移
- ✅ 腹膜播種
- ✅ 腹水の有無
腹膜播種や腹水があった場合は?
術中所見で 腹膜播種が確認された場合、 他部位転移も疑われるため、 手術適応とならず閉腹となるケースもあります。
また、 腹水貯留が確認された場合は、 腹水や洗浄細胞診を 病理検査へ提出 することがあります。
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