大動脈弁置換術(AVR)の手術手順 |カニュレーションまでの流れや生体弁・機械弁縫合の器械出しポイント

オペ看勉強まとめ
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「今、何を準備すればいいんだろう」「次に先生はどんな操作をするんだろう」
そんな不安でいっぱいになったことはありませんか?

心臓の中を直接扱う大動脈弁置換術は、少しの遅れが全体の流れに影響してしまうほど繊細です。

このブログでは、実際に心臓血管外科でAVRの出しを経験してきた
手術室看護師の視点から、カニュレーションまでの手順や生体弁もしくは機械弁を縫合する手順をわかりやすく解説しています。

「手術の流れが早くて器械出し看護に不安がある」、「大動脈弁置換の手順について詳しく知りたい」と思う手術室看護師はぜひ参考にしてください。

【この記事で分かること】

✅ 大動脈弁置換術(AVR)器械出しのコツ

✅ 大動脈弁置換の手順

✅ 生体弁と機械弁の違い

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大動脈弁の種類【生体弁と機械弁の違い】

生体弁と機械弁の違いとは?

生体弁と機械弁は素材・耐久年数・ワーファリン服用の有無において異なります。

 生体弁  機械弁 
素材ウシの心膜・ブタの大動脈弁チタン・カーボン素材
耐久年数10~15年程度半永久的に使用可能
ワーファリンの服用不要必要

生体弁の特徴

生体弁とは、主にウシの心膜やブタの大動脈弁で作られた人工弁です。

生体適合性が良いため、血液に触れても血栓ができにくく、抗凝固剤の「ワーファリン」の永久的な使用は必要ありません。

ただし、機械弁に比べると劣化が早いため、生体弁を取り換える再手術が必要になります。平均の耐久年数は10~15年程度です。この期間は若ければ若いほど短くなる傾向にあります。

機械弁の特徴

機械弁とは、特殊なチタンやカーボン素材で作られた人工弁です。

機械弁は、使用による摩耗や劣化がほとんどないため、置換後は半永久的に使用できるのが特徴です。

しかし、血液が機械弁に接触すると血栓ができやすいため、生涯を通じて抗凝固剤のワーファリンを服用しなければいけません

【大動脈弁置換術(AVR)の手術手順】手術前の準備

手術前の準備

術野準備
 前胸部〜膝下までを広範囲に消毒し、手術部位周囲の清潔を保ちます。

ドレーピング
 滅菌ドレープで覆い、必要部位のみ露出します。
 胸骨正中切開予定部位の上からイソジンドレープを貼付します。(※ドレーピング方法は施設によって異なります)

器械・装置類のセッティング
 電気メス、サクションチューブ、開胸鋸、体外循環関連機器、デバイス類をセッティング

皮膚切開・胸骨正中切開・心膜切開

皮膚・筋膜の切開

  1. 胸骨の正中を確認し、胸骨上窩から胸骨剣状突起の約3横指下まで皮膚切開を行う
  2. 電気メスを用い、皮下組織・筋膜を順次切開し、胸骨を露出

胸骨正中切開(きょうこつせいちゅうせっかい)

  1. 胸骨鋸(開胸鋸・スターナムソー)を使用し、上縁から下縁に向かって胸骨切開
  2. 切開後、ランゲンベック扁平鉤や三爪・四爪鈍鉤で胸骨を展開
  3. 開胸器を装着し、視野を確保
  4. 骨髄止血剤(ボーンワックス)や電気メスを使用し、骨髄を止血

器械出し看護ポイント

胸骨鋸は使用前に作動確認を行う。作動しない場合はバッテリーを交換。

安全対策として、使用直前までバッテリーを外す、または「作動オフ」にしておく。

胸骨切開後はボーンワックスや電気メスで骨髄止血を補助。

胸腺組織の処理

胸腺組織を吸収糸(例:3-0バイクリル)で結紮・切離。
胸腺周囲の脂肪組織も必要に応じて除去し、心膜が十分露出するよう整えます。

心膜切開(しんまくせっかい)

  1. コッヘル鉗子やサクションを用い、視野を確保しながら心膜を切開
  2. 開いた心膜に針糸をかけて開胸器ホルダーで把持し、心臓全体を露出

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