「ペースメーカー」を使用している人が身近やご家族にいたり、身近にあるペースメーカー
しかし、ペースメーカーとは何かについてはっきりとは分からない方も多いのではないでしょうか
今回はペースメーカーについて解説していきます
ペースメーカーとは何か
正常な心臓では、右心房にある洞結節で発生した電気刺激が、心房筋➝房室結節➝ヒス束➝左右脚➝プルキンエ線維➝心室筋といった刺激伝導系を順に伝わり、心筋を収縮させています
洞結節から正常な刺激を発生できなくなったり、刺激伝導系の一部が障害されて末梢に刺激が伝わらなくなると十分な拍動が得られなくなります
ペースメーカーはこのような刺激の発生異常や、刺激伝導異常の心臓を直接電気刺激を行い、必要な拍動を維持しています
ペースメーカーの適応
ペースメーカーの植込みの適用には、洞結節(自然のペースメーカ)が正常に働いていない場合が挙げられます
具体的には以下が挙げられます
①洞結節からの電気刺激が起こらない、または起こりにくい
②刺激伝導系の途中が切れて、心室に興奮が伝わらないなどにより、脈が遅くなっている
ペースメーカーはこのような徐脈性不整脈における調律の異常を補整します
ペースメーカーの種類
ペースメーカーには大きく分けて「体外式ペースメーカー」、「植え込み式ペースメーカー」の二種類に分けられます
体外式ペースメーカー
静脈を通じて挿入されたカテーテル電極、または、心筋装着リード(一時ペーシングワイヤー)と接続して、不整脈発生時の応急対応、心臓手術後の患者の心拍コントロール、不整脈抑制の目的で用いられます
植え込み式ペースメーカー
長期にわたるペーシングが必要な場合、ペースメーカー本体を皮下または鎖骨下などに埋めこみます
植え込み式ペースメーカーの種類
植え込み式ペースメーカーにはモードがあり、大きく分けて①AAI ②VVI ③DDD ④MVPの4種類モードがあります
これら4種類のモードのように、設定を表すコードはアルファベット3文字で示され、それぞれが以下のような意味を示しています
1文字目=ペーシング部位:ペースメーカーが刺激する場所を示す
A=心房 V=心室 D=心房と心室の両方
2文字目=センシング部位 自己心拍(患者さん本人の心臓の動き、心拍)を感知する場所を示す
A=心房 V=心室 D=心房と心室の両方
3文字目=作動様式 自己心拍を感知したときにペースメーカーがどう反応するかを示す
I=自己心拍を感知した場合は、ペースメーカーからの電気刺激を起こさない
T=自己心拍を感知した場合であっても、同期してペースメーカーからの電気刺激を起こす
D=IとTの2つの機能を持ち合わせる
AAI(心房ペーシング)
ペーシング部位が心房なので人工的な刺激は心房にしか出せないモードです。つまり、心室は正常に動く人に使用できるモードです
心房が異常で心室は正常な徐脈性不整脈に用いられるモードのため、心房だけ人工的に動かした際に、もしも心室が動かなかったとしても、心室をペーシングすることはありません
VVI(心室ペーシング)
ペーシング部位が心室にあるモードです
このモードは、心房の動きに関係なく心室を人工的に動かします
DDD(心房心室ペーシング)
心房と心室の両方をペーシングするモードです
心房を動かした後に心室を動かすのでAAIやVVIと比較して一番、自然の心臓の動きに近いモードです
MVP(AAI⇄DDD)
MVPモードは最近新しく出てきたモードで、AAIにもなるしDDDにもなるモードです
基本は心房ペーシング(AAI)を行い、状況によって心房心室ペーシング(DDD)に切り替わるモードです
ペースメーカーは一生もの?
ペースメーカは電池で作動しているので、電池が少なくなると本体を交換する必要があります
ペースメーカーの電池が少なくなった場合の交換手術は、ペースメーカー本体のみを交換するため、短時間の手術となります
しかしリードに異常があった場合は、新しいリードを植込む必要があるため、やや手術時間を要するかもしれません
まとめ
意外と身近なペースメーカーについて解説しました🌟
ペースメーカーの使用をすすめられた方や、そのご家族の方など
参考にしていただけると幸いです😀
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