風邪を引いてから、鼻詰まりがなかなか良くならない・・・
鼻の奥が詰まっていて、頭が痛い・・・
鼻呼吸がしにくい・・・
もしかしたら「蓄膿症」かもしれません。
今回は蓄膿症について解説していきます🌟
蓄膿症(ちくのうしょう)とはなにか?
蓄膿症は「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」と呼ばれ、鼻水や膿を原因に、副鼻腔で炎症を起こしてしまう病気です
鼻の奥に存在する「副鼻腔」と呼ばれる場所は、ウイルスや細菌、ホコリなどを副鼻腔外へ除去しています
しかし、風邪やアレルギーをきっかけに、鼻の中にウイルスや細菌が入り滞留すると、鼻の粘膜が腫れ、炎症を起こしてしまいます
この腫れや炎症により、鼻腔内の通り道がふさがると、副鼻腔内に鼻水や膿が溜まってしまい、蓄膿症(副鼻腔炎)となってしまうのです
風邪の鼻炎と蓄膿症のちがい
風邪の鼻炎をきっかけに蓄膿症(副鼻腔炎)となることも多いですが、蓄膿症となっており鼻水が出る場合は、風邪の鼻炎よりもより粘着度が高く、ドロッとした鼻水となります
また、風邪の場合は発熱を伴う場合が多いですが、蓄膿症では発熱はありません
風邪では発熱やのどの痛み、関節痛など鼻炎以外の症状も出るのに対し、初期の蓄膿症ではそれらの症状がでることが少ないのが特徴です
しかし蓄膿症が悪化すると、副鼻腔内に滞留している膿や鼻水によって頭痛や耳の痛みなどが出現することもあります
鼻の奥はどんな構造になっている?
鼻の穴の部分である「外鼻孔」から咽頭までの空間を「鼻腔」と呼びます
外鼻孔から2cm程度の部分は皮膚で構成されており「鼻前庭」と呼びます
それより奥側は粘膜で構成され、鼻中隔という軟骨によって左右に分けられており、さらに鼻腔内は上鼻道、中鼻道、下鼻道に分けられます
鼻腔の奥側(頬・顔・目のまわりの骨)には骨内の空洞となっている空間があり、その部分を副鼻腔と呼びます
副鼻腔は「前頭洞」、「篩骨洞」、「蝶形骨洞」、「上顎洞」の空間から構成されています
蓄膿症の治療方法
内服薬による治療
- 抗菌薬:マクロライド系など
- 抗アレルギー薬
- 漢方薬
副鼻腔炎の原因が細菌の場合には抗菌薬が使用されます
また、これらの薬は組み合わせて内服していきます
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点鼻薬による治療
鼻腔内に薬剤を噴射する方法です
ステロイド点鼻薬の場合は、アレルギー反応や炎症を抑える効果があります
鼻洗浄(鼻うがい)
鼻洗浄には鼻中をうるおす効果や、かみきれない鼻水・粘着度の高い鼻水を洗浄する効果があります
広告内視鏡下副鼻腔手術(ESS)の流れ
麻酔についてや、手術前に外さなければならないものについては以下の記事を参考にしてください
鼻腔内の洗浄
- 鼻腔内を生理食塩水で洗浄します
- 手術中の鼻からの出血を防ぐために、アドレナリンを含ませたガーゼを鼻腔内に挿入します
- 手術用のドレープをかけます
- 鼻鏡を鼻にセッティングし、下甲介剪刀と呼ばれる鼻手術用のハサミを使用し、鼻毛を切ります
鼻腔内への局所麻酔
中鼻道周囲に浸潤麻酔を行います
鼻腔内を内視鏡カメラで映しながら手術開始
副鼻腔炎の原因となっている部分の開放を行います
開放する際は粘膜剪刀で、鉤状突起を切開し、えいひ鉗子で切開した鉤状突起を除去する流れで行います
また開放は以下の順で行います
- 前篩骨洞(第1基板、第2基板)の開放
- 前頭洞の開放
- 上顎洞の開放
- 後部篩骨洞の開放
- 第4基板の開放
- 蝶形骨洞の開放
止血確認と咽頭流下の確認
出血していないことを確認し、鼻腔内にガーゼを挿入して手術終了となります
まとめ
今回は蓄膿症(副鼻腔炎)について解説しました。
お困りの方はぜひ参考にしてください🌟
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