【胆嚢摘出手術の体験談】「実際の声」をオペ室看護師が紹介|女性に起こりやすい理由も解説!

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胆嚢摘出手術は非常にメジャーな手術であり、比較的短時間で終わる一方で、手術への不安を抱えている女性の方は多いのではないでしょうか。

このブログ記事では10年の現場経験を持つオペ室看護師が、胆嚢摘出手術について解説します。また、これまでの現場経験を元によくある体験談も紹介します。

これから手術を受ける方や不安がある方はぜひ参考にしてください。

胆嚢摘出手術を受けた後のよく聞かれる声を体験談から紹介

まずはじめに、胆嚢摘出手術を受けた方への術後訪問等で、よく聞かれる声を紹介させて頂きます。

  • 「おへその傷が痛かった」
  • 「傷がどのくらい残るか不安でしたが、実際は小さな跡だけでびっくりしました」
  • 「手術後しばらく右の脇腹が張るような感じがありました」

以下でそれぞれについてくわしく紹介します。

胆嚢摘出手術の体験談①「おへその傷が痛かった」

腹腔鏡手術では、おへその部分を小さく切って、手術で使うカメラや器具を入れるための筒(ポート)を挿入します。
そのため、手術後におへその傷が痛むと感じる方は少なくありません。

痛みがあるときは、医師の指示のもとで痛み止めを使用しますが、痛みの感じ方や薬の効き方には個人差があります。
「ちょっと我慢すればいいかな」と思っても、強い痛みを感じたときは遠慮せずに看護師へ伝えてください。

入院や手術は、それだけでも体にも心にも負担がかかります。
痛みを我慢してしまうと、回復が遅れたり気持ちが沈んでしまったりすることもあります。
安心して過ごせるように、気になることはその都度スタッフに相談して大丈夫です。

胆嚢摘出手術の体験談②「傷がどのくらい残るか不安でしたが、実際は小さな跡だけでびっくりしました」

「傷跡が目立ちにくいかどうか」を気にされる女性患者さんも多いですが、術後、時間が経つにつれて傷は薄くなり、目立ちにくくなっていきます。

穴を開け、そこからカメラや器具を入れて行うため、大きな傷を作らずに済みます。
患者さんの中には「おへそに小さな跡が残っただけで、思ったほど気にならない」という声も聞かれます。

胆嚢摘出手術の体験談③「手術後しばらく右の脇腹が張るような感じがありました」

これは、腹腔鏡手術でお腹の中に炭酸ガスを入れるために起こる一時的な症状です。ガスが体内に残ることで、右肩や脇腹のあたりに張り感や鈍い痛みを感じる方が多くいらっしゃいます。

通常は体の自然な働きで数日以内にガスが吸収され、痛みは徐々におさまります。
私たち看護師はこの不快感を理解したうえで、術後にできるだけ早く体を動かすこと(早期離床)や、ガスを抜くための体位変換などをお伝えしています。

痛みが強いときは無理をせず、我慢せずにスタッフへ声をかけてくださいね。痛み止めを上手に使うことで、回復がずっと楽になります。

「女性に多いの?」胆嚢摘出手術の疑問に回答

胆嚢摘出手術は女性に多い?

胆嚢摘出手術を受ける原因となる「胆石」は、女性に起こりやすいとされており、その理由の一つがホルモンの影響です。

女性ホルモン(エストロゲン)にはコレステロールを胆汁中に排泄させる作用があります。

エストロゲンの作用で胆汁中に過剰のコレステロールが排泄されると、胆汁は固まりやすくなりコレステロール結石が出来ます。

さらにプロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンには胆のうの平滑筋機能を抑える働きもあると考えられており、胆嚢の機能低下につながることがあります。

このように女性ホルモンの影響が胆石の原因の1つになっている可能性もあり、胆嚢摘出手術を受ける女性は多いです。

胆嚢って、取っても大丈夫なの?

基本的に、胆のうは取っても日常生活に支障はきたしません。

ただ胆のうが無くなると、胆汁が濃縮されないまま、十二指腸へ流れ出ていきます。

そのため、脂肪への消化吸収機能が低下し、下痢を起こすことがあります。

個人差がありますが、この症状は手術後3ヶ月前後で改善することが多いとされています。

胆嚢摘出手術の実際の流れ

ここでは、腹腔鏡手術での胆嚢摘出手術について説明していきます。

腹腔鏡用ポート挿入

乳頭から恥骨上部までの範囲を広く消毒した後、メスで小切開を加え、腹腔鏡手術に使用するポートを4か所程度挿入します。

胆のう位置確認〜胆管の周囲を剥離

お腹の中で胆のうの位置を確認し、周囲の組織を丁寧に剥がしていきます。次に、胆のうにつながる血管(胆のう動脈)を確認し、専用のクリップで留めたうえで切り離します。

最後に、胆のうを肝臓から少しずつ剥がしていきます。すべて腹腔鏡という細いカメラを使って行われるため、大きな傷を作らずに安全に進めることができます。

胆のう摘出

胆のうを取り除く際は、まずお腹に入れている小さな穴(ポート)から、胆のうを入れる専用の袋を挿入し、その中に胆のうを入れて体の外へ取り出します。

摘出後は、胆のうを外した部分からの出血がないかを丁寧に確認し、必要に応じて止血を行います。

胆嚢摘出手術の体験談まとめ

胆嚢摘出手術は、多くの方が無事に回復される安全性の高い手術です。
術後に不安なことや気になる症状があっても、「こんなこと聞いていいのかな?」と思わずに、どんな小さなことでも相談してほしいと思います。

※本記事は、手術室看護師としての経験と患者さんの声をもとにまとめています。内容は一般的な説明であり、個々の症状や回復経過には差があります。詳しくは主治医・看護師にご相談ください。

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