「気胸」という言葉はよく聞くけれど、実際にどんな病気なのか
ピンとこない方も多いのではないでしょうか?
これまで病気をしたことが無い方や、若い方にも起こりうる「気胸」について解説します⭐
気胸って、なに?
気胸(ききょう)とは、何らかの原因で、肺から空気が漏れてしまい、肺が潰れてへこんでしまう病気のことです
なぜそのような状態になってしまうかというと、
原因はいくつかありますが、喫煙や大気汚染などを原因に、肺の中にブラ(嚢胞)が形成され、
そのブラ(嚢胞)が破裂することによって、胸膜(肺を包んでいる膜)が破れます
胸膜が破れた状態を、気胸と言います
また、肺炎や交通事故などの外傷を原因に、胸膜が破れ、気胸となってしまう方もいます
気胸になったら、どんなことが体に起きる?
気胸になると、息をしづらい感じや、咳が出る、息苦しい、心拍数が上がりドキドキする感じなどの症状が出ます
気胸が起こりやすい人
原因は分かっていないのですが
気胸は「高身長のやせ型男性」によく起こる病気です
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気胸の治療
多くの方は、24時間以内に自然軽快しますが、症状が収まらない場合は治療が必要となります。
治療方法として、
- 胸腔ドレナージを行う
- 手術をする
この2つがあります
胸腔ドレナージとは、肺の外に漏れた空気を、体の外に出す処置のことです
そもそも「気胸」は肺と胸膜(肺を包む膜)の間に空気が溜まり、上手く呼吸ができず、苦しくなっている状態です
ドレナージといって、肺と胸膜の間に管を入れ、溜まっている空気を外に出すことで、呼吸を楽にします
これを胸腔ドレナージといいます
この胸腔ドレナージを行っても症状が良くならない場合に、手術を行います
気胸の手術【手術室へ入室〜麻酔がかかるまで】
手術当日は入院している病棟から歩いて、もしくはベッドに寝たまま手術室へ移動していきます
手術室に到着したら、まずはご本人確認で名前を答えたり、生年月日を答えたりします
次に、体に身に着けている物の確認です!
以下のものは手術前に外してもらいます☆
手術前に外しておくもの
指輪・時計・ヘアピン・ウィッグ・ピアスなど金属が入っているもの
➝手術中に使う電気メスにより通電するおそれがあるため
ジェルネイル・マニキュア
➝手術中に使う酸素の値を調べるモニター数値が出なくなってしまうため
コンタクトレンズ
➝全身麻酔での入眠時に角膜が傷ついてしまうため
確認が終わったら、いよいよ手術台の上に移動し、仰向けになります
そして、心電図のモニターや血圧計など手術に必要なモニターを付けていきます
モニターの装着が終わったら、いよいよ麻酔をかけていきます!
基本的には静脈麻酔と呼ばれる麻酔方法で麻酔をかけていきます
静脈麻酔とは、点滴から麻酔薬を投与していくことで、麻酔をかける方法のことです
麻酔がかかって、深い眠りになった後、手術体位がとられていきます
手術のときって、どんな体勢をとっているの?
なんとなく、手術のときは仰向けで手術されているイメージがある方も多いのではないでしょうか?
実は、実施する手術によって、患者さんは様々な体勢をとって手術がなされています
これを「手術体位」と呼びます
気胸の手術の場合は
まず手術する肺が右なのか、左なのかで変わります。
手術する肺が右肺の場合、
手術の時の体勢は『体の左側を下にした横向きの体勢』となり、
これを『左側臥位(ひだりそくがい)』と呼びます
反対に、左肺の手術の場合、手術の時の体勢は『体の右側を下にした、横向きの体勢』となり、これを『右側臥位(うそくがい)』と呼びます
気胸手術の流れ
手術体位もとられたら、いよいよ手術開始です
今回は気胸手術ではよく行われる『腹腔鏡での気胸手術』について解説していきます⭐
①術野の消毒
まずは、手術する部分の皮膚を消毒していきます
②皮膚切開、ポート装着
メスを使って、手術する部分の皮膚を切り、ポート(腹腔鏡手術で使う手術器具を体内に入れて操作するための筒)を3〜4本装着します
③肺のブラ(肺嚢胞)を探す
装着したポートから腹腔鏡手術用の鉗子(手術で使用するための器械)を入れて、気胸の原因となっているブラ(肺嚢胞)を探します
④ブラ(肺嚢胞)を取り除く
ブラ(肺嚢胞)を確認できたら、
医療用ステープル(組織を切り離すことのできる機械)でブラ(肺嚢胞)を取り除きます
⑤組織接着剤を肺に貼付
気胸の再発を予防するための組織接着剤を、手術した肺に接着します
⑥傷を閉じる
ポート用に皮膚に開けた穴を針糸で縫い合わせていき、手術終了です
無事、手術が終わり、麻酔から目が覚めたら、入院病棟に戻っていきます⭐
まとめ
気胸は若い人もなりやすく、
これまでに大きな病気をしたことがなくても、なりうる病気です
気胸と診断された方、またそのご家族の方なども参考にしていただけると嬉しいです!
ご一読ありがとうございました😊
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