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「手術する患者さんに、どんな言葉をかけたらいいのだろう?」
これは、手術室で働く看護師なら誰もが一度は悩むテーマです。手術を控えた患者さんは、不安・恐怖・緊張でいっぱい。そんなとき、私たち看護師のたった一言が、その心を軽くしてあげることができるのです。
この記事では、現役手術室看護師のオペ看めろんが、約10年間の現場経験から見つけた“本当に患者さんの心に届く声かけ”を、具体的なシーンごとにご紹介します。
患者さんの不安に寄り添い、安心を届けられる言葉を一緒に探してみましょう。

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手術に向かう患者さんが思うことは?
手術室へ向かう直前、患者さんの顔は強張り、言葉数も少なくなります。その沈黙の裏には、様々な思いが渦巻いています。
・このまま目が覚めなかったらどうしよう…
・手術が失敗するかもしれない…
・痛いのが怖い…
・家族に心配をかけてしまう…
患者さんにとって手術は、人生でも数少ない大きな出来事。
その緊張と不安は、私たちが想像する以上のものかもしれません。
だからこそ、看護師が「寄り添う気持ち」で言葉をかけることがとても大切です。何気ない一言でも、そのタイミングや伝え方によって、患者さんの心を支える力になるのです。
私はこれまで、数百人の患者さんと手術室で向き合ってきましたが、「あのときの看護師さんの言葉に救われました」と後から感謝の言葉をいただくことも少なくありません。
患者さんが安心して手術を受けられるように——。
それを支える“言葉の力”を一緒に見直してみましょう。
⦅前日に⦆手術する人にかける言葉
手術前日に入院するケースも多く、患者さんの不安が強くなる時期です。
手術の流れや注意点を丁寧に説明し、疑問や不安に耳を傾ける姿勢が大切です。「何か気になることはありませんか?」と声をかけ、安心して眠れるよう心理的サポートを行います。
また、術前準備(絶食・清潔保持など)の説明も、患者さんの理解度に応じて丁寧に行いましょう。
手術の前日に手術室看護師が術前訪問を行う場合など、以下のような言葉をかけています。
具体的な言葉の例
・「手術について分からないことや、聞いておきたいことはありますか?」
・「クラシックやJ-POPなど、リラックスしやすい音楽などはありますか?できる限り準備させていただきます」
・「何か不安なことがあれば、いつでも遠慮なく言ってくださいね」
・「今日はゆっくり休んでくださいね」
⦅当時の朝に⦆手術する人にかける言葉
手術当日の朝は、緊張や不安が最高潮に達しやすいタイミングです。
体調確認や最終確認事項の説明を行いながら、穏やかな表情で接することが大切です。患者さんの気持ちを落ち着かせるよう心がけましょう。
また手術当日の朝は、基本的に病棟看護師が手術患者さんと密に接するかと思います。
ここでは、病棟看護師など【患者さんと一緒に手術室へ向かう看護師】の言葉を紹介します。
具体的な言葉の例
・「おはようございます。体調はどうですか?」
・「これから手術前に必要な点滴の準備を進めていきますね」
・「手術は予定通り、○時ごろから始まる予定です。時間になったらお迎えにきますね」
・「何か気になることや、不安があれば遠慮なく言ってくださいね」
⦅入室から麻酔準備中に⦆手術する人にかける言葉
手術室へ入室したタイミングで、病棟看護師から手術室看護師へと引き継ぎが行われます。
それに伴い、患者さんはこれまで一緒にいた病棟看護師から、手術室看護師へと交代されるため、手術室看護師は【患者さんの緊張・不安を増強させない関わり】が重要です。
特に「手術室」という、普段馴染みのない環境の変化に伴い、不安感が強まる方も多いため、患者さんに合わせた声かけやタッチングを行い、不安軽減のための関わりを持ちます。
具体的な言葉の例
・「◯◯さんを担当させていただく、手術室看護師の△△です。よろしくお願いします」
・(前日に術前訪問に行って直接会った場合は)「◯◯さん、おはようございます。昨日、お伺いした△△です。よろしくお願いします」
・(手術ホールから手術室へ入室したら)「お部屋は寒くないですか?暖かい空気を送ることもできるので、遠慮なく言ってくださいね」
・「心電図や血圧計をつけさせていただきますね」
・「酸素マスクを顔の前に置かせていただきますね。流れているのは酸素なので、まだ眠くならないですからね」
⦅麻酔導入前に⦆手術する人にかける言葉
室内の寒さや機器の音に敏感になるため、「寒くないですか?」「私たちがそばにいますよ」と声をかけ、安心できる環境づくりを行います。
また「これから、眠って、いよいよ手術がはじまるんだな」と思う麻酔導入前には優しく声をかけ、リラックスして眠りに入れるようサポートします。
具体的な言葉の例
・「今から眠くなるお薬を使っていきますね。」
・「(プロポフォール使用時は)腕は痛みますか?しみるお薬をつかっていますが、後には残らないので、心配しないでくださいね」
・「手術(麻酔)終わったら、声かけますからね」
⦅手術後・麻酔覚醒直後から退室時に⦆手術する人にかける言葉
手術後の覚醒時は、意識が混濁して不安を感じやすい状態です。
まずは「無事に終わりましたよ」と穏やかに伝え、安心感を与えます。痛みや吐き気などの訴えにすぐ対応できるよう観察を行い、「痛みがあったらすぐに教えてくださいね」と声をかけながら、回復を見守ります。
具体的な言葉の例
・「◯◯さん、手術終わりましたよ。ゆっくり、深呼吸してくださいね」
・(麻酔覚醒後に抜管する際)「喉の管を抜くので、お口大きく開けてください」
・「お薬がまだ残っているので、少し眠たい感じがあると思います」
・「傷は痛みますか?」
・「どこか辛いところはありますか?」
・「気持ち悪いなどの吐き気はありませんか?」
・「これから病室に戻る準備をしていきますね。つけていた心電図や血圧計など外していきますね」
⦅病室に戻った直後に⦆手術する人にかける言葉
病室に戻った患者さんには、手術が終わった安堵感とともに新たな不安も生まれます。
体勢や痛みの確認を行い、「つらいことがあれば遠慮なく言ってくださいね」と声をかけましょう。手術中の経過や家族への報告内容を簡単に伝え、安心して休めるよう配慮します。
具体的な言葉の例
・「手術お疲れ様でした。お部屋に戻ってきましたよ。体勢など辛くないですか?」
・「傷の痛みなど気になることがあれば、すぐにナースコールしてくださいね。」
「ご家族にも連絡していますからね。今、病室に向かっているとのことですからね。」
手術する人にかける言葉に迷ったら
患者さんに何を言えばいいか迷ったとき、私はまず「共感すること」を意識しています。
▶「怖いですよね。必ず私たちが一緒にいます」
▶「初めての手術、不安ですよね。でも私もずっとそばにいますからね」
「大丈夫です!」とだけ言うよりも、「怖い」という気持ちにまず共感してあげることで、患者さんは安心感を得やすくなります。
患者さんの表情や態度に目を配り、その人が今、どんな気持ちでいるのかを想像しながら、寄り添った言葉を選ぶことが大切です。
「自分が患者さんだったら、どんな言葉をかけてほしいか」を考えながら、言葉を紡いでみましょう。
まとめ
手術を受ける患者さんは、誰もが不安を抱えています。
私たち看護師にできることは、完璧な言葉を探すことではなく、心からの“寄り添い”を伝えること。
その思いがこもった言葉は、患者さんの心に届き、安心と信頼を与えてくれます。
現役オペ室看護師として10年。私はこれまで、たくさんの患者さんと出会い、その声に触れてきました。だからこそ今、声を大にして伝えたいのは——
「あなたの一言が、患者さんの安心に変わる」ということ。
これからも、患者さんと向き合うすべての医療者が、優しい言葉でつながっていけますように。
もっと手術看護のリアルや現場の知恵を知りたい方は、ぜひ私のInstagramも覗いてみてくださいね。
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