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2020年8月に販売されたアネレムは、静脈麻酔での麻酔導入に使用されています。
一方で「プロポフォールとの違いは何だろう?」「どのように使い分けているのだろう?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アネレムとプロポフォールの違いや、使用方法について解説します。
また記事後半では、実際の臨床場面で使用した際のアネレムへの印象も紹介します。
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アネレムとプロポフォールの違いは?
アネレムとプロポフォールの特徴はそれぞれ以下のとおりです。
【アネレムとプロポフォール】作用機序の違い
- アネレム: GABA受容体に作用し、また他の受容体にも影響
- プロポフォール: 主にGABA受容体を介して作用
【アネレムとプロポフォール】代謝の違い
- アネレム: 肝臓で代謝され、腎臓から排泄
- プロポフォール: 主に肝臓で代謝、一部は肺からも排泄
【アネレムとプロポフォール】効果発現と回復の違い
- アネレム: プロポフォールよりやや遅い
- プロポフォール: 効果発現が速く、回復も早い
【アネレムとプロポフォール】副作用の違い
- アネレム: 呼吸抑制が比較的少ない
- プロポフォール: 血圧低下や呼吸抑制のリスクがやや高い
【アネレムとプロポフォール】使用方法の違い
- アネレム: 単回投与や持続投与が可能
- プロポフォール: 通常は持続投与で使用
プロポフォールではなくアネレムを使う場面は?
高齢患者や心機能が低下している患者に対してアネレムを選択する理由は以下のとおりです。
- 循環動態への影響:
アネレムはプロポフォールと比較して、血圧低下や心拍出量の減少が少ない傾向があります。これは心機能が低下している患者にとって重要な利点です。 - 呼吸抑制:
アネレムはプロポフォールよりも呼吸抑制が軽度です。高齢者は呼吸機能が低下していることが多いため、この特性は有益です。 - 代謝と排泄:
高齢者では肝機能や腎機能が低下していることがありますが、アネレムはプロポフォールと比較して、これらの機能低下の影響を受けにくいとされています。 - 回復時間:
アネレムは覚醒時の精神運動機能の回復が比較的速いとされ、高齢者の術後回復に有利な場合があります。 - 薬物相互作用:
高齢者は多剤併用が多いため、薬物相互作用のリスクが低いアネレムが選択されることがあります。
実際にアネレムを使用した際の印象
アネレムは期待通り、血圧低下が少なく高リスク患者や高齢者の麻酔には良いといえます。
一方で、半減期は早いとされていますが、覚醒時にはプロポフォールのようにスッキリ目が覚めることは少なく、抜管後も眠気が残っている印象です。
アネレムとプロポフォールの違いのまとめ
アネレムは、高齢者や心機能低下患者に使用しやすく、プロポフォールは一般的に広く使用される、という違いがあります。
またアネレムは血圧低下や呼吸抑制が比較的軽度で、高齢者や心機能低下患者に有利です。
一方、プロポフォールは効果発現と回復が速いですが、血圧低下と呼吸抑制のリスクが高めです。
アネレムは脳保護作用の可能性があり、代謝・排泄が緩やかです。これらの特性を考慮し、患者の状態や手術内容に応じて適切な薬剤が選択されます。
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