手術室看護師の仕事内容と夜勤のリアル|器械出し・外回りの役割とやりがい

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手術室看護師と聞くと「夜勤がないんでしょ?」「ただ器械を渡しているだけでしょ?」というイメージを持たれることがあります。

しかし実際には、手術室看護師の仕事内容は非常に奥深く、夜勤やオンコール体制もあり、専門的な知識と判断力が求められます。

私自身も新人の頃は「病棟と違って患者さんと関わらないのかな?」と感じていましたが、実際に働くとその印象は大きく変わりました。ここでは、手術室看護師の仕事内容や夜勤の実際、器械出し・外回りの役割、緊急手術対応や患者との関わりについて、現場での経験を交えながら詳しく解説します。


手術室看護師と夜勤の関係

病院によって異なる夜勤体制

「手術室看護師に夜勤はあるの?」とよく聞かれます。答えは「病院によって異なる」です。

大学病院や救急搬送を積極的に受け入れている総合病院では、夜勤体制が組まれていることが多く、夜間でも2名程度の看護師が手術室に待機しています。予定手術が長引くこともあれば、夜中に消化管穿孔などの緊急手術が飛び込んでくることもあります。

一方で、地域の中小病院などでは夜勤がなく、オンコール体制が主流のこともあり、オンコールの日はスマホを手放せない緊張感を感じることもあります。

夜勤・オンコールのリアルエピソード

ある日の夜勤中、深夜1時に開頭血腫除去術の緊急手術申し込みが入りました。

器械出しを担当することになった私は、開頭手術用の器械台作成を急いで行い、

手術中は医師の指示を聞き逃さないよう必死で集中しながらも、「この一瞬の判断が患者さんの生死に関わる」と実感しました。

手術が無事終了し、患者さんが集中治療室に搬送される姿を見送ったときの安堵感は今でも忘れられません。

夜勤やオンコールは体力的には大変ですが、こうした「命を救う現場に立ち会える」という手術室看護師ならではのやりがいがあります。


手術室看護師の役割

器械出し看護師の仕事内容と体験談

器械出し看護師は、清潔野に入り、医師に手術器械をタイミングよく正確に渡す役割を担います。例えば「メス」「鉗子」と声がかかる前に、次に必要となる器械を予測して準備する力が求められます。

新人の頃、私は「次に必要なのはどの器械か」を予測できず、医師から「早く!」と声をかけられて焦ったことがありました。しかし、経験を重ねて術式の流れが読めるようになると、医師が言葉にする前に器械を渡せる瞬間が増えました。

器械出しはただの「物を渡す人」ではなく、手術の流れをコントロールし、医師のパフォーマンスを最大限に引き出す重要なポジションです。

外回り看護師の仕事内容と体験談

外回り看護師は、清潔野の外から手術全体を支える存在です。麻酔科医と連携して薬剤を準備したり、術中に必要となった器械を速やかに用意したりします。また、患者の全身状態を観察し、異常があれば即座にチームに共有するのも大切な役割です。

私が外回りを担当していた時、心臓血管外科の手術中に患者さんの血圧が急激に低下したことがありました。すぐに麻酔科医へ報告し、昇圧剤の準備を行い、医師に必要物品を届けるなど、まさに「走り回る外回り」でした。その対応がスムーズにできた時、手術が安全に進むための一端を担えたと感じ、達成感がありました。


緊急手術と臨時対応

救急搬送から手術までの流れ

緊急手術は想定外の連続です。患者さんが救急外来から搬送されてきて「すぐに開腹します」と判断されたら、わずか数分で手術室を立ち上げなければなりません。

ある夜、消化管穿孔の患者さんが搬送され、手術が決まったのは到着から10分後。私は外回りとして、物品準備や手術同意書の確認、家族への説明補助などを並行して行いました。手術室が「戦場」と呼ばれるのは、このスピード感が理由の一つです。

臨時手術の大変さと学び

臨時手術は準備時間が短いため、経験豊富なスタッフが中心となり、新人はサポートに回ることが多いです。しかし、こうした場面での観察や補助は大きな学びになります。

私も新人時代、臨時の帝王切開に急遽入ったことがありました。母体と胎児の命がかかった状況で、医師や助産師、麻酔科医が一斉に動く姿に圧倒されました。


術前訪問と患者との関わり

外回り看護師による術前訪問の実際

手術室看護師は患者と関わる時間が少ないと思われがちですが、術前訪問は重要な役割です。患者さんは「明日手術を受ける」という不安を抱えています。そこで外回り看護師が訪問し、当日の流れや注意点を説明することで安心につながります。

私が訪問したある患者さんは「オペ室って冷たくて怖いイメージがある」と話していました。私は「明日は私が一緒にいますよ」と伝えると、表情が少し和らぎました。翌日、その患者さんが私の顔を見つけて「来てくれてよかった」と声をかけてくださったとき、患者との信頼関係の大切さを強く実感しました。

患者の安心を支える工夫

マスクやキャップで顔が隠れる手術室では、患者にとって看護師を見分けるのは難しいです。だからこそ、術前訪問で「顔を合わせて声をかける」ことが大事です。新人にとっても、患者さんとの信頼関係を築くこの経験は大きな成長の一歩になります。


まとめ|手術室看護師の魅力とやりがい

手術室看護師の仕事内容は、夜勤やオンコール体制、器械出し・外回りの役割、緊急手術への対応、術前訪問など幅広い業務に及びます。表面的には「器械を渡す人」と思われがちですが、実際には患者の安全を守り、チーム全体をつなぐ中心的な存在です。

夜勤や緊急対応は大変ですが、その分だけ「命を救う瞬間に立ち会える」という他では得られないやりがいがあります。手術室に興味を持つ看護学生や新人看護師にとって、最初は戸惑うことも多いでしょう。しかし経験を重ねることで、判断力やチームワーク力、先を読む力が磨かれ、看護師として大きく成長できる分野です。

オペ室での経験は必ずキャリアの強みになります。興味がある方はぜひ挑戦してみてください。


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