『手術室看護師ってどんな仕事?』器械出し看護・外回り看護の役割&手術看護の一連の流れを解説!

麻酔・外回り看護
この記事は約42分で読めます。

・「急に❝手術室❞に配属になってしまった・・・」

・「手術看護に興味がある!」

・❝手術看護❞って漠然としていてよく分からない‼

・手術看護ってどんな看護なのか具体的に知りたい

このように思う看護師の方も多いのではないでしょうか?

今回は「手術看護の一連の流れ」に沿って、

手術室看護師はどのような仕事をしているのかについて解説していきます!

この記事を読むと

✅手術看護の役割

✅手術室看護師の具体的な仕事内容

について分かります!

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手術室看護師の役割とは

手術室看護師は、

患者が「安全・安楽に手術が受けられること」と、

「周手術期を通して継続した看護を受けられること」を目標に

手術看護を行っています。

手術室看護師には「器械出し看護」と「外回り看護」の2つの役割があり、以下でそれぞれについて解説していきます。

器械出し看護とは?【手術室看護師の役割】

器械出し看護とは、手術を行う医師へ器械を渡す役割を持っています。

具体的な器械出し看護の内容は

①患者情報を把握した上で、手術前に必要な器械や医材を準備する

②手術中は手術野から先を予測し、必要な器械や医材を渡すことで、安全でスムーズな手術操作の手助けを行う

などが挙げられます。

外回り看護とは?【手術室看護師の役割】

外回り看護とは、患者が安全に手術を受けるための術中看護を行う役割を持っています。

具体的な外回り看護の内容は

①手術前までに、術式(手術内容)に合った手術ベッドの作成を行う

②カルテや術前訪問から、手術前までに手術を受ける患者の情報収集を行う

③患者入室時等に、患者の手術への不安や恐怖を軽減できる関わりを行う

④手術中の患者バイタルサインを把握する

⑤手術野で起きたトラブル等にスムーズに対応する

⑥手術野において追加で必要になった器械や医材を、器械出し看護師へ渡す

などが挙げられます。

手術看護の一連の流れ【手術室看護師の具体的な仕事内容】

手術前日~手術当日にかけて行う手術室看護師の具体的な仕事内容について一連の流れを説明していきます。

またここでは全身麻酔の場合を例にしており、「外回り看護」の役割をメインに記載しています。

手術前日:術前訪問へ行く

手術前日、もしくは手術前までに「術前訪問」として、

実際に手術を受ける患者の病室へ、手術室看護師が訪室します。

術前訪問では以下のようなことを行います

術前訪問で行うこと

・手術を受ける患者の話や訴えを聞き、手術への不安軽減を行う

・インフォームドコンセントの状況や、患者の❝手術への受け止め❞を確認する

・手術室入室の流れについてなどの手術前オリエンテーションを行う

・手術体位によっては、手術後に体の一部が痛くなることを説明する

また、術前訪問には「患者と面識を持ち、良好な関係を構築する」という目的もあります。

手術前日:手術看護計画の立案

患者カルテから収集した情報や、

術前訪問で得た情報から手術看護計画を立案します

手術看護計画では

・患者手術への不安や恐怖などの心理状況のアセスメント

・手術体位・手術時間・患者皮膚状態・栄養状態からの術中皮膚トラブル・神経損傷リスクのアセスメント

・手術中の体温管理へのアセスメント

などのアセスメントに基づき、立案します

患者の手術室入室時:病棟看護師から申し送りを受ける

手術当日は、術前訪問を行った看護師や、その他手術室看護師で

手術患者を迎えます。

また、入室時は以下のことに注意します

・手術患者の取り違え(実際に手術を受ける患者と違う患者を受け入れてしまうこと)

・絶飲食が守られているかどうか

・入れ歯や指輪などが外されているかどうか

くわしくは以下の記事も参考にしてください。

患者の手術室入室後:麻酔導入のための準備

①患者の手術室入室後は、実際に手術を行うベッド上に寝てもらい、心電図モニターや血圧計など手術に 必要なモニター類を装着していきます。

②麻酔導入のための点滴静脈ルートを確保します。

③硬膜外麻酔を行う場合は、全身麻酔を行う前に実施します。

麻酔導入の開始(麻酔科医師の介助を行う)

①酸素マスクを患者の口に当て、全身の酸素化を行います

②点滴静脈ルートから麻酔薬の投与を開始します

麻酔薬にはフェンタニル・プロポフォール・レミフェンタニル・ロクロニウムなどがあります

麻酔導入に関してくわしく知りたい方は以下も参考にしてください。

気道確保&気管内挿管(麻酔科医師の介助を行う)

①麻酔導入薬が効いたらマスク換気を開始します

挿管実施時に酸素投与されない時間があるため、酸素低下リスクが高まります。

そのため挿管実施前にマスク換気にて、できる限り酸素化を行っておきます。

②患者酸素濃度が100%となった時点で、気管内挿管を行います。

気管内挿管の利点としては

・気道確保されるため舌根沈下、喉頭痙攣、胃内容物逆流による気道閉塞がない

・調節呼吸が簡単

気管内挿管の欠点としては

・挿管による機械的損傷

・術後の喉頭浮腫

・嗄声

が挙げられます

患者への麻酔導入後:必要なラインの確保・手術体位固定を行う

①麻酔導入・挿管後は手術中に必要なラインの確保を行います。

手術中に必要なラインには

・膀胱内留置カテーテル

・体温センサー(膀胱温・食道温・直腸温)

・胃管

・中心静脈カテーテル

・観血的動脈圧モニター

などが挙げられます。

②手術体位固定を行います

麻酔導入後は手術体位固定を行います。

手術体位固定時のポイントについては以下の記事を参考にしてください。

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手術の開始~手術終了(手術中の看護を行う)

①手術中の患者バイタルサインを観察します

手術中は

・呼吸動態(気道内圧の上昇と低下・SpO2の低下・EtCO2の上昇)

・循環動態(徐脈や頻脈、不整脈・出血性ショック)

・体温管理(シバリングなどの低体温・悪性高熱症などの高体温)

・体位変換時の呼吸循環の異常や神経圧迫の有無

②体内遺残の防止

ガーゼカウントや器械カウントを行い、

術野で使用した器械や、ガーゼなどの医材が体内に遺残していないことを確認します。

麻酔覚醒・抜管(麻酔科医師の介助を行う)

手術終了後は麻酔覚醒を行い、抜管します。

抜管の条件は

・自発呼吸(分時換気量が十分で補助呼吸が必要ない)が見られること

・嚥下運動や気管内吸引時の咳嗽反射があること

・指示に従うことができること(開口や舌出し、開眼できる、離握手ができるなど)

となります。

手術室退室の準備・患者退室後に病棟看護師へ申し送りを行う

①手術室退室の準備を行います

手術室退室基準は

・循環動態が安定していること

・自発呼吸が十分で安定していること

・創痛が自制内であること

となります。

②患者退室後は病棟看護師へ申し送りを行います。

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『手術室看護師ってどんな仕事?』まとめ

今回は、手術室看護師の役割【器械出し看護・外回り看護の役割】と、手術看護の一連の流れを解説しました。

・急に手術室に配属されてしまい、不安を感じている看護師の方や、

・手術看護ってどんな看護なのか具体的に知りたい方は

ぜひ記事を参考にしてください!

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