オペ室の人間関係がつらい。現役10年目オペ看が本音で語りました。

楽しく働く
この記事は約5分で読めます。

※この記事はPRを含みます

手術室で働く中で、多くの看護師が直面する悩みの一つが「人間関係」です。
「オペ室は好き。でも、人間関係がつらくて…」
これは私のもとによく寄せられる声であり、私自身も新人時代から何度も感じてきたことです。

病棟と比べても独特な雰囲気があるオペ室。今回は、そんなオペ室の人間関係について、現役10年目オペ看の視点から本音で語ってみたいと思います。


オペ室特有の空気感とは?

まず大前提として、オペ室には他の部署にはない独特の空気感があります。
病棟から異動してきた人、新卒で配属された人、誰しもが最初に感じるのは「文化の違い」です。

オペ室は高度に専門的で緊張感のある現場です。そのため、どうしても経験年数の長い人、声が大きく影響力を持つ人の意見が“絶対”になりやすい傾向があります。もちろん、緊急時や判断が求められる場面では経験者の指示が命を救うことにつながります。

しかし一方で、発言力の強い人の意見に周囲が従うばかりになってしまうと、若手や異動してきたばかりの人が意見を言いにくい雰囲気が生まれてしまいます。

この「声を出しにくい空気感」が、オペ室の人間関係を難しくしている大きな要因の一つだと感じています。


「悪循環」が生まれる背景

オペ室に入ったばかりの新人や異動者にとって、最初の壁は「人にどう接してもらえるか」です。

丁寧に教えてもらえれば、その経験をもとに自分も後輩へ丁寧に教えることができます。逆に、厳しい指導やパワハラのような対応を受けると、それを「当然の文化」として受け継いでしまう人もいます。

「私もこうやって育てられたから」と同じやり方を繰り返してしまう悪循環。これが人間関係をより複雑にし、後輩の心をすり減らしてしまうのです。

もちろん、厳しさが必要な場面もあります。しかし「厳しい=正しい」ではありません。厳しさの中に思いやりやフォローがなければ、ただの負担になってしまうのです。


声を上げにくい現実

私自身、新人さんや2年目の子から「人間関係がつらいです」と相談を受けることがあります。その時、話を聞いて共感してあげることはできますが、現場の組織全体を変えるのは難しいのが現実です。

「これはおかしい」と上司に伝えることは可能です。しかし、大きな組織の中で個人の声がすぐに反映されることは少なく、時にかき消されてしまいます。

この現実に直面するたびに、私は「外からの発信」の大切さを感じます。SNSやブログを通じて声を届けることで、同じように悩む人に「一人じゃない」と思ってもらえる。さらに、少しでも考え方や指導のあり方に変化が生まれれば、それが良い循環のきっかけになると信じています。


正しい意見は一つではない

オペ室では「経験豊富な人の意見が絶対」という空気ができやすいですが、人間である以上、誰の意見も常に正しいわけではありません。

大切なのは、立場や経験年数に関わらず、一人ひとりが冷静に考え、自分の意見が絶対ではないと自覚することです。強い立場にいる人も、新人も、それぞれが「自分の考えは一つの意見にすぎない」と意識できれば、もう少し柔らかな関係性が生まれるのではないでしょうか。

しかし現実には、強く発言している人ほど自覚がない場合が多いものです。ストレートに「あなた間違っています」と伝えても、反発を招くだけで終わってしまうことも少なくありません。だからこそ、まずは「気づきのきっかけ」を作ることが重要なのだと思います。


管理職も悩んでいる

人間関係の問題は、決してスタッフ同士の摩擦だけではありません。実は管理職の方々も深く悩んでいます。

「影響力の強い人をどう扱うのか」
「人としてどう管理していくのか」

こうした課題は、管理職にとって大きなストレスです。現場で働いていても、管理者が人間関係のバランスに神経をすり減らしている様子が伝わってくることがあります。つまり、この問題は現場の一人の声だけでは解決できず、組織全体で考えていくべきテーマなのです。


「気づき」が第一歩になる

人間関係を改善するには、結局「本人が気づく」ことが第一歩です。
厳しい指導を繰り返している人も、やる気がないように見える新人も、外から強制されて変わることはありません。

心がいっぱいいっぱいの時、壁を作っている時、「自分は正しい」と思い込んでいる時に何を言っても耳には入りません。だからこそ、その人自身が内側から気づくしかないのです。

私にできることは、その「気づきのきっかけ」を提供すること。ブログやSNSで発信を続ける理由は、まさにここにあります。読んでくれた人の中で「少し考えてみようかな」と思う人が一人でも増えれば、それが良い循環につながると信じています。


理想論かもしれないけれど

こうした話は、理想論だと感じる方もいるかもしれません。確かに、現場の空気を一気に変えることは難しいです。それでも、少しずつでも働きやすい環境に近づけることはできると思います。

「オペが好き。でも人間関係がつらい」
そう思って辞めてしまう人が少しでも減るように。
「オペ室で働いて楽しい」と思える人が増えるように。

私はこれからも発信を続けていきたいと思っています。


まとめ

オペ室の人間関係は、独特の空気感や文化から複雑になりやすいものです。
・経験豊富な人の意見が絶対になりやすい
・悪循環的な指導スタイルが引き継がれてしまう
・声を上げにくい現実がある
・管理職も人間関係に悩んでいる

こうした問題に対し、私ができることは「気づきのきっかけ」を提供することです。理想論に聞こえるかもしれませんが、小さな気づきの積み重ねが、オペ室をより働きやすい場所に変えていくはずだと信じています。

オペ室の人間関係で悩む方へ、この文章が少しでも支えになれば幸いです。


コメント

タイトルとURLをコピーしました