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「円錐切除術後はしんどい?」「円錐切除術後の安静期間の過ごし方を知りたい」など円錐切除術について様々な不安や疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
このブログ記事では、現役オペ室看護師が8年間の現場経験に基づき、円錐切除術に関する多くの疑問について回答します。
円錐切除術を受けることに不安のある方や、手術後について知りたい方はぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
✅ 円錐切除術後がしんどい理由3つ
✅ 円錐切除術後の「安静期間」がなぜ必要なのか?について
✅ 安静期間を楽しく過ごすコツ
また円錐切除術後は安静期間が必要なため、「寝たきりでは何もできないのだろうか」「じっとしているだけだと鬱々とした気分になるのではないか」など不安に思う方も多いのではないでしょうか。
以下の記事では「寝たきりでもできる暇つぶし方法」について紹介しています。
ぜひ参考にしてください。
円錐切除術後はしんどい?3つの理由を紹介
円錐切除術の手術時間は15~30分と短い手術でありながら、手術後は「しんどい」と感じることがあります。
具体的には、
- 微量の出血量が2~3週間続く
- 股関節に痛みがある
- 入院期間が意外と短く、1人きりで退院するケースが多い
などがあります。以下でそれぞれについて詳しく解説していきます。
【円錐切除術後がしんどい理由①】微量の出血量が2~3週間続く
円錐切除術後の出血量とは?
手術直後は、切除した断端から浸出液(組織から漏れ出るもの)や微量の出血が見られますが、自然なことのため心配はいりません。
しかし微量の出血は手術後2~3週間程度続きます。
円錐切除の術後合併症「術後出血」について
術後出血は円錐切除術の合併症であり、早期出血と晩期出血に分けられます。
【早期出血とは?】
円錐切除術後24時間以内に起こる出血
【晩期出血とは?】
円錐切除術後24時間が経過してから起こる出血
晩期出血は、切除した子宮頸部の断端の壊死組織が脱落することで起こり、多くは手術後7~11日目にみられます。
頻度は10%前後とされていますが、出血量によっては再縫合(手術部位を針糸で縫い直すこと)や、輸血を必要とするケースもあります。
<参考文献:研修医のための見える・わかる外科手術>
生理2日目よりも多い出血は注意が必要!円錐切除術後の異常な出血量とは?
円錐切除術後7~11日目に多い出血の場合、まれに輸血を要するほど多量となるケースがあります。
退院してから「生理2日目よりも多い量の出血」がある場合や、出血が続く場合は迷わず受診しましょう。
円錐切除術後に生理が来ない場合も注意が必要!子宮頸管狭窄の可能性も?
術後に出血量が多い場合は気にする必要がありますが、円錐切除術後にしばらく生理が来ない場合も注意が必要です。
術後の月経困難症は、子宮頸管狭窄と呼ばれる円錐切除術の合併症をきたしている可能性があります。
「生理痛が以前より強くなった」「手術前まで生理が順調に来ていたのに、円錐切除術後に来なくなった」などという方は病院受診をおすすめします。
【子宮頸管狭窄とは?】
子宮頸管狭窄とは手術した部位の子宮頸管が狭くなり閉鎖してしまう状態のことであり、生理痛の増強や無月経は症状の徴候です。
術後の子宮頸管狭窄の頻度は0~3%とされており、まれに子宮頸管閉鎖により子宮瘤血腫を伴う子宮性無月経が起こることもあります。
【円錐切除術後がしんどい理由②】股関節に痛みがある
円錐切除術後に股関節が痛くなる理由とは?
股関節が痛くなるのは、「砕石位(さいせきい)」という体勢で手術を受けるためです。
円錐切除術はおすその手術のため、安全に手術操作を行うために、両足を広げる姿勢をとります。この姿勢を「砕石位(さいせきい)」と呼びます。
(産婦人科外来にて、医師による内診時に取る姿勢と同じです。)
手術中はこの砕石位となるため、股関節に痛みが出ることがあります。
円錐切除術の流れを分かりやすく解説
円錐切除術の具体的手術手順は以下の通りです。
- 手術室にベッド・ストレッチャーで向かいます
- 手術室に到着したらご本人確認のために【名前】【生年月日】【血液型】【受ける手術名(円錐切除術)】を答えます
- 心電図モニターや血圧計を装着します麻酔がかかり、眠りにつきます(ここから意識は無くなります)
- 消毒を行い、円錐切除術開始となります
- レーザーを使用し子宮頸部を全周性に切り取ります
- 子宮内へネラトンカテーテルと呼ばれるチューブを挿入して手術終了となります
- 麻酔を覚まし、入院病棟へ戻ります
以下の記事は手術室看護師向けの手術解説手順ですが、自分や家族が受ける手術手順について詳しく知りたいという方はぜひ参考にしてください。
【円錐切除術後がしんどい理由③】入院期間が短く1人で退院することも
子宮頸がんに対する円錐切除の入院期間とは?
子宮頸部円錐切除術を行う際の入院期間は、通常2泊3日であることが多く、クリニックや病院によっては日帰りで行うところもあります。
また午前中の退院となることが多いため、お迎えの家族の都合がつかず、1人きりで退院するケースも多いでしょう。
そのため入院の荷物はできる限り減らしていくのが良いでしょう。
円錐切除後の入院期間が長くなるケースはある?
手術後、翌日に出血がなければ退院となるケースが多いですが、切除後の子宮頸部の組織は露出している(むき出しの状態となっている)ため、急に出血する可能性もあります。
そのため、手術後に急に出血してきた、血の塊が出てきたなどという場合は、円錐切除後の入院期間が長くなります。
しんどい円錐切除術後に安静期間でできることとは?
なぜ円錐切除術後に安静期間が必要?手術後7~11日目は要注意
退院したばかりの場合、手術で切除した子宮頸部の組織は露出している(むき出しの状態となっている)ため、まだ出血してしまう可能性があります。
特に手術後7~11日目の場合は出血が多くなりやすい傾向にあるため、無事に退院した後でも数週間は安静にする必要があります。
円錐切除術後の安静期間を楽しく過ごすコツとは?
手術が終わり無事に退院しても、傷口はまだ完全に治りきった状態ではないため、自宅での安静期間がしばらく必要となります。
さらに円錐切除術後からさほど日数も経過していないため、体はまだしんどい状態です。
そのため、「退院しても入院中のような生活なのではないか」「寝たきりのままできることはあるだろうか」と不安に思う方は多いのではないでしょうか。
しかし、安静にしてなければならない期間も楽しむ方法はたくさんあります。
以下のブログでは「寝たきりでも楽しめる暇つぶし」を紹介しています。
入院中の暇つぶしをメインとしたブログ記事ですが、円錐切除術後の安静期間にできる暇つぶし方法にも共通しているため、ぜひ参考にしてください。
しんどい円錐切除術後でも安静期間にできることは多い!
このブログ記事では、円錐切除術後のしんどいと感じる理由3つと、安静期間の必要性を解説しました。
円錐切除は術後の安静が非常に重要です。
円錐切除術を受けることに不安のある方や、手術を受けることに迷いがある方はぜひ参考にしていただけると幸いです。
またその他の産婦人科手術について、以下の記事ではシロッカー手術について解説しています。気になる方はぜひ参考にしてください。
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