男の子のお子さんが産まれてから数か月経過したころ、だいたい100人に1~3人の割合で息子さんが停留精巣と診断されることがあります
男の子の先天的な疾患の中でもっとも頻度の高いもので、場合によっては手術が必要となる場合があります
「お子さんの精巣が降りてきていない」、「停留精巣かもしれない」と言われたお母さん、お父さんはぜひ参考にしてください🌟
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「ていりゅうせいそう」って何?
停留精巣(ていりゅうせいそう)とは陰のうの中に精巣(睾丸)が入ってない状態のことです
そもそも精巣は、お母さんのお腹の中にいる間に発生します
出生近くになると、腎臓あたりから、太ももの付け根あたりにある「そけい管」と呼ばれる部分を通って陰のう内まで下降していきます
精巣の下降が不完全で陰のう内で触れない状態を「停留精巣」といい、
生後6ヶ月までは自然に精巣が降りてくる場合がありますが、1歳以降は自然に精巣が降りてくることはなくなります
かならず治療が必要?
停留精巣の治療には以下のメリットがあります
万が一、精巣癌になった場合の早期発見につながる
停留精巣では正常に下降している精巣よりも、思春期以降に精巣癌となる割合が高いという見解もあるようですが、国内で明確なデータを示すものは無いようです
そのため、停留精巣の治療が必ずしも精巣癌の発生を抑えるとは今のところは言い切れません
しかし、精巣を自分で陰嚢の中に触れることが出来る場合は、万が一精巣癌になった場合でも早期に癌を発見できることにつながります
精巣癌は完治できる確率の高い癌のため、「早期発見」が重要になります
停留精巣の治療を行い、精巣を陰のう内まで降ろすことが
今後この精巣癌の早期発見につながります
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お子さんの精子形成能力を保つ
治療を行うことにより、思春期以降の将来の精子形成の能力を良くできる可能性があります
外観(見た目)を整えることができる
治療することにより、生殖器の外観を整えることができます
男の子の成長発達過程には重要なことになってきます
そけいヘルニアとなるリスクが減る
停留精巣ではそけいヘルニア(脱腸)を合併している場合が多くあります
停留精巣の治療過程でこのヘルニアも治療されるため、今後、そけいヘルニアとなるリスクが減ります
ヘルニアについては以下のリンクで詳しく記述しているため、ぜひ参考にしてください
手術をするなら、どんな手術をするの?
精巣固定術(せいそうこていじゅつ)
太ももの付け根あたりで精巣を触れることができる場合は、この精巣固定術を行います
精巣固定術は以下の手順で行います
- 太ももの付け根(そけい部)を小さく切開します
- 精巣を見つけ、精巣にくっついている組織を剥がします
- 精巣を陰のうまで自然な状態で伸ばします
- 陰のうの袋部分へ精巣を入れ、糸で固定します
内視鏡カメラでの腹腔内確認
太ももの付け根などで、皮膚の上から精巣に触れることができない場合は、まずはお腹の中を内視鏡のカメラで確認することを行います
精巣が非常に小さく、精巣としての機能がほとんど無い場合などは、精巣を取り出す手術を行う場合があります
子どもに麻酔をかけてもだいじょうぶ?
まだ生まれたばかりの小さなお子さんに麻酔をかけることに対して、不安を感じる方もいらっしゃると思います
子どもへの麻酔については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください
まとめ
お子さんに手術を行うことや、麻酔をかけることはとても不安なことかと思います
ぜひ、少しでも参考になれば幸いです🌟
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