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ある日突然「手術室へ異動してください」と言われ、戸惑いや不安を抱えている人は少なくありません。
経験はあるけれどオペ看護の知識はない。年齢もいっているから学びなおすのがツラい。子育てをしながら働いているから無理がきかない。そんな思いを抱えながら日々を過ごしているあなたに向けて、私なりの視点とアドバイスをまとめてみました。この記事は、あなたが迷いの中でも少しでも歩みを前に進められるよう応援する気持ちを込めて書いています。
“オペ室異動”という転機をどう受け止めるか
長年病棟でキャリアを築いてきた人ほど、突如オペ室に移されることに強い違和感を覚えるでしょう。経験や自信を持っているのに、「未知の世界に投げ込まれた」ような感覚。そこから、戸惑いや葛藤、自己否定の思いが湧き上がるのは自然なことです。
「看護キャリア」に対する揺らぎ
これまで指導者や先輩として動いてきた立場から、一転して“初心者”という位置に戻される感覚。これまでの看護が自分の中で確立されていた分、オペ室の世界で「これって自分の看護なのか?」という迷いが生じやすくなります。自分の積み重ねてきたものが無効化されたように感じる瞬間は、心を揺さぶるものがあります。
その一方で、この異動を「寄り道」「経験の幅を広げる機会」と捉えることができれば、心の負荷を少し軽くできます。「必ずこのまま続けなければいけないわけではない」と自分に選択肢を残すだけで、心理的な余裕は生まれます。
目指す“ゴール”をどう設定するか
オペ室でどこまでやればいいか、目標を描くことは簡単ではありません。しかし、明確な目標を持つことが「迷子」にならないための鍵となります。
- 短期目標:まずは器械名称、用語の理解、術式の流れを1〜2件覚える
- 中期目標:術中動き、器械出しや外回りの手順を一通りこなせる
- 長期目標:オペ看護師として自分のスタイルを築く、指導者やリーダーとして動ける
目指すべきゴールを段階的に細かく設定しておくと、「いつまでに」「これをできるようにする」という指針になります。また、その過程で「これは自分がやりたくない/合わない」と感じるなら、移動希望出す・転職を視野に入れるという選択肢も持っておくことが、自分の心を守る防御線になります。
育児と両立しながらオペ看護を学ぶ方法
オペ室勤務を始めながら、育児との両立を図る場合、時間に制約がある中で、いかに効率的に知識と技術を習得していくかが肝です。
“現場で学ぶ”姿勢を徹底する
毎日まとまった勉強時間をとることは難しいでしょう。そのため、現場で「疑問にぶつかる → その場で解消する」循環をつくることが、もっとも現実的で効果的な方法です。
たとえば、先輩から器械名を教わったとき、すぐ「その器械名の意味は? どういう使われ方をするのか?」と具体的に質問する。説明を受けて「何かひっかかった」点について、その場で確認をとる習慣をつける。これによって、記憶の定着率が高まり、後でまとめて復習する負担も軽くなります。
また、説明を聞いた直後にメモを取るのは大事ですが、メモだけ溜めておくだけでは荷が重くなります。重要なのは「理解した形」で持ち帰ることです。
隙間時間とまとめ時間の活用
まとまった時間が取れないからこそ、「隙間時間」を味方につける発想が重要です。通勤時間、夜寝る前の10分、休憩中の数分などを使って、教わったことを復習したり、関連用語を調べたりする。こうした小さな積み重ねが、1ヵ月後・半年後の知識量に大きく影響します。
また、週末など一定時間が取れる時には、1週間分のメモを整理し直す時間を確保しましょう。ノート整理、自分なりの図解、手順の流れのまとめなどを作ることで、一度に脳内をリセットできます。
予習は、オペ室の未知分野を先取りするという意味では魅力的ですが、最初から完璧を目指すと挫折しやすくなります。まずは復習と現場対応重視で進め、予習は余裕が出たときに少しずつ進めていく形で構成するのが無理がありません。
心と将来を守るための考え方
オペ室での経験は重荷にもなり得ますが、一方でキャリアを豊かにする要素にもなり得ます。心の持ちようと戦略次第で、あなたの看護人生を支える宝になる可能性も秘めています。
“経験値”として捉えるマインドセット
異動は「寄り道」だと感じるかもしれませんが、それ自体を大切な経験に変える視点が重要です。オペ室で得た視点や技術、判断力は、その後どこに戻っても役立つものです。たとえこの経験があなたの「やりたい看護」とはズレがあると感じても、それを無駄にしない視点を持っておくことは、後々の糧になります。
「今は寄り道」「この経験を1つの引き出しにする」と自分に言い聞かせることで、視界が少しクリアになる瞬間もあります。オペでの修羅場を乗り越えた実績は、あなた自身の自信と厚みを増してくれるはずです。
移動希望・転職という選択肢を視野に
もし「どうしてもオペ室での看護は、自分の目指す看護とズレている」と感じたなら、移動希望や転職という道も十分に考えていい選択です。大切なのは「自分を守ること」「自分が働き続けられる場所をつくること」。
ただし、移動希望や転職を考える際にも、オペ室経験を「強み」にできるように戦略を持って行動するとよいでしょう。どのような手順をこなしてきたか、学んだ器械・技術・判断の経験は何か、苦労して乗り越えたことは何か、これらを言語化・整理しておくと、次の面談や転職活動でもあなたの強みになります。
転職をするかどうかは、焦って判断する必要はありません。その判断の前段階として、まずは心身の余裕を確保できる対応策を取りつつ、小さな目標を積み重ねていくことから始めてみてください。
まとめ
手術室への急な異動は、技術・知識・心の領域すべてで負荷をもたらします。特に育児や家庭との両立を図りながら挑むあなたにとっては、壁は高いものです。しかし、以下のような視点と行動を意識することで、少しずつ前を向く足がかりをつくることは可能です。
- この異動を「寄り道」あるいは「経験の幅を広げる機会」と捉えて、自分を責めすぎない
- 現場で瞬時に疑問を解消する習慣をつけ、「理解して帰る」力を養う
- 隙間時間を活用して復習する仕組みをつくる
- 予習より復習重視で、無理なく進める
- 将来の選択肢を持ちつつ、この経験を「自分の引き出し」にする
- 必要なら移動希望や転職も視野に入れ、経験を言語化して強みに変える
あなたが迷いながらも着実に歩みを続けられるよう、ここで紹介した考え方と方法が少しでも支えになれば嬉しく思います。

辞めたくなったら。後悔する前に☺️👆
⦅しんどい⦆を⦅楽しい⦆に

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