お子さんが『鎖肛(さこう)』と診断されたら【鎖肛について解説】

消化器外科
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鎖肛(さこう)とは何か?

胎生初期には、泌尿器系の原基と腸管系は排泄腔で合体して、1つの腔として存在しています

胎生5〜6週より、泌尿器系原基と腸管の間に、尿直腸中隔と呼ばれる隔壁が出現し、排泄腔を背側の直腸と腹側の尿生殖洞に分離します

鎖肛とは、この発生過程で直腸が種々の高さで停止した奇形のことを指します

発生頻度は出生5000例のうち約1例です

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鎖肛になると、どうなるのか?

排便は、「肛門挙筋群」(腸骨尾骨筋・恥骨尾骨筋・恥骨直腸筋)と、内・外肛門括約筋により調節されています

これらのうち、恥骨尾骨筋が排便機能に重要な役割を果たしています

そのため、鎖肛の病型もこの恥骨直腸筋を基準としており、この筋肉よりも直腸盲端が高い位置で止まっているものを高位、この筋肉に包まれてはいるが貫通はしていないものを中間位、貫通はしているが正常な肛門の位置に開通していないものを低位としています

男児では、膀胱・尿道・会陰皮膚との間に瘻孔を、

女児では膣前庭部との間で瘻孔を生じます

治療方法

高位型と、中間がでは新生児期に人工肛門造設術を行い、生後6ヶ月以降に根治術を実施、根治術の2-3ヶ月後に人工肛門閉鎖術を行います

手術に必要になる子どもの麻酔については以下の記事を参考にしてください

また人工肛門については以下の記事を参考にしてください

治療後はどうしたら良い?

新生児期に人工肛門造設術を行った場合

人工肛門から胎便が排出し、児の体の状態が落ち着いていたら、少量ずつミルクを開始します🍼

乳児期に根治術を行った場合

人工肛門があるので、回復次第、経口摂取を再開します

退院後の生活について

手術後は、すぐには正常の排便状態には戻らないため、長期にわたり、定期的な浣腸などの排便訓練が必要となります

年を追うごとに、排便状態は改善し、小学校入学ごろには大きなハンディは残りません


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